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第四二九話、2つのE島攻撃


 エファテ島には重爆撃機の基地二つと、ハバナ港に攻撃機基地と飛行艇用の水上機基地があって、さらに艦隊が駐留している。

 戦艦はともかく空母5隻の存在は、放置しておけない。


 第一機動艦隊から発艦した第一次攻撃隊は、港方向から先導の瑞雲に続き、低空を飛行してレーダーによる発見をギリギリまで遅らせる。


 その編成は、



○第一次攻撃隊     烈風 流星 彩雲

  第一航空戦隊「大鶴」18 27  3

        「紅鶴」18 27

        「赤城」18 15

        「祥鳳」―― ―― ――

  第二航空戦隊「大鳳」18 15  2

        「黒龍」12  9

        「鎧龍」12  9

        「嵐龍」18  9

  第三航空戦隊「翠鷹」18 18

        「蒼鷹」18 18

        「白鷹」 9 12  1

  第五航空戦隊「翔鶴」18 15  2

        「瑞鶴」18 18

        「飛隼」18 18

        「瑞鳳」―― ―― ――

        合計:213 210 8 :431 



 そして、エスピリットサント島の施設を攻撃すべく、一機艦は艦隊ごと転移し、そこで第二次攻撃隊を出した。



○第二次攻撃隊     烈風 流星 彩雲

  第一航空戦隊「大鶴」18 27

        「紅鶴」18 27  3

        「赤城」18 15

        「祥鳳」―― ―― ――

  第二航空戦隊「大鳳」18 15  2

        「黒龍」12  9

        「鎧龍」18  9

        「嵐龍」12  9

  第三航空戦隊「翠鷹」18 18

        「蒼鷹」18 18

        「白鷹」 9 12

  第五航空戦隊「翔鶴」18 18

        「瑞鶴」18 15  2

        「飛隼」18 15

        「瑞鳳」―― ―― ――

        合計:213 207 7 :427 



 エファテ島攻撃の第一次攻撃隊、計431機。エスピリットサント島攻撃機の第二次攻撃隊は427機。


 ニューカレドニア島への同時攻撃を見送ったことで、その規模は拡大した。

 第一次攻撃隊は、重巡洋艦『利根』の瑞雲隊、第二次攻撃隊は重巡洋艦『筑摩』の瑞雲に導かれて、低空より侵入。それぞれの攻撃目標へ仕掛けた。


 それらは早朝のサイレンと共に、駐留する異世界帝国軍を恐怖のドン底へ突き落とした。


 エスピリットサント島港、ハバナ港に停泊していた異世界帝国艦は、流星艦上攻撃機の1000キロ対艦誘導弾に襲われ、餌食となった。

 戦艦、空母に採用されている防御シールドも、停泊中は展開しない。港の施設や隣接している艦があれば、それに損傷させてしまうからだ。


 そんな無防備な異世界帝国艦艇に、次々の誘導弾は突き刺さり、爆発。空母が真っ先に叩かれ、飛行甲板はめくれあがり、駐機している戦闘機が跳ね飛ばされた。そして爆発は、港湾施設や付近の艦艇へと破片を散らした。


 哨戒艇や、港外の駆逐艦が対空機銃でささやかな反撃を行うが、すれ違いざまに烈風の20ミリ光弾砲を浴びせられ、哨戒艇は爆散、駆逐艦も艦橋やマストが吹き飛んだ。


 港が炎上し始めた頃、各飛行場、水上機基地にも日本軍攻撃隊は殺到した。しかし、即攻撃とはいかない。


 各飛行場は、防御シールドを展開し、日本機の先制攻撃を阻止したのだ。ここ数日、南東太平洋方面の島々が攻撃された報告があっただけ、素早い対応だった。


 しかし、日本軍攻撃隊の彩雲は、魔力測定装置により、障壁の存在を探知し、味方に伝えた。これで障壁に対する無駄撃ちを避けるのだ。


 烈風、流星が飛行場の上空を旋回する中、異世界帝国兵たちが、戦闘配置につく。戦闘機や爆撃機にパイロットが走り、出撃の準備を進める。

 それに対する手出しはできない。だが日本海軍の搭乗員たちも知っている。防御障壁を展開している限り、敵もまた飛行場から飛び立てないことを。

 そしてここで、対障壁兵器が活用されるのだ。


 とある飛行場に対しては、試作の転移誘導弾を流星が使用。全体からすると数えるほどしかない転移弾だが、それで基地の障壁発生装置を吹き飛ばし、破壊ないし作動不能においやれば――


『基地より障壁が消滅! 攻撃隊、攻撃を開始せよ!』


 彩雲からの観測と指示。シールドが消えるまで上空を徘徊していた日本機は、狩りの始まりとばかりにダイブした。

 烈風がロケット弾と光弾砲掃射で、敵機や近隣施設を吹き飛ばせば、流星もまた大型爆弾で燃料タンクや格納庫、管制塔ほか重要施設を爆撃。最近、配備された流星一二型――20ミリ光弾砲を装備した型は、烈風と同様、発進前の重爆撃機や地上施設、車両などを撃破していった。


 防御障壁剥がしには、転移弾以外にも使われた。時限式低速誘導爆弾という試作兵器も用いられたのだ。


 これは破壊目標の頭上に、誘導爆弾を投下。パラシュートが開き降下速度を落とすが、しかし爆弾は防御障壁に当たって阻まれる。


 その時点では爆発しない。障壁に弾かれた爆弾はさらに重力に従って落ちるが、速度がほぼなくなった結果、二度目の接触で障壁の上に爆弾が乗る。後は重さのまますり抜け、内側に落ちると、タイマーによって爆弾が爆発し、標的を破壊するという仕掛けである。


 守りの要を失った飛行場。戦闘機も飛び立つこともできず、破壊され、エスピリットサント島、エファテ島双方の基地、港は壊滅した。


 そして第一機動艦隊は、放った攻撃隊が転移離脱装置で、母艦のそばに帰還。その収容作業にかかる。

 転移移動で艦隊の位置が変わっているので、どのような位置にいようとも母艦の元に戻れるよう転移離脱装置を、日本海軍機は装備しているのだ。


 そんな収容作業の最中、第一機動艦隊司令部に、南東方面艦隊司令部からの伝言が届いた。


『発、南東方面艦隊。宛、第一機動艦隊。第八艦隊の空母を送る。足りるか?』

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