エッセイ ブラック企業
私が30歳まで勤めた、大手電機メーカーの子会社は、超ブラック企業でした。
朝8時から夜10時半までPCを叩いて、昼食も5分、長時間の会議が多く、皆は煙草ばかり吹かしています。
休日は月に一日。それも徹夜明けの休みだったので、実質休日ゼロでした。
残業時間は毎月150時間以上が当たり前ですが、ほぼサービス残業なので、タダ働きでした。
職場の人々も酷かったです。
優しいけど、仕事の出来ない上司。この上司のむちゃぶりが、いつも部下の私に下りて来る。
そのせいで仕事は2倍から3倍の忙しさとなりました。
私への評価は最低ランクなので、昇級したのに基本給が下がる事態にも遭いました。
会社には、ブラザー制度というのがありました。先輩社員と若手社員がひと組となって、仕事の相談をするもの。
私が組まされた先輩は、ズルで太鼓持ちの先輩で、上役には媚びを売り、後輩には威張る人物でした。もちろん仕事は出来ない。
お金の管理もズサンで、先輩が幹事をやると大変でした。私から、2000円多くちょろまかしたのも、この先輩です。
この会社では、何かと理由を付けて、飲み会が開かれます。週に2回(たとえば水金とか)は飲み会だったと記憶しています。
仕事のグループミーティングの後も、必ず飲み会でした。
仕事の出来ない人ほど、飲み会で騒ぎます。「俺の酒が飲めないのか」と絡むやからばかり。当時ハラスメントという言葉はありませんでした。
私は下戸なので、店の予約、集金、支払いをよくやらされました。
「二日酔いでも、朝会社に来れば良い。仕事なんかしなくて良い」と、何人からも聞きました。
本当にだらだらしていて、仕事をしない社風でした。
仕事の一つに、下請けから来た「工事報告書」の表紙を破いて、自社の表紙を張って親会社に提出する、というものがありました。
工事見積も適当なので、私の上司は、各所から百万円単位で借金していました。
20代の私が残業150時間以上も働き、(酒の)付き合いが悪いと減給された、この企業は、その後どうなったと思いますか?
私は30歳で病気退職しました。
そして会社は、グループ再編で吸収されて消えました。
思えば退職金から、受けてもいない集団検診代などを天引きされるような、変な会社でした。
20年以上昔の悪夢を、今でも見ます。いつになったら安眠できるのでしょうか?
派遣先の上司は、面倒見が良くて、仕事が出来て、とても良い人でした。
今でも年賀状を交換しています。




