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復活の艦隊 異世界大戦1942  作者: 柊遊馬


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第一一二五話、第五遊撃部隊、東海岸遠征


 第五遊撃部隊のフットワークは軽かった。

 佐々山 久雄中将は、艦艇を入れ替えることで補給の時間を省略し、前回の北米西海岸救援と同程度の戦力を派遣する準備を完了させた。


 ただ、敵の海氷空母を効率よく沈めるためには、レキシントン級で構成されたレキシントン戦隊が必要であった。

 佐々山艦隊がすぐに出撃できても、レキシントン戦隊が補給待ちでは仕方がない。


 ……とならないのが佐々山という男だった。

 彼は自艦隊に所属する特別補給艦を使い、日本海軍から補給を待っていたレキシントン戦隊に弾薬補給を行った。


 ほうらいまる型補給艦の魔核を用いた弾薬製造により、レキシントン戦隊が先の戦いで消費した砲弾、弾薬を補充を完了させた。

 全長180メートル、基準排水量1万3000トン。艦内生成工場を持つこの艦の存在が、外部からの満足な補給が困難な異世界において、佐々山艦隊や合流後の義勇軍艦隊を物資不足から救ってきた。その面目躍如である。


 かくて、戦闘力を回復させたレキシントン戦隊は、連合艦隊ならびに軍令部の指示を受けて、第五遊撃部隊と共にアメリカは東海岸へと出撃するのであった。



●第五遊撃部隊:司令官:佐々山 久雄中将


○主力部隊

戦艦:「こんごう」「きりしま」「いせ」「ひゅうが」「せっつ」「かわち」

空母:「いぶき」「いこま」「つくば」「やくも」「いずも」あづま」

巡洋艦:「たかお」「あたご」「あしがら」「ふるたか」「かこ」

   :「ながら」「あぶくま」「ゆら」「じんつう」「やはぎ」

駆逐艦:「はつゆき」「しぐれ」「おおしお」「しらぬい」「まきぐも」

   :「いなずま」「あかつき」「たちかぜ」「はつはる」「はつしも」

特務艦:「ゆうがお」「ほうらいまる」

潜水艦:「あ号104」「あ号105」「あ号112」「あ号114」


○海氷空母攻撃隊(レキシントン戦隊)

戦艦:「レキシントン」「サラトガ」

空母:「レンジャー」「コンスティチューション」「ユナイテッド・ステーツ」



「正面! 敵巨大海氷空母!」


 旗艦である戦艦「きりしま」の見張り員が叫ぶ。

 夕焼け空に巨大な海氷の空母がデンとその存在感を誇示する。護衛艦艇の中に旧式だが戦艦が混じっていると見張り員は報告した。


「敵さんも護衛を強化したか。まあ、関係ない」


 佐々山は浮遊席から指示を飛ばす。


「全艦、突撃隊形! 砲、雷撃戦、用意!」


 戦艦、巡洋艦が単縦陣を形成。そんな中、艦隊後方の空母群から、一式艦上戦闘機が次々に発艦する。

 航空参謀、菊丸 昌時中佐が口を開いた。


「またまた哨戒空母群に感謝ですな! 転移ブイの位置は申し分なしです」

「敵の護衛はこちらで引きつける。空母はレキシントン戦隊に任せる!」


 ダッシュ――!

 第五遊撃部隊は直線型短距離転移を行い、まだ艦隊戦向けの陣形が整っていない敵護衛艦隊との距離を詰めた。

 集結中の敵艦に砲が素早く合わせられる。距離2000の至近距離!


「一番、二番砲塔、発射準備よし!」

「艦長、撃ち方はじめ!」

「撃ちー方始めー!」


 戦艦「きりしま」艦長の北郷大佐が復唱し、旗艦の40.6センチ砲が、敵旧式戦艦に突き刺さった。

 爆発、艦上構造物が破片と共に吹き飛ぶ。副砲や高角砲はおろか、対空機銃でも届く距離の砲戦だ。威力は当然として、先手を取ることが如何に重要か。

 異世界で戦い続けた佐々山艦隊は、それをよく理解している。


 僚艦「こんごう」以下、戦艦戦隊も砲撃を開始した。各個手近な目標に対しての独自射撃。

 とにかく先制。敵より先に撃つ。第五遊撃部隊はそれを徹底している。

 一式艦戦が、敵直掩のスクリキ無人戦闘機と交戦する。空対空誘導弾、小口径光弾砲で無人機をスクラップに変え、敵艦隊に食い込む砲撃部隊の空を守る。


 海氷空母から大型円盤――アステールが発艦しようと1機浮かび上がったところで、異世界氷の艦体が急激に溶け始める。

 レキシントン戦隊だ。『レキシントン』『サラトガ』が露払いをしつつ、解氷装置で照射。巨大氷はみるみる溶けていく。

 艦体が半分失われたところで、ようやく魔法陣型転移ゲートが働き、離脱にかかろうとする。


「いまさら逃げようというのか?」

「それとも逃げる指示が遅れたか……」


 平林 孝三先任参謀が呟いた。半壊状態の巨大海氷空母が転移で消えた。佐々山は口元を歪めた。


「ひどく中途半端なところで転移させたな」

「あのままでは修復しなければ使えないでしょうな。次へ、行きますか?」


 平林が言えば、佐々山は頷く。


「そうだな。東海岸に展開している海氷空母は三隻。どこぞへ撤退した一隻の他にも獲物はいる」


 敵護衛部隊は、すでに半数が大破、転覆していた。第五遊撃部隊の各艦の攻勢に対して統制を失い、各個に撃破されつつある。


「優先すべきは海氷空母だ。――航海参謀、転移する。次の目標を」

「長官、ちょっと待ってください」


 航海参謀が海図台の前にいて、通信参謀が代わりに答えた。


「哨戒空母偵察機より報告です。敵海氷空母は転移ゲートで退避! 目標、ロストしました」

「北米沿岸から撤退したのか?」


 佐々山は眉をひそめた。西海岸の部隊は壊滅し、東海岸にもこちらの手が及んだことから、異世界帝国軍は北米侵攻作戦を取りやめたのか。


「一旦、この戦域から離脱する。その後、偵察機を飛ばして、北米東海岸から敵が完全に撤退したか確認する! 転移離脱、急げ!」


 敵護衛艦艇残存部隊を掃討している場合ではない。第一目標は、海氷空母。それ以外は米軍に任せればいいのだ。

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