第九三二話、マⅡ号作戦、発動
11月下旬、日本海軍は、異世界帝国軍の拠点であるマダガスカル島攻略作戦を発動させた。
タマタヴに駐留する紫の艦隊――紫星艦隊の撃滅と、島の攻略を課せられた日本艦隊、その編成は以下の通り。
●マダガスカル島攻撃部隊
・機動艦隊:司令長官 小沢 治三郎中将
独立旗艦:(巡洋戦艦):「武尊」
第五航空戦隊:(空母):「大鳳」「翔鶴」「瑞鶴」「飛隼」
第六航空戦隊:(空母):「紅鳳」「神鳳」「星鳳」「雷鳳」
第七航空戦隊:(空母):「赤城」「飛龍」「蒼龍」「雲龍」
第八航空戦隊:(空母):「幡龍」「白鳳」「蒼鳳」
第九航空戦隊:(空母):「龍驤」「翔竜」
付属:(潜水空母):「鳳翔」
:(哨戒空母):「国東」「渡島」
:(駆逐艦):「島風」
:(特務艦):「瑞穂」
第十八巡洋艦戦隊 :(重巡洋艦):「利根」「筑摩」
第三十二巡洋艦戦隊:(防空巡洋艦):「宇波」「真室」「早淵」「瀬戸」
第三十三巡洋艦戦隊:(防空巡洋艦):「米代」「木戸」「岩見」「宇治」
第六十一巡洋艦戦隊:(転移巡洋艦):「浦賀」「志発」「宮古」「釣島」
・第一防空戦隊:(軽巡洋艦):「古座」
第六十一駆逐隊:「秋月」「照月」「涼月」「初月」
第六十二駆逐隊:「新月」「若月」「霜月」「冬月」
第六十三駆逐隊:「春月」「宵月」「夏月」「満月」
●マダガスカル島攻略部隊:
・第九艦隊:司令長官土岐 仁一中将
独立旗艦:(戦艦):「薩摩」
指揮型大巡:「大雪」「姫神」
無人戦艦:「ム戦13」「ム戦21」
無人空母:「ム空21」「ム空22」「ム空31」「ム空32」
ル型巡洋艦:「青45」「青46」「青47」「青48」「青71」
無人駆逐艦×8
第十四航空戦隊:「祥鳳」「瑞鳳」
第十八航空戦隊:「大鷹」「雲鷹」「冲鷹」
第二十一航空戦隊:(水上機母艦):「千歳」「千代田」「日進」
第三十五巡洋艦戦隊:(軽巡洋艦):「天龍」「龍田」「天神」「物部」
第六十二巡洋艦戦隊:(転移巡洋艦):「勇留」「鳴門」「豊予」「本渡」
・第三防空戦隊:(軽巡洋艦):「矢矧」
第六十七駆逐隊:「雪月」「沖月」「風月」「青月」
第六十八駆逐隊:「天月」「海月」「白月」「浜月」
・大型巡洋艦 :「早池峰」
・海軍特務艦 :「鰤谷丸」「牛谷丸」
・陸軍特種船 :「摩耶山丸」「吉備津丸」「玉津丸」
・特種船・丙型:「あきつ丸」「にぎつ丸」
●攻略支援部隊
・第一航空艦隊:司令長官、大西 瀧治郎中将
海氷飛行場:『日高見』
甲型海氷空母×3
若竹型駆逐艦:「若竹」「呉竹」「早苗」「朝顔」「夕顔」「芙蓉」「刈萱」
第十七潜水戦隊:補給・潜水母艦3:『ばーじにあ丸』『あいおわ丸』『迅鯨』
・第七十潜水隊 :伊600、伊701、伊702
・第七十一潜水隊:伊607、伊608、伊609、伊610、
・第七十二潜水隊:伊611、伊612、伊613、伊614
1 ・第七十三潜水隊:呂401、呂402、呂403
・付属:伊350
日本艦隊は、先任となる小沢 治三郎中将が指揮を取る。その小沢が率いる攻撃部隊は、第一目標が、タマタヴの紫星艦隊の撃滅を第一とする。
空母を主力とする機動部隊であり、水上艦艇は防空艦が中心だ。旗艦に巡洋戦艦である『武尊』を充てたが、他に砲撃戦に秀でるのは重巡洋艦の『利根』『筑摩』のみとなる。
空母航空戦力は、紫星艦隊に向けられ、基地攻撃などは、艦隊の撃破を果たした後となる。
攻略部隊は、陸軍ならびに海軍陸戦隊を乗せた揚陸艦部隊を護衛し、上陸支援や地上攻撃を担当する。第九艦隊に加え、無人艦隊から抽出された戦力も投入された。
そして攻略支援部隊は、マダガスカル島の敵飛行場ならびに基地を攻撃、上陸部隊の支援を担う基地航空艦隊と、オクトパス――水中魚雷発射塔網の撃破、敵潜水艦警戒の潜水艦部隊からなる。
その役割配分についても、航空隊と潜水艦部隊で分かれているので、それぞれの仕事に集中できる配置となっている。
機動部隊司令長官である小沢中将は、旗艦『武尊』の艦橋にて、出撃する艦隊を睥睨した。
「ここ最近の戦いで、一段と消耗したはずなのだが、こうして正規空母15隻も揃っていると、そうは思えなくなるのは不思議だ」
開戦以来、数々の大海戦に参加した小沢ではあるが、当初は、海軍全体の正規空母がその数以下だった。徐々に数が増えて、一つの艦隊で16隻の空母が割り当てられることになったが、それと比べても今回の戦力に不足を感じることはなかった。むしろ戦艦、重巡洋艦の護衛の少なさのほうが気になるくらいか。
「だが、相手はあの紫の艦隊だ。ここで決着とはいきたいが、早々上手くいかんだろう」
連合艦隊司令部が考えているよりさらに警戒している小沢と、機動艦隊司令部である。彼にしろ、参謀長の神明 龍造少将にしろ、こちらがマダガスカル島に踏み込めば、紫星艦隊は何かしらのカウンターを放ってくると予想していた。
「貴様の案で、アウトレンジといきたいな」
「長官の先制攻撃主義あればこその作戦です」
神明は言った。
「開戦の急襲で決着をつけたいところです」