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湖のほとりで〜カタリナ王国物語〜  作者: 望月 まーゆ
10/26

最終通告


☆10、最終通告



王宮に帰ると、大騒ぎだったーー


ソフィアが居なかったことではなく、帝国からの最終通告だった。


= = = = = = = = = = = = = = = = =


返答なき場合、数日以内に武力行使に出る。


〜 ハロルド 〜


= = = = = = = = = = = = = = = = =



ソフィアの決断に異議を唱える者が出てきた。

帝国に対等に戦える武力はロザリナ王国にない。


攻めてこられたら一瞬で終わりだ。



「ーーソフィア様、何か考えがお有りですか?」

幹部らしき男が言う。


「・・一応、考えはあります。」

ソフィアは少し不安そうに言う。


ソフィアは白ワンピース姿ではなく紅い鎧にマント姿の国王らしい姿に変わっていた。


「他国には援軍を頼むことは出来ないのですよ。それはお判りか?」

別の幹部が言う。


「・・・ですが、私はこの国を・・」


「国と国民の命どちらが大事か?」

一人の男の言葉に全ての人が黙ったーー


「私は・・・私は・・・お父様の・・」

ソフィアは言葉が出てこない・・


「そうだ!そうだ!国と国民の命どちらが大事なんだ!」

容赦無い罵声が次から次へと出る。


ソフィアは下を向き必死で堪える。

味方してくれる者は一人もいない。



「お前らはそれでいいのかよ!!!」

レオンが口を挟むーー


ソフィアはその声の方に顔を向ける。


「お前らは、しっかりと帝国の要求をみたのか?全て目を通したのか?何故ソフィア様がこの国を守りたいのか、分かろうとしたのか?」

静まり返る王宮の会議室・・・


「帝国の要求は、鉱山の採掘物資の8割譲渡、帝国への果樹の出荷義務。そして和平協定の義務だ!!これを条件に配下に入れと言っているんだ!」

騒つく会議室、人々は困惑の表情を見せる。


「お前らは帝国に国を売れとソフィア様に言っていたのと同じだぞ!!

ソフィア様がみんなの命を大事に思ってない訳ないだろ!!!

覚悟がなくて、国王になったと思ってるのか!」

レオンは叫んだ!その声は王宮の外にいた人々にも聞こえるほどだったーー


「ーーレオン。」

ソフィアはレオンを目を輝かせて見つめた。

その目には薄っすら涙が浮かんでいた。


「ーーしかし、どうやって帝国から」

「確かに我々が戦うとなっても。」

落胆の表情を浮かべている。


確かにこれでは何の解決にも至ってない。


「・・・・」

レオンが言葉に詰まっていると・・・



「ーー剣を持って戦うだけが戦闘じゃない、武力が無くても戦える!」


ソフィアは力強く答えたーー








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