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第四二三話、出撃する二つの機動部隊


 1944年4月18日。


 日本海軍第一機動艦隊は、内地から転移中継装置を利用して、ニューアイルランド島とブーゲンビル島のおよそ中間にあるグリーン諸島の、グリーン島またはニッサン島の海域に転移した。


 ソロモン諸島のすぐそばであるが、転移中継装置を設置した場所で、ぶ号作戦を実施するに、一番都合がよい場所だったのだ。


 第一機動艦隊と、第九艦隊臨時機動部隊は、正面からエスピリトゥサント島、エファテ島へ向かうことなく、まずは東進して遠回りするルートを選んだ。


 真っ直ぐ目指せば、ラバウルのある南東方面艦隊と方位が一致してしまうため、高い確率で敵の偵察機に発見されるからである。

 もちろん、北には日本軍の勢力圏にあるマーシャル諸島もあるから、敵もまったく警戒していないわけではないが、発見率は下がる。


 さて、一機艦と第九艦隊機動部隊の編成は以下の通り。



○第一機動艦隊:司令長官、小沢治三郎中将


 第五戦隊(戦艦):「肥前」「周防」「相模」「越後」

 第六戦隊(戦艦):「伊勢」「日向」

 第七戦隊(戦艦):「金剛」「比叡」「榛名」「霧島」


 第一航空戦隊(空母):「大鶴」「紅鶴」「赤城」「祥鳳」

 第二航空戦隊(空母):「大鳳」「黒龍」「鎧龍」「嵐龍」

 第三航空戦隊(空母):「翠鷹」「蒼鷹」「白鷹」

 第五航空戦隊(空母):「翔鶴」「瑞鶴」「飛隼」「瑞鳳」



 第十戦隊(大型巡洋艦):「雲仙」「剱」「乗鞍」「白根」

 第十一戦隊(重巡洋艦):「伊吹」「鞍馬」

 第十五戦隊(重巡洋艦):「妙高」「那智」「足柄」「羽黒」

 第十六戦隊(重巡洋艦):「利根」「筑摩」「鈴谷」「熊野」

 第二十戦隊(軽巡洋艦):「黒部」「遠賀」「成羽」

 第二十一戦隊(防空巡洋艦):「鶴見」「馬淵」「石狩」「十勝」

 第二十二戦隊(防空巡洋艦):「木戸」「岩見」「真野」「宇治」

 第二十四戦隊(防空巡洋艦):「狩野」「秋野」「伊佐津」

 第六十一戦隊(転移巡洋艦):「浦賀」「志発」

 第六十二戦隊(転移巡洋艦):「宮古」「釣島」



第二水雷戦隊:(軽巡洋艦)「青葉」

 第十駆逐隊  :「秋雲」「夕雲」「風雲」「長波」

 第一六駆逐隊 :「雪風」「初風」「親潮」「天津風」

 第十七駆逐隊 :「磯風」「谷風」「浜風」「浦風」

 第三十一駆逐隊:「巻波」「高波」「大波」「涼波」



第三水雷戦隊:(軽巡洋艦)「揖斐」

 第十一駆逐隊 :「朝霜」「早霜」「清霜」

 第十二駆逐隊 :「高潮」「秋潮」「春潮」「若潮」

 第十五駆逐隊 :「朝靄」「夕靄」「雨靄」「薄靄」

 第十九駆逐隊 :「霜風」「沖津風」「初秋」「早春」


第一防空戦隊:(軽巡洋艦)「大淀」

 第六十一駆逐隊:「秋月」「照月」「涼月」「初月」

 第六十二駆逐隊:「新月」「若月」「霜月」「冬月」

 第六十三駆逐隊:「春月」「宵月」「夏月」「満月」

 第六十六駆逐隊:「青雲」「天雲」「冬雲」「雪雲」



○第九艦隊臨時機動部隊:司令長官、新堂 儀一中将


 第三十六戦隊:(大型巡洋艦):「妙義」「生駒」


 第九航空戦隊:「翔竜」「龍驤」

 第十九航空戦隊:「神鷹」「角鷹」

 特務艦:「鰤谷丸」「牛谷丸」


 第十水雷戦隊:(軽巡洋艦)「鈴鹿」

 第六十七駆逐隊:「鱗雲」「朧雲」「霧雲」「畝雲」

 第八十七駆逐隊:「柏」「黄菊」「初菊」「茜」

 第八十八駆逐隊:「白菊」「千草」「若草」「夏草」



 第一機動艦隊の方の編成は、アラビア海海戦の頃とほぼ変化はない。連合艦隊直率の転移巡洋艦を編成に組み込んだくらいである。


 編成が奇妙なのは、第九艦隊の臨時編成部隊の方である。


 大型巡洋艦2隻、潜水可能な空母『翔竜』『龍驤』と、通常型空母の『神鷹』『角鷹』の4隻。なお『神鷹』はドイツ客船『シャルンホルスト』の改装だが、『角鷹』はイタリア客船『コンテ・ヴェルデ』の改装艦である。1940年の大戦開始により、本国に戻れず上海に停泊していたが、本国からの指示を受けて日本に移動。その後、接収され空母に改装されたものである。


 第十水雷戦隊は、軽巡洋艦『鈴鹿』に率いられ、六十七駆は異世界帝国駆逐艦の改修艦。八十七、八十八駆は、同じく異世界帝国艦だが、こちらは潜水型駆逐艦の改修となっている。


 そして、イギリス客船ブリタニック号の改装特務艦『鰤谷(ぶりたに)丸』と、その僚艦となるのは、同じく英国客船にして、第一次世界大戦で撃沈されたルシタニア号のサルベージ、特務艦へ改造した『牛谷丸』である。

 なお名前は、頭のLと最後のaをとって読んだのを適当に漢字で当てたものとなる。


 この特務艦2隻には、空母としての役割と同時に、転移中継装置を装備し、さらに転移中継ブイを所定のポイントに流す役割を担っている。 


 この二つの機動艦隊は、ぶ号作戦遂行のため行動を共にするが、途中で分離する手はずとなっている。


 第一機動艦隊は、予定通り、エスピリトゥサント島、エファテ島、ニューカレドニア島を攻撃するが、第九艦隊別動機動部隊は、別の攻撃目標に仕掛ける算段である。


 そして、ぶ号作戦の幕がいよいよ開く。

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