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湖のほとりで〜カタリナ王国物語〜  作者: 望月 まーゆ
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ソフィアの決意

☆7、ソフィアの決意


ロザリナ王国にも帝国からの条例案の提示が届いたーー


ロザリナ王国は、国王不在どころか葬儀やら何やらでそれどころではなかった。



「ーーどうするのじゃ!次の国王は?」

「まだそれどころでは・・ーー」

「帝国から条例案はどうするのだ?」

「葬儀の後の茶会の件は?」

「先に帝国のーー」

「イヤイヤ、先に葬儀のーー」

騒ぎ立てるばかりで話がまとまらない王国議会。


困り果てる使用人とレオン。


ロザリナ王国は、基本的に大臣などいない。

名家の延長で国王の家がそのまま国の政治的な役割も果たしていた。


揉め事などは、ほぼなく国王が言えばみんなも反発なく納得するといった感じだったからだ。


国王が不在となった今、国中がパニックになっていたーー


「どうするのじゃ!どうするのじゃ!」

「帝国から条例案をーー」

「イヤイヤ、次の国王を先にーー」

「だから!葬儀のだなーー」


もう議会の出席者たちも不安と焦りで限界だった。次第に苛立ちに変わっていった。


「ちょっーー落ち着いて下さい。」

たまらずレオンが割って入る。


「もう限界だ!お前らだと話にならん!」

「何だと!!」

「静かにしろ!ここを何処だと思ってる」

遂に、不満が爆発したーー


レオンがおどおどしているとーー


ガチャン!


ドアが開く音と共に金髪の肩までの長さの鎧を着た女の子が勢いよく中に入って来た。


周りは静まり返るーー


レオンもその女の子に見惚れていた。


少し遅れて白髪の老人のが微笑みながら入ってきた。


「ーー今日から私が国王だ!!」


みんなまだ何が起きているのか、分からなかった。

それはレオンも一緒だった。


「皆良く聞いてほしい。父亡き今、この国を守っていくには私のチカラだけでは無理だ!皆も私にチカラを貸してくれ!

今日からこの国は新しく生まれ変わる!」


ーーソフィア?!!!ーー


「ーーソフィア様」

「まさか・・・ソフィア様か。」


腰までの長い髪の毛をバッサリと切り、いつもは綺麗な可愛らしいドレスを着ていたのにそれが鎧に変わっていた。お淑やかな口調も厳しい強い口調に変わっていた。


「良いか!!皆!ロザリナ王国は父の形見だ!母の家だ!ロザリナ王国を帝国に渡さない!立ち上がれ!!」

ソフィアは皆の心に叫んだ!!


おおオオ!!!


議会の全ての人々が立ち上がり雄叫びを上げた!!


ーーソフィア・・・どうしたんだ?



この日ロザリナ王国にソフィア国王が誕生した。

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