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隣で「おはよう」と笑う君を見たいから  作者: 山田 太郎丸
第一章 1年遅れの関係
3/31

2.自己紹介

補足ですが、彼らの席順は横一列で並んでます

 

 思わぬ(予想通り)の傷を負い、春馬と駄弁っていると、チャイムが鳴り担任が入ってくる。


 さて今年の担任は誰かな。


「みんな、おはよう」


 凛とした、それでいて親しみやすい声音で挨拶をしながら入ってきた我らが新担任。

 彼女の名前は大山眞紀(おおやままき)、生徒との距離感が近く、親しみやすい空気感が特徴の先生だ。長い髪をポニーテールで一つにまとめ、剣道でもやっていそうな綺麗系の美人である。


 だが、彼女には致命的な欠点がある。何かあるとすぐにお酒に逃げる癖があるのだ。朝、疲れ切った表情が見えた時は大抵二日酔いである。そのせいで生徒には、「残念美人」だの「呑兵衛撫子」だの不名誉な呼ばれ方をされることがままある。だが、一番多いのは………


「眞紀ちゃんセンセー、1年間よろしくね!」


「おう、よろしく真田」


 眞紀ちゃんセンセーである。親しみやすい雰囲気と滲み出る残念美人感によって、教師かどうかも疑われた結果「ちゃん」に「センセー」などという適当な呼び方になってしまった。本人は気に入っているようなのでこれ以上深掘りはしないが。


 ちなみに今、いの一番に挨拶をしたのは真田桜さん。このクラスのギャル枠その1である。


 余談だが、俺たちが通う古見(ふるみ)高校は割と自由な校風で髪色も着崩しも自由だ。流石にピアスは駄目らしいが。


「おーい、静かにしろー」


 当たりと言える部類の担任に決まったことで、少し騒がしくなっていた教室が落ち着きを取り戻す。隣の方は相変わらず静かだが。


「今日は全員の自己紹介と委員決めをやっていくからな。今のうちに話したいことと入りたい委員を考えておけよ」


 そして数分の後に自己紹介が始まり、


「じゃあ、名前順で相川からよろしくな」


「はい!私は相川可奈っていいます!1年間よろしくね!」


 ギャル枠その2相川さんである。このクラスの元気印として、真田さんと共にこのクラスを盛り上げてくれるだろう。知らんけど。


「よーし。じゃあ次—————————」


 そうして自己紹介は進んでいき………


「次は志田だな」


「はい、志田春馬です。みんな今年もよろしくな!」



 ウオォォォォォォォォォォ!!!!!!!

 キャーーーーーーーーーー!!!!!!!



 アイドルのライブかよ。もう春馬アイドルとかやった方がいいんじゃね?少なくとも失敗はしないだろ。


「相変わらずすごい人気だな志田は………私もそんな風にモテたいよ………」


 うん、触れづらい。こういうのはスルーに限るな、うん。

 そしてまた自己紹介は進み……


「1年間よろしくな津田。それじゃあ次、戸張」


「はい、戸張優心です。春馬とセットで覚えてくれたら嬉しいです、よろしくお願いします」


 だが、自虐ネタも交えた自己紹介も成果なく、むしろ厳しい視線が注がれる。

 分かるよその気持ち。「なんであんな奴が」ってその視線。

 春馬と親友やってる時点で覚悟はしてるし、毎年のことだしな。


「ありがとう戸張。次は………」


 そう言って先生は謝るような視線を向けてくる。

 別に先生が謝るようなことじゃないんだけどな。

 おっと、そうこうしてるうちに氷川さんの番だ。全力で聴かなければ。



「氷川綾乃です。よろしくお願いします。」



 その瞬間、教室が静まり返った。



 あまりの美しさに教室の時間が止まる。


 俺はちらりと横を見る。すると、ほんの少し困った顔をした氷川さんがいた。

 表情はほぼ変わらないが、周りの皆よりも長い時間過ごしてる俺には分かるね。

 変態チックだって?言わないでくれ、俺も思ったから。



お読みいただきありがとうございます!

感想、誤字報告もどんどんください!

高評価もして下さるとものすごく作者の励みになります………!!!

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