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第5話 ⑥[体操服パーティー]❤︎

 

 日々の鍛錬を超える力、それは世界に愛されるほか無い。

 賢治の場合は魔法だ。


 ラノベに出てくる様なチート主人公の様に世界に愛されなければならない。


 魔法に愛された女。


 それが意味する事は魔王の才能があるという事だ。


 個人の努力でどうにかなる物ではない、魔王に刃向かうという事は世界に敵対することに等しいのだ。


 まぁ、まだ魔王候補だが。


(む、男の俺が理不尽に怒ったからみんな変な雰囲気になったな、俺もなんでこんな事で怒ってるんだ?)


「あ、ごめんごめん。怒ってないんだ、そんなに緊張しなくてもいいよ」


 邪眼の閃光が収まる、それと同時に全員にかかっていた威圧が薄れて重い空気が消えていく。


 自分がどういう表情なのか? 自分がどれだけ恐ろしく美しいのか分かっていない。


 彼女はまだ、自分の怖さが分かっていない。


「お姉様はやはり魔王になるべきです、お母様より相応しい貴女こそが!」


「もう言ったぞ優奈、俺はななちゃんがなってほしくないと言ってるモノになる気はない。母さんが魔王になりたいのなら母さんがなるべきだと思う、むしろ俺はそれを手伝うべきだと思う」


「そんな……」


「話は終わりだ。魔王がなんだか知らないのに怒っちまう、こんな事になるならもう魔王の話はしない方がいい、そう思うだろななちゃ…………ななちゃん?」


 プルプル震え足を崩して恍惚の表情を浮かべている。完全に達している顔だ。


「綺麗……」


 ふわふわのスカートの中がとんでもないことになっている事など知らない賢治は首を傾げている。


「そりゃこんないい服着てれば男でも綺麗に見えるよな、ななちゃんの母さんが作ったんだよな。あの人かなり有名なデザイナーさんだよね?良いのかなぁ男の俺がこんなの着ちゃって」


「貴女が綺麗です、服より貴女が綺麗、私は間違っていました」


「そういうからかいに怒り狂うのはもう卒業したんだ。今はこんななりだけど成人男性だからな!」


 ちっちゃい成人男性 (ロリ)。


「私は間違ってました、貴女に布なんて要らない」


「嗚呼そうだn…………ん?今なんて言った?」



 凡俗な血筋の少女は瞳にダークピンクの淫紋(ハート)が刻まれ歪んだ笑顔を浮かべている。


「貴女にどんな綺麗な服も似合わない。合うわけがない。嗚呼あああ! 私は今理解した、貴女は飾られる美しさではない。脱ぎましょう!!」


「へ……変態!」


 いつものチョロインに変貌。

 そして幼馴染は絶頂絶好調。


「失礼、裸は言い過ぎでした。私の変態デザイナーとしての血が言っているんです、貴女を飾るのなら最小限の布面積にするべきだと!!」


(私のこの欲求が変態だというのならデザイナーはみんな変態よ!! 自分の存在意義を失った私が出来ること、それはこの子の為になんでも捨てること)


 顔を蹴られて当人にいじめられっ子と言われ、更には身も心も犯された様な七緒が願うこと、それは。


「ブルマーを履きましょう!あと白ハチマキで!」


「ブルマー? なにそれ」


「「!?」」


 白銀の聖女と妹奴隷はその単語の意味する事を知っている。

 正しくいうのなら賢治も服装の形は知っているが名前までは知らないのだ。


(だったら分からせてやろうじゃないの!!グヘヘへ)

(お姉様にブルマー! み、見たい!!)

(体のある今の状態でもう一回魅て魅たいわねあのセクハラ服)


 その後の侍女の行動は早かった、外に置いてあるトランクケース群からブルマー体操服を持ち出してきたのだ。


 それを見た賢治は思い出す。


「それ!お前が俺に履かせた変態体操服じゃないか! まだ持ってたのか! ふざけんな!!」


 しかしそう言いつつ左眼は光り猫の尻尾の様にアホ毛が立つ。どうやら着てみたい様だ。可愛い。


「んふふふふ、そうです、私が悪いんです。お嬢様、この私が貴女にこの食い込みと布の着心地の良いエロエロ服を着せたいんです❤︎ 貴女はぁ❤︎ なんにも悪くなぁいんです❤︎ だから私に無抵抗で無理やり着せられていいんですよ?」


 言いながら吐息を吹きかけ魅了する、少女にして良いことではない。


(そ、そうだ。ななちゃんが悪いんだ! こんなにエロい顔で懇願されたらどんな男だってブルマーくらい履くに決まってる、俺は悪くない。ぶ、ブルマー姿を見てほしいわけじゃないんだ!!)


 どうやら着るべき女性服を着ることに抵抗がなくなった様だ。女の子として良い傾向である。


「しょ、しょうがない。俺はななちゃんの着せ替え人形だから……」


(グッハ! 鼻血出そう! このメス絶対わかって私を魅惑してるわね! 大好き❤︎ 嗚呼あああ!! 本当はもっとひれ伏したいのに、この子の魅力は平然と自分の支配力を超えていく!)


「息をして()()、深呼吸、吸ってぇはいてぇ、嗚呼息まで本当にいい香り❤︎」


(ななちゃんちょっとニンニク臭い、でも可愛い。俺にブルマー履かせようとしてるけど)


 幼馴染の息の匂いが臭くても聖女はそれを愉しめる、何故ならレズだから!!!


「さぁさ、気を落ち着かせて下さい。先ずはマットレスに腰をかけてスカートの中のパンティごと履いて下さいまし❤︎ 脚を出して、そうそう、やっぱりはぢめてじゃないからすごく履かせやすいわ」


 笑みが止まらない。

 侍女は満面が屈辱にまみれた主人の顔がたまらなく好きだ。


 でもそれ以上に口端の上擦りを堪えている賢治のメスを抑えようとしてる顔が大好きだ。大好物だ。


(やっべ❤︎ 勃 ❤︎(R-18)する! 顔面に私の ❤︎(R-18) ❤︎(R-18)ぶっ ❤︎(R-18) ❤︎(R-18)てぇっ!! ひどい! 私の理性がぶっ壊れる❤︎ 脳がとろけそう!)


(ななちゃんが悪い顔してる!)


 因みにこの時妹と露出狂は正座してガン見している。

 妹はいいがアンネは魔王の畏怖にも視線を下げなかったのにエロい展開になったら全裸待機も平気でしそうなくらい鼻息を荒くして目を見開いている。


(おま ❤︎(R-18)こをびしょびしょにしながら良くやるわね七緒ちゃん! 愛のなせる愚行! いえ、蛮行かしら? 素敵!!)


 自分の生まれ変わりが恥をかいているのに嬉しそうな前世は瞳に淫紋(ハート)が浮かばない、つまりこの外道は平常運転なのである。



 そうこう言ってる間に下着が履かせ終わる。


(少しひんやりする下地が気持ち良い、わけない! 俺は変態じゃない)


 変態ではない。むしろ今までの男装が変態だ。


「じゃあスカートから…………脱がせますね❤︎」


 脱がせると言った時のメス顔もたまらなく好きだ。


「お、おう……」


 長年の息のあった動きで効率的かつお嬢様の肌を傷つけない優しい動きでどんどん脱がしていく。

 着るのは大変だが脱ぐのはアンネが全裸になった時の様に手軽である。



(ブルマーにブラジャー、んふふふふ❤︎ 男子のエロい目線の理由がわかったわ、確かにこんな可愛い子がこんな格好してたら見るなという方が無理があるわ)


「上のブラも脱ぎます?」


 胸の谷間をガン見する幼馴染のエロい視線に気がつく。


「……このままでいい! ななちゃんの視線が気になる!」


(やぁっと……やっと女の子としての自覚が出てきたわね? まぁ今のおっぱいでポロんしたら後ろの妹ちゃんが暴走しそうだしね、ここは我慢)


 奴隷の目はもうすでに忠誠心の限界だ。お姉様からの新しい命令がなければ襲いかねない。


「じゃあ体操服を着ましょうねぇ?」


「うん」


 迷いなくバンザイの姿になりおっぱいをより大きく魅せる体勢となる、少し張りがあり幼馴染は吸い付きたい欲望を必死で抑えて服を着せた。


(10年前の私だったら今の無防備で確実に襲っていたけど今は違うわ!)


 今している愚行の時点で全然我慢できてないのは明白だが突っ込んではいけない。


「あと、はハチマキを…………」


「ななちゃん?」


 ハチマキなどせずとも既に。

 既に完成されていた。


 元々ヘソだしルックにするために布面積の狭い上着だったのだが想定以上に大きくなった賢治のおっぱいによりせり上がったびらびらの体操服。

 そして母親の様に安産型のお尻、安産型とは骨盤が開いていることではなくしっかりと引き締まったセクシーな上がり尻の事だ。

 そのお尻が魅せるブルマーの本来のセクシーな形、つまり何が言いたいかというと確実に男ではないという事だ。

 もう鎖骨の彫りも薄い。


「は! 俺は男だ!!」


「「「嘘つき!!!!!」」」


 3人全一致の意見だ。


 マットレスに両膝をついて上体を反っておっぱいを手で隠しながらジト目で睨む。



 こんな男が居てたまるか。




どう足掻いても女の子なんだよなぁ。

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ざまぁ転生 〜ざまぁサレ役のイケメンに転生した作者の俺、追放されず復讐も諦めたのでヒロイン達のゆりゆり展開を物言わぬ壁になったつもりで見守りたい、のに最強ヒロイン達の勘違いが止まりません!〜

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