第5話 ③[等価交換]♡
「ふ、ふ、服をきろおおおおおぉおお!!」
ぶん!べちん!
すぐ隣に居た優奈は全く気が付いていない。
女の子が全裸になった気配を感じやっぱり全裸だったアンネを確認した真正ガチレズの賢治が床に散乱した服をぶん投げた。しかしパンツは投げられなかったが。
「え?」
そしてやっと、優奈は隣の全裸性女に気がついたのだ!
戦士より先に気がついた。
「なんだと! この私が女の子の全裸に気がつかなかった!!?? き、貴様、一体いつ脱いだ!!!!!???????」
冗談抜きで優奈は警戒した。
(冗談じゃないぞ!? いくら油断していたとはいえ服とパンツを脱いだ動作に私が気がつかなかった? そんなの隣にいた人間に首を斬られた事に気がつかなかったというレベルの話だぞ?! くっしかしコイツ肌が綺麗だ! 触りたい!)
「いつですって?人は生まれた時からすっぽんぽん! ぽんこりん!! 私は心に全裸を着ている女の子なのよ!!!」
言ってる意味が全くもってさっぱりである。
「いいから服を着ろぉおおおっ!!!」
マジギレである。
「だったら着せてみろよ!! 私は決して自分で着ない! そして履かない!!」
「にゅぐ!!ぐぬぬぬ!」
顔真っ赤で全裸少女を見る。
目が離せない、だってレズだから。
綺麗な女の子の全裸を見てそれを着せたり出来る!
怒りよりその特殊プレイに心の百合の花を咲かせているのだ。このエッチめ。
「男にそんな事させて楽しいか!!」
「男??! どこに? 私は私に相応しい美女にしか服を着せたりしないわ! ただしこのままだと誰の前でも脱ぐけどねっ!!」
脅してる。
「逆! 致命的なまでに価値観が狂ってる!!」
(ぐっ! 面倒だけどここは俺が服を着せねばっ!! 決して俺が女の子に服を着せたいとかじゃない! 否! 変態であったとしても男として変態なんだ!決して百合とかレズだからとかじゃねぇ!)
心の中まで大嘘つきの賢治。彼女はなぜそこまで男だと思い込むのか?あまりにも異常であるっ!!
「ま、先ずはパンツから!」
顔を上げず足先からするりと白い布をあげる。
「ほうれケンちゃん♡ちゃんと股の中まで食い込ませないとぉ♡デュフフ」
「自分でやれ! 次はズボン!」
同じ要領で履かせていく。
「嗚呼、やっぱり服を着せてもらうのは自分じゃなくって可愛い女の子にしてもらった方が興奮するわぁ♡」
(そういえばコイツどっかの異世界のどっかの国のお姫様なんだっけ? だったらメイドみたいな侍女に着替えさせてもらったことくらいあっても不思議じゃあないか?)
「あ! 今小さい頃にクレーに着替えさせてもらった時のこと思い出してたでしょ?」
「?…………クレー?」
「貴女のお母さんの事よ? クレイ・アストラン・レイナード、前世の名前で家名をもじって自分の事をレイナと最初呼んでた。偽装工作が必要なくらい有名な魔族の中の貴族、最初から魔王になるべく生まれた家柄なのよ? 最終的には本名を教えてくれたけどね」
ちなみに今おっぱい丸出しの上裸である。
がばさ!!!
何も言わずにシャツを頭から被せて着せていく。
(ん? 伝承では魔獣が何ちゃら言ってなかったか? 矛盾してないか?)
(あらら、この子もう既に矛盾点を勘づき始めてる。まぁそうよね、勘のいいあの子の娘なんだし)
「俺の心を読むな、お前の考えてることなんて大体お見通しだ」
「そうやって凛々しくしてると本当、クレーみたいよ貴女」
どっちも悪い女の顔をしている。
「いいからさっさと自分で着直せよ、服の位置の微調整なんか俺にはできんぞ?」
「んーそうね、こういう作業って結構技術がいるわよね?一般的に売ってる量産品の服だったら一人で着れるんだけど和服とかもう一人いた方が着やすいものとかあるのよ、特に貴方みたいな生まれの気高い子にはそういう服が似合うと思うの」
「あ?さっきから何言ってるんだ?俺の母さんは茨城とかいう大スラム街と区別のつかないヤンキーの原産地のクソど田舎のふっつーの農家出身だよ!」
「あらら、今は奏美って名前だったわね。ふふ、あの子も罪深い。自分だけ貴女を楽しんで男という殻に包ませておくなんて、気に入った女の子を独占しようとしてるのね?」
何という悪い女、まるで魔女!!
「俺は男だ!あと母さんはノーマル、だ!!」(多分………)
待ちに待って一時間ほど。
ガン!!!!べきょん
女の子の大声と共に黒い服の七緒がドアをぶっ壊してやって来た!
メイド服、お嬢様より目立たない為の黒い色、エプロンを上に着ている。
どこかの筋肉メイドの様に大きくない。
フリルなどついていない本当に付き従うためだけの本当のメイド服である。
スカートはふわふわだが。
「な! ななちゃん?!」
「賢治! 奏美さんはアンタを独占なんかしてないわ! アンタは私と奏美さんのおもちゃなのよ!!」
「何言ってんだお前」
がちゃん、どか!
両手に持っていた大きなアタッシュケースを地面に置いて中身を開けて見せる。
「な!! なにゃ!!」
サイズを合わせた今の賢治用の服、ちゃんとみんな女性服! そう! メイド服に着替えただけではない! 侍女のお仕事? お嬢様のお着替えの為の服を取り揃えたのだっ!! この変態っ!
「さぁさ!お嬢様っ!お着替えの時間ですわよ!」
「な、なにゅをいってるんでしゅか! このおバカ! ななちゃんのアホ!」
「ケンちゃん!!!」
ここでアンネの怒号! 全裸大好きの変質者が腕を組んでカッコいいポーズでドヤ顔だ。
「貴女は私に服を着せた!」
「だからなんだ!?」
「だから貴女も服を着せられるべきよ! 服を着せるものは着せられる覚悟をすべき! 等価交換! 錬金術の基本原則よ!」
「そんな錬金術があるかボケェ!」
超理論で捲し立てようとしても賢治は一切その手に乗る気はない。
「ダメですよ。お姉様」
背後から忍び寄った妹に腰から抱き抱えられる。
「な! 何を! やめろ優奈! あとで美味しいご飯あげるから! 無理やり食べさせないから? ね?」
「にゅふふふふ♡ あの片目隠しに乗るのは気に入りませんけどぉ♡ お姉様の屈辱に悶える姿、じゃなかった、お姉様がちゃあんとした女性服を着ている姿を魅たいですわぁ❤︎」
「ひ! ヒェッ!!」
妹奴隷の瞳の奥に濃いピンク色の淫紋が刻まれていた。
本当の悪い子だ〜れだ?




