日常
「死ね」
心の中で声がする。
「死んでくれ」
心の中で頼まれる。
「死にたくない」
心の中で救いを求める。
俺はいつもそれを見ている。
「君は死ぬべきだ」
なぜ、そう思う。
「君は生きていたいのか」
なぜ、そう問いかける。
「僕は夢を見たい」
なぜ、そんなことをいう。
みんな好きに話し続ける。
「生きていると迷惑なんだ」
「なら殺せばいいだろう」
「誰かに罪を負わせるのか」
「僕はまだ歩いていたい」
「あなたはいなくなるべきだ」
「そう、君は死んで当然だ」
「生きているだけで意味はある」
「僕を必要としてくれる人がいる」
「ざれごとを」
「ただの幻想だ」
「無償の愛など存在しない」
「できそこないなどに意味はない」
「だから頼む」
「黙って静かに」
「「死んでくれ」」
これが僕の心の日常。