表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

歴史上の人物となんて生きられない!転生するなら異世界にしてくれ!

歴史上の人物となんて生きられない!転生するなら異世界にしてくれ!

偉人も賢人も誰も彼もが変人奇人。

そんな彼ら彼女らが、歴史に名前を残せたのは緩めの世界線だったから

現代に居たらきっとただの変人扱い

今の時代に合わないのは当たり前・・・・

だったら?私だって未来の偉人になれるかも?

ニュートン運転手シリーズ


ニュートン運転手のタクシーに乗れば安心だ。

常に最短ルート。

常に最速ルート。

信号のタイミングすら計算済み。

「時速、角度、距離……完璧だ」

時間に遅れることなど決してない。


料金もお値打ち。

物理学の権威は、無駄な遠回りを許さない。


だが、ただ一つの弱点。

週末のマクドナルド渋滞。必ずはまる。

昼時のすき家渋滞。もちろんはまる。


「私は天体の動きは計算できるが、人々の狂った行動は計算できない。」

客:「言い訳はいいんで、迂回してもらえますか?」


長距離編


ある日のお客さん。

今回は高速を使っての長距離依頼。


ニュートン:「お任せください。最短ルートを計算します」

……待て待て六分儀って!?

ナビにしようよ?星見るより先に住所入れて!


客:「高速でお願いします」

ニュートン:「了解。最速の経路を導きます」


道中の会話。

ニュートン:「今日はお仕事ですか?大変ですね。もうほんとに、辛くないですか?私はもう無理そうです」

客:「えっ……どしたん?ネガティブ!?」

ニュートン:「あ~昨日の投資で失敗しました」

客:「……物理学者でもFXは読めないのか」


それでも安全運転の計算は完璧。

速度、距離、燃費、すべて物理的に最適化。

多少メンタルは弱めでも、ハンドル捌きはブレない。


無事に到着。

客:「ありがとうございました。料金は?」

ニュートン:「作用反作用の法則により……いや、メーター通りで」


雨の日編


外は土砂降り。

お客さんが後部座席に乗り込むと、ニュートン運転手は振り返って一言。


ニュートン:「ご安心ください。摩擦係数μと路面の傾斜角θを考慮すれば、タイヤのグリップは保たれます」

客:「いや、その前にワイパー動かしてもらえます?」


走り出すタクシー。

ニュートン:「雨の日はね、摩擦力F=μNが大幅に減少するんです。つまり止まりにくくなるんです!」

客:「そんな実況中継いらないですから!」


交差点でブレーキ。

タクシー、少しツーッと滑る。

客:「ほらぁぁ!滑ってるじゃないですか!」

ニュートン:「……理論は正しい。だが人間の行動と天候は計算不能だ」


それでも最後はきっちり安全に停車。

客:「……やっぱり大丈夫なんですね」

ニュートン:「はい。摩擦係数の減少は想定内です。あと想定外なのは、人間の運転ミスだけです」


深夜編


夜の街。時計は午前2時。

深夜割増料金が光るメーターの横で、ニュートン運転手は小さくあくびをした。


ニュートン:「……夜食はリンゴでお願いします」

客:「え?運転中に?」

ニュートン:「どうして落ちるのか、考えながら食べるのです」


瞼が重い。

ニュートン:「私の瞼も、地球の中心に向かって引かれている……万有引力です」

客:「いや、それただの眠気ですよね?」


赤信号で停車。

頭がガクッと前に落ちる。

客:「危ない危ない!寝ないで!」

ニュートン:「大丈夫です。これは作用と反作用。頭が落ちた分、意識は上に戻ります」

客:「物理で居眠りをごまかさないで!」


それでも安全運転は崩さない。

深夜の道路を抜け、無事に到着。


客:「お疲れさまでした。リンゴ食べます?」

ニュートン:「ありがとうございます。ただし、落とさないように。落ちたら……また考え込んでしまいますから」


飲み会帰り編


ある日、呼んだタクシーのドライバーがニュートンだった。

終電も終わり、自宅近くまでタクシーで帰ることにした。


ドアが開いた瞬間、あまりに異質な雰囲気。

ただの深夜テンションか?

いや、詮索はナンセンスだ。

私はおとなしく住所を告げる。


ところが彼は、ナビに入力しない。

「最短ルートを知っていますから」

ならば安心……と思ったのも束の間。


知らない道。

不気味な住宅街。

「これ、近道なんですよ」


安心して乗っていたら、急に車が進まない。

「どうした?」

「渋滞です」

夜中なのに?と思って外を見れば、工事中の看板。

夜間工事で完全通行止め。


私:「迂回できないですか?」

ニュートン:「私、最短ルートしか行きたくないんで」

……オイオイ。早く帰りたいんだよ。


困っていると、ニュートンが林檎を差し出す。

「いらないって」

「反作用って知ってますか?」

いきなり何の話?


ニュートン:「早く行きたいと思うと、行けないんですよ」

私:「聞いてねーよ!」


結末


結局、最短ルートなのに帰れない。

むしろメンヘラ気味なニュートンとのやり取りで、心のエネルギーは消耗するばかり。


深夜の帰り道。

学んだことはただひとつ。

“最短ルート”と“最速帰宅”は同じ意味じゃない。

ニュートン(アイザック・ニュートン, 1642–1727)は、イギリスの物理学者・数学者・天文学者です。


万有引力の法則を提唱し、天体や地上の運動を統一的に説明。


運動の三法則を打ち立て、古典力学の基礎を築いた。


光学や数学(微積分の発明者の一人)でも大きな業績を残した。


簡潔に言えば、**「自然界の法則を数式で示し、近代科学の土台を作った人物」**です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ