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復活の艦隊 異世界大戦1942  作者: 柊遊馬


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第九九三話、連合艦隊、トラックへ


 異世界帝国軍の中部太平洋進出に呼応し、軍令部総長、嶋田繁太郎大将は、あ号決戦作戦を連合艦隊に下令。連合艦隊司令長官、古賀 峯一大将は、ただちに連合艦隊を出撃させた。


 連合艦隊総旗艦『敷島』には、戦艦『信濃』『甲斐』、重巡洋艦4、駆逐艦16、水上機母艦『千歳』『千代田』『日進』がつく。

 そして主力ともいうべき第一艦隊が、総旗艦『敷島』に続き、柱島を出航する。


「感無量。これほどの大艦隊は、日本海軍有史以来、初となろう」


 古賀は『敷島』の艦橋より、第一艦隊の威容を目の当たりにする。

 播磨型ならびにその改型戦艦12隻。いずれも51センチ砲で武装したそれらは、海軍最強の水上打撃戦力だ。


 さらに美濃型戦艦をはじめとした新標準型戦艦――主砲を50口径41センチ砲に換装、三連装砲三基九門の主力戦艦が24隻。

 戦艦戦力だけで36隻。これに双鳳型――異世界帝国から回収した双胴空母が5隻、直掩の軽空母5隻。重巡洋艦16、軽巡洋艦18、駆逐艦32隻が加わる。


「左舷より、第二艦隊」


 うむ、古賀はそちらへと視線を向ける。

 伊藤 整一中将が指揮する第二艦隊。


 その旗艦は、かつての八八艦隊計画において13号型と呼ばれた巡洋戦艦の1隻、その名を『龍王』という。姉妹艦4隻の先頭を行く『龍王』に続くは、『鷲羽』『大喰』『薬師』である。

 45口径46センチ連装砲四基八門は、大和型に比べると門数では劣るが、巡洋戦艦だけあって、速力では30ノットを発揮する。


 龍王型に追従するは天城型巡洋戦艦12隻。敵異世界帝国ゲラーン艦隊から回収したそれらに改装を加えたものが続く。まるでかつての八八艦隊の理想が具現化したような格好だ。

 これら巡洋戦艦16隻とペアを組むように大型巡洋艦が16隻。中型空母8、高雄型、妙高型重巡洋艦合わせて8と、軽巡洋艦10、駆逐艦32が第一艦隊の左につく。


「右舷方向より、第三艦隊!」


 ひときわ巨大な艦が目につく。まさしく海に浮かぶ城のような巨艦、キーリア級旗艦級戦艦を鹵獲、改装した無人艦制御旗艦『八咫鏡』である。

 強力な防御性能と旗艦機能の高さから、無人艦隊の司令艦とするべく改装されたものとなる。

 これに付き従うは無人戦艦4、同大型巡洋艦24、無人空母12、ル型巡洋艦16、無人駆逐艦40である。


「長官」


 源田 実航空参謀がやってきた。


「第一より第五機動部隊、それぞれの出撃の報告が入りました。集結地点はマリアナ諸島、サイパン。その後、トラックにて合流致します」

「うむ」


 古賀は頷いた。

 5つの機動部隊――かつては機動艦隊であったが、今回の編成で空母群は航空戦に注力するということで部隊呼称で運用されている。


 第一、第四機動部隊は、それぞれリトス級大型空母改装の大鶴型8隻と、中型空母4隻。敷島型航空戦艦2、防空巡洋艦12、防空駆逐艦16が護衛につく。


 第二、第三機動部隊は、奇襲攻撃隊を擁する部隊だが、敵に遮蔽対策がされているため、従来通りの航空戦を強いられる。だが状況によっては奇襲攻撃の機会があるかもしれない。

 こちらは全艦艇が潜水可能な艦で構成されており、空母12隻、戦艦2、巡洋艦6、駆逐艦12がそれぞれ配備されている。


 最後の第五機動部隊は、翔鶴型などのリトス級には及ばないが大型ないし中型空母12隻。戦艦2、防空巡洋艦6、防空巡洋艦16で編成される。


 総数542隻。これらが念入りな準備、燃料、弾薬をたっぷり揃えた上で、一堂に会する。

 古賀でなくても、これほどの艦隊を率いるともなれば胸が躍るというものである。

 連合艦隊参謀長、草鹿 龍之介中将は言った。


「しかし、これだけの艦を揃えても、敵は我が方の約四倍。物量差は、如何ともしがたいですな」

「だが、我々の戦力はこれだけではない」


 古賀の表情に悲壮感は感じられなかった。


「軍令部、いや海軍の持てる戦力の大半がこの決戦に集結するのだ。まだまだこれからだよ」



   ・  ・  ・



 連合艦隊主力艦隊が内地を離れつつある頃、軍令部が中心になって進めていた無人艦隊もまた、それぞれ主力に合流すべく出撃した。

 内地防衛の無人艦隊第一艦隊は、前衛・甲群に戦艦36、重巡洋艦16、ル型巡洋艦40、駆逐艦32。後衛・乙群に空母16、防空巡洋艦16、ル型防空巡16、駆逐艦32。一個艦隊204隻。


 これらが連合艦隊主力に続く一方、北海道含む北方警備の無人艦隊第二艦隊が単冠湾を出撃。

 東南アジア、リンガ泊地の無人艦隊第三艦隊、パラオの無人艦隊第四艦隊、インド洋、セイロン島の無人艦隊第五艦隊も、それぞれトラックへ向けて陣形を保ち、波を蹴って突き進んだ。


 第一から第五までの無人艦隊は、戦艦180、空母80、重巡洋艦80、ル型巡洋艦+防空巡280、防空巡洋艦80、駆逐艦320の計1020隻。その全てが、かつては異世界帝国の所属艦であり、これまで日本海軍や地球側勢力が沈めてきたものだ。


 回収鹵獲、日本海軍の無人艦仕様に改装されたこれら戦闘艦艇だけで、連合艦隊主力と合流すれば1562隻。まだまだ異世界帝国大艦隊には及ばないが、その差は縮まったといえる。


 もっとも、日本海軍にはここに加わっていないもの、海氷飛行場『日高見』や海氷空母群、海氷島飛行場で運用する基地航空部隊である、第一、第二、第五、第十一航空艦隊が参加。


 イギリスゲート守備の特務艦隊や、地方警備の小艦隊などは参加しないが、それ以外の戦力はほぼ中部太平洋の決戦のため集結しつつあった。

 さらに、これらに先行する形で潜水艦隊である第六艦隊がすでに、トラック諸島に進出し、偵察隊が海面下の攻防を繰り広げている。


 そして、異世界帝国の厄介なるアステール円盤群、その母艦である巨大海氷飛行場を叩くべく、神明 龍造少将指揮の軍令部直轄、第一遊撃部隊が行動を開始した。

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