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湖のほとりで〜カタリナ王国物語〜  作者: 望月 まーゆ
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レオンの心中


☆4、レオンの心中


レオンとソフィアが王宮に帰ると大騒ぎになっていたーー


使用人たちがバタバタと忙しそうに行ったり来たりしている。


「ーーお父様の具合は如何ですか?」

ソフィアが使用人の女性に声をかけた。


「これはソフィア様、直ぐに国王様の元に行ってあげて下さい。」

そういうと一礼しまた忙しそうに足早に去っていった。


「ソフィア様、一刻も早く国王様の元に!」

レオンは嫌な胸騒ぎがしたーー


「ーーええ。」

ソフィアも心配でいられない様子だ。




国王の部屋は4階の隅にある部屋だ。

レオンとソフィアは急ぎ脚で階段を登るーー


使用人たちとすれ違う度に皆一同に

「急いで、早くーー」とばかりでどんな容態なのか分からなかった・・・


分かったことはあまり良くないってことだろう。相当重体に違いないーー


ーー急がないと、急がなきゃーー


レオンは焦っていた、もしもの事があればソフィアは・・・・



* * * * * * * * * * * * *



ソフィアの母、王妃様は数年前に病気で他界したーー


その病気も国王様もソフィアも知らなかった。


知っていたのは白髪の老人紳士だけだった。固く口止めされていたらしい。


ソフィアはみんなの前では決して涙を見せなかった。

それは国民に不安がらせない為、姫らしく振舞う為なのか・・・

まだ、10歳くらいの女の子が大人を気遣う姿は逆に胸を打たれるものがあったーー


王妃様の葬儀の後、ソフィアが居なくなった。レオンは捜しに行ったーー


いろいろ捜して最終的に湖のほとりに一人で座っていたーー

レオンが声をかけた瞬間に大粒の涙を流し泣いた・・・


ーーずっと、我慢していたんだ。

当たり前だ、自分の母親が亡くなったんだ。どんなに辛かったことだろう。

どんなに苦しかったのだろう。僕には想像もつかない悲しみだけだーー


初めて、ソフィアを抱きしめた。

ソフィアはレオンの胸の中でいつまでも、いつまでも泣いていた、涙が枯れるまで・・・




* * * * * * * * * * * * *


「ーーソフィアにもう、あんな悲しい想いはさせたくない!頼む、国王様どうかご無事で」

レオンは、祈るような気持ちで階段を駆け上る。


ーーっ痛い!!!ーー


ソフィアの声が遠くでしたーー


レオンは振り返ると、だいぶ下の方でソフィアが階段で転んでいた。


「ーーソフィア様!!」

レオンは急いで階段を下りる。

自分ばかり焦るばかりでソフィアを置き去りにしていたのだ。


ーー僕が焦ってどうなる?国王様が会いたいのはソフィア様だぞ。ーー


レオンは自分に言い聞かせた。


「ソフィア様大丈夫ですか?お手を・・・」

レオンはそっと、ソフィアに手を差し出した。


「ーー大丈夫です。階段を踏み外してしまいました。急ぎましょ。」

レオンの手に掴まり立ち上がるとまた再び階段を登り始める。


今度は、レオンはソフィアが登ってくるのを確認しながらゆっくりとーー



そして、四階に辿り着いたーー


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