最終通告
☆10、最終通告
王宮に帰ると、大騒ぎだったーー
ソフィアが居なかったことではなく、帝国からの最終通告だった。
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返答なき場合、数日以内に武力行使に出る。
〜 ハロルド 〜
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ソフィアの決断に異議を唱える者が出てきた。
帝国に対等に戦える武力はロザリナ王国にない。
攻めてこられたら一瞬で終わりだ。
「ーーソフィア様、何か考えがお有りですか?」
幹部らしき男が言う。
「・・一応、考えはあります。」
ソフィアは少し不安そうに言う。
ソフィアは白ワンピース姿ではなく紅い鎧にマント姿の国王らしい姿に変わっていた。
「他国には援軍を頼むことは出来ないのですよ。それはお判りか?」
別の幹部が言う。
「・・・ですが、私はこの国を・・」
「国と国民の命どちらが大事か?」
一人の男の言葉に全ての人が黙ったーー
「私は・・・私は・・・お父様の・・」
ソフィアは言葉が出てこない・・
「そうだ!そうだ!国と国民の命どちらが大事なんだ!」
容赦無い罵声が次から次へと出る。
ソフィアは下を向き必死で堪える。
味方してくれる者は一人もいない。
「お前らはそれでいいのかよ!!!」
レオンが口を挟むーー
ソフィアはその声の方に顔を向ける。
「お前らは、しっかりと帝国の要求をみたのか?全て目を通したのか?何故ソフィア様がこの国を守りたいのか、分かろうとしたのか?」
静まり返る王宮の会議室・・・
「帝国の要求は、鉱山の採掘物資の8割譲渡、帝国への果樹の出荷義務。そして和平協定の義務だ!!これを条件に配下に入れと言っているんだ!」
騒つく会議室、人々は困惑の表情を見せる。
「お前らは帝国に国を売れとソフィア様に言っていたのと同じだぞ!!
ソフィア様がみんなの命を大事に思ってない訳ないだろ!!!
覚悟がなくて、国王になったと思ってるのか!」
レオンは叫んだ!その声は王宮の外にいた人々にも聞こえるほどだったーー
「ーーレオン。」
ソフィアはレオンを目を輝かせて見つめた。
その目には薄っすら涙が浮かんでいた。
「ーーしかし、どうやって帝国から」
「確かに我々が戦うとなっても。」
落胆の表情を浮かべている。
確かにこれでは何の解決にも至ってない。
「・・・・」
レオンが言葉に詰まっていると・・・
「ーー剣を持って戦うだけが戦闘じゃない、武力が無くても戦える!」
ソフィアは力強く答えたーー




