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第5話 ⑪[お嬢様にはMサイズでも大きいのです!!]

「あの、この制服Mサイズじゃないですか?」


「あ、はい。そうですねうちの制服Sサイズなくって、オーダーすればもっと小さいのも作れるらしんですけど流石に今すぐは無理で」


「俺は男なのでえ、Lサイズですよ?」



「「は?」」


 二人とも問答無用で否定している。

 そりゃそうだ、何せ昨日までの体のサイズを知らないからだ、確かに昨日までだったらLサイズでも少し生地が余る程度だったからあまり違和感はなかっただろうが今は少女サイズ、Mサイズと言っても成人女性を想定したサイズだ。


「賢治ちゃん、現実見なさいよ。なんでそんなバレバレの大嘘をつくの?」


「お客様、流石に男というには…………脱いで証明して見せては?」


 メイドの目が野獣のソレになった。


「い、嫌です!」


(なんだ? このメイド、初対面なのに近いしなんか態度が悪い! 俺を虐めてた女どもみたいな目で見やがって!)


「えーでも男だったら裸になるくらい誰の前でもグヘヘ、できますよ?」


「坂上さん? それ以上はダメですよ? 今私貴女を目で録画してます、何かしたら即警察に通報しますので」


 ウィンドウの録画アプリを開いている。


「か、華美さん? ここは更衣室ですよ?撮影禁止ですよ?」


「裏アプリ使ってるに決まってるじゃないですか、最新ヴァージョンなので禁止区域無視で撮影できます」


 緊急時以外でトイレやプライベート空間、軍事機密エリアなどでは目視による撮影行為は不可能になっているが、ぶっちゃけそのプロテクターを解除する技術者のせいでその筋に詳しい人間には無意味だ。結果的にはイタチごっこだ。


「ちっ! 冗談ですよ、冗談」


「賢治ちゃん、今の服は脱がないでそのまま制服着てちょうだい。私が見張ってるから」


「うん」



 体操服の上にメイド服を着る、ただそれだけ。


 それだけなのに。所作の全てがエロい。


 魅惑という動作が体に染み込んだ所作、幼少からパパを魅了するために弱々しさをアピールし、襲って貰いたいかのよな視線の流し方をする。


 絵になる。

 それが華美の感想だった。


(昔見たポールダンスね、女が身を任せる一本の頑丈なポールを立ててエロく踊るんだけど、それを静かにポールなしでやってるわ、投げ銭したくなってきたわ)


「えっちですね賢治様!!! お金をあげます!」


 メイド従業員は迷う事なく華美のしなかった[投げ銭行為]をしようとしていた。


 投げる人に指を差し意思表示をして人に金を送る行動だ。


「い、いや、服を着てるだけですから! なんでメイドカフェでお客がメイドにお金を貰わなきゃならんのですか!」


「は! つ、ついアイドルに投げ銭する感覚で幼女に大金を渡すところだった!!」


 一体いくら渡す気だったのだろうか?カメラに数百万かけられる彼女の事だ常識的な金額ではなかっただろう。


 華美は少し厳しい表情をしていた。


(この()、顔だけじゃない、顔だけでアイドルはできない、民衆を魅惑する為には隙を見せて好きになって貰って信者にしなきゃいけない、顔だけの女の子は防衛本能丸出しで信者に好きになってもらおうだなんて出来やしない、遠ざけて引き寄せられない。だけどこの子は違う、あの目線、細く弱々しく、だけど意思のこもった目の動き、ただ服を着るというだけで初めて出会った坂上さんを魅了して投げ銭までさせようとしてしまった、そしておそらく全て無自覚)


 一転して可愛がる妹的存在から華美の中で敵になりうる存在へとランクアップしていく。


 綺麗に制服の皺を伸ばし、一番綺麗に見えるように服を最適位置に整える。

 どうすれば可愛く見えるか。油断させ魅惑できるか、計算せずとも反射的に動いてしまうのだ。


 寝ている時に処女を失わなかったのも彼女自身の中身がないとただの超絶可愛い女の子というだけだからだ。



(原石、どんな宝石を中に孕んでいるか分からない原石。希少価値は間違いなく世界屈指、後はどうやって賢治ちゃんを輝かせるか。そしてお姉様を飾る宝石としてどうやって調教するか、友達になると言った時のあの表情、確実にこの子はボッチ。それは多分この娘の放つオーラに友達の段階をすっ飛ばして来たから、だがこの咲原華美! そのような失態はしない! お姉様に魅了された私にそのような誘惑は通用しないっ!!)


 さっきまでおっぱいを揉もうとしていたことなど忘れている。

 因みに今録画したお着替えデータは秘密のフォルダに保存した。


(取り敢えずこのデータは後でお姉様の名前を入れてお姉様のママに差出人非通知で送っておこう。せっかくの日曜日なのに私に内緒で出かけるのが悪いのです)


 特に理由のないお姉様に対する嫌がらせを思いついた。


「ううう、では華美ちゃん。この制服は後でお返しするので俺は行きつけの服屋に行ってきます。男性用の服を買いに行きます、多分この服はドン引きされると思うけどブルマーよりは良い」


「え? 賢治ちゃん男装趣味が!? ドン引きだわ!!」


 ぷくーっ!


(ああ! また膨れっ面! 可愛い!)


 自分を男だと思い込んでいる女の子の怒り顔は愛おしい。


(年下にバカにされるのはムカつく! そういうのはウチの母さんだけでいいんだ)


「ぷひゅ! 俺は男だ、本当だったらこんな服着てないんだ、たまたま妹に全部処分されたから買い直さないと!」


「あら、でも今の格好すごく似合ってるわよ? 実ったそのおっぱいをベルトで寄せて上げてさりげにアピールしてるのも憎い演出だと思うけど」


(…………というより私より大きくない? マジで憎たらしくなってきた❤︎(R -18)首引っ張りあげて揉みあげてトラウマ植え付けたろうか)


 可愛さあまって憎さ100倍、女体回帰に磨きのかかる賢治の肉体であった。


「お、男の胸ばかり見るな!!」


((男が胸を隠すな! 咄嗟に胸を隠すのは男の反応じゃない。女の子じゃねぇか!))


 なんだか二人ともムカついてきた。


「ふ、ふふふ、私は今決意したわ。本当はここで尋問したる気だったけどなんかむかついて来たから貴女を見事にデビューさせてやるわ!」


「はい?デビュー?」


「貴女をキチンとモデルとしてデビューさせます、もう我慢の限界です、友達として許せません。芸能を嗜む者としても貴女みたいな国宝級の原石を放っておく事など許せません、これは強制です、拒否権はありません」



 冒険者ギルドみたいなところで賢治の特に隠してもいない実力が明らかになり、無理やりデビューさせられそうになる位に目をつけられました。


「い、嫌です! ってか魔法少女の話は?」


「どうでもいいです! それも聞きますけどそれより貴女という子を今まで見つけられなかったこの世界が許せません。今から事務所に連れて行きます! お姉様に紹介します、貴女はウチの子です!」


「何を言ってるんですか?!!!」


「そうですよ華美さん! その子は今ここの制服を着てるんですからここで私が手取り足取りグヘヘへ」


 坂上さんの目がいつものアレになって賢治にもようやく警戒心が湧いてくる。


「仕事しろ。坂上さん、じゃなくてゆんゆんさんはまだ仕事中でしょ?お客さんが待ってますよ?」


「ぐぬぬ、そ、そうですね私とした事が…………後で連絡します」


 捨て台詞のように睨みながら出て行った。


「あ、あの冗談ですよね? 今だったら聞かなかったことにしてあげますから!」


「着いてこないならさっきみたいにお姫様抱っこで誘拐するわよ? そっちの方が目立つでしょうねぇ」


「う、裏切り者!!」


「あ❤︎ その表情良いわね、たまーにお姉様もそういう顔するのよねグヘヘへ」


 華美のいうお姉様とはNo.2アイドルの武田藍那のことだ。


 ◆


 そのまま手を引っ張り連行、座ったテーブルに注文していたアイスティが置いてあった。


「お茶! 飲みましょう!!」


 事務所に連れ込まれたくない一心で話を逸らす。


「従業員服で? そんなの置いておきなさいな!」


(ダメだ! 話が通用しねぇ!!)


 ドン!!


 手を引っ張る華美の前にメイドが現れた、従業員ではない。



「食べ物を粗末にする子の前には、もったいないお化けが出ますよ!」



 そう、片目を髪で隠した174cm、モデル体型。

 誕生日は七夕、少し筋肉体質のニンニク好きのちょっと匂う賢治の侍女。


 ななちゃん事、七緒和葉がやって来たのだ!!


「ななちゃん!助けて!」


 さっきまでななちゃんから逃げていたくせに。この幼女本当に都合のいい時だけ自分の中のメス性質を使うのが上手い。


「話は盗聴(きか)せてもらったわ!! お嬢様! その女の力を利用してください!!」


「え?」



 どうやら味方をしに来たわけではないようだ。


結局追って来た。

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ざまぁ転生 〜ざまぁサレ役のイケメンに転生した作者の俺、追放されず復讐も諦めたのでヒロイン達のゆりゆり展開を物言わぬ壁になったつもりで見守りたい、のに最強ヒロイン達の勘違いが止まりません!〜

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