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【うちの弟は転生者らしい】原作知識を呟いただけなのに、世界は3日で "姉" の手に落ちた【第二章開幕】  作者: 私貴私
第一章 姉はすべての障害を破壊する

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第-1話 うちの〇は転生者らしい

気づいた時には、そこは限界集落のような村だった。



そういう事もあるのかぁ。

その時はただそう思っていた。



『死んだ先に何が待っているのか』

そんな誰もが一度は考える問いの答えがここにはあった。

なんの変哲もない畑である。



初めは何処かの田舎に転生したのだと思っていた。

紙もペンもなく、暇を潰せる書物もない。

もちろんインターネットを始めとした文明の力など片々も見当たらない。

この活字に飢えた私の瞳に映るものは、精々畑と森だけである。



「お姉ちゃん、またお話し聞かせて」



あまりに暇なので、語り部の真似事を始めた。

私の知る物語を子供達に語り聞かせてみたのだ。

この村は娯楽が少な過ぎる。

結果的に子供だけじゃなく、大人までも仕事を抜け出し、幼い語り部へ耳を傾けた。



物語を『創造』することは嫌いじゃない。

昔からよくやっていたことだ。

『曇らせ』は良いものだ。

ワクワクする。

『バッドエンド』は素晴らしい。

人の想像力を駆り立ててくれる。



人は『幸福』を求める生き物だ。

つまり、ハッピーエンドへ辿り着くにはどうすれば良かったのか考える人が多い。

そこに創作の余地が生まれる。

仲間が増えるのはたいへん結構なことだ。



だから、私は考えている。



どうすればこの村を助けられたのだろうか?



村にはもう何もない。

全て『怪物』が食べてしまった。

私は見逃された。

『怪物』は私を一切襲わなかった。

理由は分からない。



「おい、そこの人間。大丈夫か?アリアス語伝わるか?ワタシマゾクニンゲンミナトモダチ。干し肉食うか?」



それでも分かったことがある。

この世界を私は知っている。



「人間、魔族を見るのは初めてか。そんなに俺の顔をガン見するんじゃない。まあ、俺は歴代魔族の中でも殿堂入りレベルでイケメンだがな」



私はこの "顔" を知っている。

素晴らしい出来だ。

いや、知っているなんてレベルではない。



「おい、マジでなんでそんなに見てくるんだ。なんかついてるか? 城を出る際に髭は剃ったし、歯も磨いたはずだ。鼻毛でも出てるのか?」



それは『 《《私が作った顔》》 』だ。



シナリオ文字数5,128,534文字。

イラスト枚数341枚。

私が書いたとあるゲームに関する数字だ。

ありとあらゆる私の『趣味』を込めた作品の登場人物。




魔王




世界に絶望し、勇者パーティを利用して破壊神を顕現させることで世界を滅亡させた魔族である。

そして、顔が良い。



ここが私の知っている世界ならやばい(素晴らしい)

私はバッドエンドを書くのが好きだ。

愉悦も裏切りも絶望も大好物。

前世のSNSで『絶望の創造神』とかタグを付けられていた。

好きな熟語は『|慟哭《悲しみのあまり泣き叫ぶ》』である。



とは言え流石にリアルとなった世界にまで性癖を持ち込みたいわけじゃない。

それにしても顔が良い。

気付けば、私は無意識に魔王(イケメン)を口説いていた。



Qご趣味は?

知ってる。バードウォッチングだ。私が決めた。

Q好きな食べ物は?

もちろん知っている。こいつは冷奴が好きだ。私が決めた。

Q身長と体重は?

192cmで243kgだよね。ムキムキだからめちゃくちゃ重いんだ。マジカルマッスルなんだ。あ、ちょっとズレてるな。

Q年齢は?

これは気になるね。今がどの時代か分かる。ふむふむ、勇者が生まれるよりも随分前だね。

Qアナタの欲望は?

そうだよね。困るよねこんな質問。でも私は知っているよ。暇なんだよね。暇で暇すぎるから世界を滅ぼしたし,破壊神を呼んだんだよね。知ってるよ。だって私が決めたことだからね。

やっぱり、顔が良いな。



もっと話をしよう。もっとその顔を見せてくれ。色んな表情を見せてくれ。その絶望した…失礼。性癖は心に秘めるものだよね。

そうだ。私の特技を見せよう。



私は物語を話すのが得意らしい。

もちろん創るのも得意だけどね。

こんな物語はいかがか?




馬よりも速く動き、多くの人々を運ぶ乗り物のお話。







気付いたらベッドの上だった。

なんだ夢オチか。

と思ったが、どうやら違うらしい。

ここは魔王城の中で、私は夜通し魔王に物語を語って聞かせ、気絶したらしい。

私を気絶するまで寝かせてくれないとは、鬼畜魔王め。

でも顔が良いから許す。



魔法すげぇ、魔族かっけぇ、今日から毎日魔物を焼き払おう!!

そして、この世界を作った私すげぇ。

おお、これが本物の魔王城か!

やっぱりあいつは顔がいいな!

まあ、私がそう作ったからだがな。

ガハハ!



ちなみに、こんなイケメン王子様フェイスのナイスガイだけど、辛いものが苦手で寂しがりやなんだよね。

1人で居ると小さい頃のトラウマのせいで、うなされてずっと寝れてないんだよね。

だから、今だに寝る時は500年前に亡くなった母親にもらったハンカチを枕元に置いているんだよね。

かわいぃねぇ。



いやぁ、強いね魔王軍。

魔王のイケメンフェイスに見惚れてる間に、親兄弟や友達の(カタキ)もみんなぶっ殺されちゃったねぇ。

ダンジョンから追い出された程度の魔物は魔族の相手じゃないね。

こりゃまいった。

でも、私も魔王の子供時代に人間の謀略で両親ぶっ殺されるシナリオ書いたからおあいこだよね。



いやぁ、こんな裏事情が現実にあるなら誰だって世界の全てを自分ごと滅ぼしたくなるよね。

このまま魔王の元にいると、か弱い私なんてあっけなく殺されちゃうだろうねぇ。

しかもこの世界、設定上地獄があるんだよね。

私、絶対地獄落ちじゃない?



趣味の拷問歴史知識をふんだんに使って設定だけはしっかり作ったからね。

絶対行きたくねぇな。

ああ言うのは、外から眺めておくのが良いんだよ。

やるのもされるのもゴメンだね。



ということで、魔王に殺される前になんとか魂ごと消滅する方法を考えなくちゃね。

どうするか……。



せや、破壊神の祭壇があるし、続編の構想で設定だけ作ってた『神降しの魔法』使ってみようかな。

私の全てを捧げたら良い感じに対価不足で私の存在を消滅させてくれるかも知れない。

魔法が使えないはずの人間でも唯一使えるものがある。

それが『自爆魔法』。

次回作で主人公の住む町が邪教崇拝者に乗っ取られ、住民全員が集団儀式を行なって壊滅する設定を事前に考えておいて本当に良かった!!

これによって神宿しの主人公が最後は世界を救うんだから結果オーライだよね。

まさか前作に出てきた魔王の息子を人間として育てて主人公に仕立てる没設定用意しておいてよかったよかった。

かなり良い案だったから、そのまま通したかったのにね。

今思い返しても編集の野郎ムカつくな。

何がサイコパスだ。

『愉悦』は崇高な趣味であり、『曇らせ』は文化だぞ。

腹立つ。

まあ、前作で本編バッドエンド書いた後に、おまけの全13ルート全てバッドエンドでシナリオ作った時はめちゃくちゃ炎上したからね。仕方ないね。

最後は良い感じにハッピーエンドにしないとネットの神様たちに吊るされちゃうから大変だ。







イケメンには勝てなかったよ…。

私の欲望のままに作ったイケメンに、私自身が叶うはずもない。

あれよあれよと絆され、結婚してしまった。



だから、少し計画を変更する必要がある。

あいつとの子供が欲しい。

人間とほぼ同じ存在の魔族相手ならともかく、この身体で魔王という超越者レベルのやつの子供を産めるか分からん。

魔法が得意なほど、寿命が伸びて人類の枠からはみ出すのがこの世界の生物学である。

生半可な身体では耐えきれない。



だから、その物語を作る時に用意していた公開していない裏設定を利用することにした。



【神降しの魔法】を使ってラスボスである破壊神を味方にしてしまおう作戦だ。



私の推測が正しければ、私の魂は特別製だ。

この世界を物語として閲覧できる世界からの転生体である。

なんなら、作者なので創造神として格も高いかも?魔法の対価としては十分使えるだろう。



心残りはある。

私はバッドエンドが好きな悪い創造神だけど、リアルはハッピーエンドが好きなんだ。

人並みに子供達の幸せも求めている。

だから、娘達が私の狙い通り私の書いたシナリオで幸せに暮らせるのかが見たかったかもね。




まあ、ラスボスはなんとかしたから、前世の私が用意したたくさんのイベント(災厄)は後のみんなで頑張ってね。






完読ありがとうございます。


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