第九九五話、先行する第六艦隊
よくもまあ、これだけ数を増やしたものだ。
第六艦隊司令長官、三輪 茂義中将は思うのである。
潜水艦隊を率いて一年経ち、今回の決戦にあたって潜水艦隊が集まったのだが、その数は、開戦時とは比べものにならない。
●第六艦隊:司令長官:三輪 茂義中将 参謀長:佐々木 半九少将
○艦隊旗艦:大型巡洋艦『塩見』
付属:「伊404」「伊405」
・第一潜水戦隊:「伊16」「伊19」「伊21」「伊26」「伊27」「伊28」
:「伊29」「伊32」「伊33」「伊36」「伊37」「伊38」
・第二潜水戦隊:「伊201」「伊202」「伊203」「伊204」「伊205」
:「伊206」「伊207」「伊208」「伊209」「伊210」
・第三潜水戦隊:「伊52」「伊53」「伊55」「伊54」「伊56」「伊58」
:「伊40」「伊41」「伊42」「伊43」「伊44」「伊45」
・第四潜水戦隊:「伊152」「伊153」「伊154」「伊155」
:「伊156」「伊157」「伊158」「伊159」
・第五潜水戦隊:「伊10」「伊15」「伊23」「伊25」「伊30」「伊31」
:「伊18」「伊20」「伊22」「伊24」
・第六潜水戦隊:「伊161」「伊164」「伊167」「伊170」「伊172」
:「伊173」「伊183」「伊184」「伊185」
・第七潜水戦隊:「伊211」「伊212」「伊213」「伊214」「伊215」
:「伊216」「伊217」「伊218」「伊219」「伊220」
・第八潜水戦隊:「伊221」「伊222」「伊223」「伊224」「伊225」
:「伊226」「伊227」「伊228」「伊229」「伊230」
第十三潜水戦隊:大型巡洋艦「大嵐」
第六十潜水隊 :呂500、呂501、呂502、呂503、呂504
:呂505、呂506、呂507、呂508
第六十一潜水隊:呂509、呂510、呂511、呂512、呂513
:呂514、呂515、呂516、呂517
第六十二潜水隊:呂518、呂519、呂520、呂521、呂522
:呂523、呂524、呂525、呂526
第十四潜水戦隊:大型巡洋艦「大室」
第六十三潜水隊:呂527、呂528、呂529、呂530、呂531
:呂532、呂533、呂534、呂535
第六十四潜水隊:呂536、呂537、呂538、呂539、呂540
:呂541、呂542、呂543、呂544
第十五潜水戦隊:大型巡洋艦「大崩」
第六十五潜水隊:呂545、呂546、呂547、呂548、呂549
:呂550、呂551、呂552、呂553
第六十六潜水隊:呂554、呂555、呂556、呂557、呂558
:呂559、呂560、呂561、呂562
第十六潜水戦隊:大型巡洋艦「大滝」
第六十七潜水隊:呂565、呂566、呂567、呂568、呂569
:呂570、呂571、呂572、呂573
第六十八潜水隊:呂574、呂575、呂576、呂577、呂578
:呂579、呂580、呂581、呂582
第六十九潜水隊:呂583、呂584、呂585、呂586、呂587
:呂588、呂589、呂590、呂591
第十七潜水戦隊:
第七十一潜水隊:「伊607」「伊608」「伊609」「伊610」
第七十二潜水隊:「伊611」「伊612」「伊613」「伊614」
付属:呂611、呂612、呂613、呂614、呂615
:呂616、呂617、呂618、呂619、呂620
第二十一潜水戦隊:大型巡洋艦「稲叢」
:「伊521」「伊522」「伊523」「伊524」「伊525」
:「伊526」「伊527」「伊528」「伊529」「伊530」
第二十二潜水戦隊:大型巡洋艦「本宮」
:「伊531」「伊532」「伊533」「伊534」「伊535」
:「伊536」「伊537」「伊538」「伊539」「伊540」
第二十三潜水戦隊:大型巡洋艦「戸倉」
:「伊541」「伊542」「伊543」「伊544」「伊545」
:「伊546」「伊547」「伊548」「伊549」
第二十四潜水戦隊:大型巡洋艦「真砂」
:「伊550」「伊551」「伊552」「伊553」「伊554」
:「伊555」「伊556」「伊557」「伊558」「伊559」
日本海軍の潜水艦として増えたのは、マ号潜の技術を利用した伊200型、伊400型くらいであろう。それ以外で増えた要因は、大量の鹵獲艦である。
500番台は、鹵獲した潜水艦だが、これらは無人自動化されており、人員不足の日本海軍にあって、これだけの数を動かすことができる一因となっている。
さらに完全無人化の潜水戦隊には、ヴラフォス級旧式戦艦を改装した潜水母艦兼、偵察大型巡洋艦が旗艦を務めている。潜水機能を有する一方、補給能力、戦隊指揮能力と、従来の潜水艦より大型の船体に様々な機能がもたされている。
「これだけの潜水艦があれば敵艦隊にも猛攻を仕掛けられる……のが普通なんだがなぁ」
司令長官の三輪がぼやくように言えば、新任の参謀長である佐々木 半九少将が口を開いた。
「ここにきて、異世界帝国も大潜水艦隊を投入してきましたからな。正直、魚群を相手にしているようで、敵の物量には些か不気味ささえあります」
「深海の闇の如く、潜水艦で光が届かない」
暗い海だ、と三輪は呟いた。水上には敵の大艦隊。そして海には、それを守るように敵の大潜水艦隊。
「数百の魚雷が行き交う潜水艦戦など、戦前ではまったく考えられなかった」
「はい。まさに未知の戦いとなります」
佐々木は頷いた。マ式ソナーは多数の敵潜水艦を捕捉する。推定、数百の潜水艦がひしめく海。
「決戦の行く末に左右する戦いだ。敵潜を片っ端から撃沈せよ!」