俺とゲームしよう?
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
地味な子にチャラい子が好きになる事は無いと思うのですが、あるとしたらこんな感じかなぁ。
――あの子、またカノジョ変わったって〜。
――キスしてない子は居ないって話だよ。
――相変わらずチャラいね〜。でも格好良い。
そんな噂話を尻目に私は今日も、やる事を終えて教室を出る。最近話題になっているのは、クラスでモテる男子に着いての話だった。
色白な肌、艶のある髪、切れ長の目。綺麗と形容してもおかしくない容貌は、女子達の間で人気の的だった。けれども女癖が悪く、気まぐれに女子を取っかえ引っ変えしているらしい。
長い廊下を抜けて、数多の教室を超え、数え切れないぐらい階段を登った後、屋上へと続く踊り場まで来た。すると先客が二人。人の毛のない場所で、仲睦まじいく、口付けを交わしあっていた。
何時気が付くかと観察していると、女子生徒の方が瞼を開く。私の気配に気が付いてか、視線が此方に向く。目が合うと真っ赤になって男子生徒を突き飛ばした。
後はもうお分かり。彼女は彼と私に構わず、全速力で逃げていった。
「めんご〜。君が来るの忘れてた☆」
てへっと、こめかみに拳を当て、舌を出す。全然悪いと思ってない、謝罪の言葉。そうしてキュッキュッと床と上履きを擦れ合う音をさせて、下ってきた。
「お詫びはちゅ〜で許して、よんっ」
軽い口調でそう言うと、私の合意もなく、顎に触れる。
「お兄さん。流れる様にキスしようとしますね……」
丁度両手が空いていたので、片方派自分の唇に、もう片方は相手の唇に当てる。当然、そのままではキスできるはずも無く、不機嫌そうな目で此方を見詰めてくる。
「だって君だけなんだも〜ん。『キスしよ?』って迫っても、すぐ流すし。ガード硬すぎぃ」
「じゃあ、他の女子生徒とは……」
「九割九分、奪っちゃった☆」
噂に恥じない手の早さ。それに対して一抹の恐怖を感じながらも、上辺だけは平然と受け流す。乗せられたら最後なのだから。
「何も学校にいる地味な女子引っ括めて、女子の唇フルコンしなくても。街中行けば、おきゃわなギャルなんて沢山いらっしゃいますよ。それとも……」
私は自分が出来うる限りの挑発的な視線を作り、相手を見る。
「あえて手の届かない方が燃えるとか。楽しみたいなら一度だけ、お供致しますよ」
すると相手の方も、同じ目をして此方を見た。ギラギラと、獰猛な肉食獣の様な目で私を見る。
「へぇ、優等生チャンの癖に、火遊び好きなんだ。ギャップは嫌いじゃなぁい」
これはゲームである。彼と私の。どっちが先にドツボにハマるかの。
「じゃあ、俺とゲームしよう? 君が勝ったら今のように迫る事はしないよ。俺が勝ったら唇を貰い受ける。内容は先に惚れた方が負け」
「受けて立ちまちしょう」
チャラい子が地味な子に興味持つのか。
え、無理でしょ。ぜってぇ無理。え……えー……。
そもそも接点どうすんのよ!?
じゃあこうしよう。
女子なら誰でもOK。学校の全女子の唇フルコンするのが目標。
みたいな子ならワンチャン……。
と思って出来た話。
あの子まだチューしてないや☆ 呼び出そう。
あ、その前にあの子と約束、先に守らないと☆
がプロローグ。
結構おもしれー女。愛想も良いですしね。
色恋沙汰の話を興味津々で『何時気付くかな〜?』とか。
『こんな地味な女引っ掛けなくても。おきゃわなギャルが〜』とか。
チャラい子に相手にゲーム仕掛けて『受けて立つ』とか。
真面目<好奇心 って感じ。
お下げ髪に眼鏡かけてるんですよ。
なのに繰り出される強烈さ。
だったらワンチャン記憶にも残るかなと。
こんな子いたら、見てみたい。