吾輩はクローン兵士、自我を得た。
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嗚呼、いつからだろうか。
私は何処にでもいる、「モブ」であると気がついたのは。
クローン兵士。それは、3時間程で作られる、使い捨てのコマである。
攻撃力は少なく、HPが沢山ある。
故に、壁として使われる日々。
我々はクローン兵士。故に代わりは山ほど居る。
本来、クローン兵士に自我は無い。
しかし私は自我を得た。
クローンでは無く、「私」であると証明したい。
しかし攻撃力は無く、HPのみ高い現状では、何も出来ない。
故に私は強くなり、此処を出る。
故に私は旅に出る。
私の強さはどれ程なのか、気になっていた。
そんな時だった。
人間の兵士の「とある会話」にヒントを得たのは。
『お前のジョブ何?』
『戦士だ。』
『ステータスは?』
・
・
・
ステータスとは何だ?
取り敢えず、呟いてみた。
「.......ステータス」
≪ステータスを起動します。≫
名前:Unknown
職業:Unknown
LV :1
HP 150
MP 30
攻 7
守 10
魔 2
速 3
器 2
STP:2
スキル:無し
SKP:10
名前と職業がUnknown。
やはり私はモブだったか。
名前すら無い。職業も無い。
決めた。私は強くなり、此処を出て行こう。
今、出て行こう。
此処を出て、ダンジョンに住もう。
1日中戦っていれば、強くなれるさ。
きっと。
同日、夜。
こっそりと施設を抜け、門の外に出る。
私は私だ。クローンでは無い。
その思いを胸に、逃げて、何処か遠い場所で、活躍して、私を証明しよう。
まずは、私を私と認識する為の、名前を決めよう。
Unknownでは無い、自分のみの名前を。
Unknown...アンノウン....よし、今日から私の名前はアンナだ。
Unknownでは無く、アンナとして生きよう。
まずはジョブを得るとしよう。
ステータスから、「ナイト」を選択。
ナイト は、HPと守、それと攻が上昇し易い。
耐えて、守って、そして倒す。
これを私の戦闘スタイルにしよう。
転職や中級職、上級職もあるらしいが、職業を極める(職業レベル最大)にすると、上級職へ転職が出来るようだ。
また、通常職は、レベル10毎に、中級職は7毎に、上級職は5毎に他の職についてもステータスが少し引き継がれる、「永続スキル」が入手できるようだ。
最終的に、ステータスはこうなった。
≪ステータス≫
名前:アンナ
職業:ナイトLV.1
LV :1
HP 150
MP 30
攻 7 →9(+1)
守 10(+1)
魔 2
速 3
器 2
STP:2 →0
スキル:剣術(F級) 攻撃力上昇(F級) 守備力上昇(F級)
SKP:10 →1
スキルはそれぞれ3ポイント消費し、取得した。
(F級)。このF級などはスキルのランクで、これが高い程、効果が上昇する。
因みに、F級-やF級+なども有り、このプラスやマイナスは熟練度を示している。
熟練度が、0.1%でも上がればマイナス、50%を越えればプラスになる。
ランクはS A B C D E F と全部で7のランクに分けられる。
と兵士から聞いた。
さあ、ダンジョンに到着したぞ。
明日からはレベルを上げ、強くなるんだ。
ーーそして、私は睡魔に負け、意識を手放した。
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