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第4話 ⑤[こいごころ?]

 って、あれ? そういえば優奈はログインしてるのか?気絶させられてそのまま放置しちゃったけど……。


 しまったな、何も確認しないで感情的にインしちゃった。


 まぁ優奈は悪い子じゃないから大丈夫だろ! 大体今女装してるキモいおっさん状態だしなぁ! ははは逆に警察に通報されたらどうしようか、まじで。


 ブン、



 暗闇が照らされてあの世界が目の前に現れた。

 今回は特に変わったところもない。アスファルトの床、雲ひとつない青空。

 石壁が現代風なコンクリートの壁になっていたり家が少し近代的になっていたが昨日の変わりようから比較してしまうとそれほどでもない!


 うん、まぁここら辺が進化の頭打ちだろう。実際の世界もこれ以上はあまり進化していない、する必要もない。


「あれ? ケンちゃんもしかしてログインした?」


『え? わかるの?』


 魔剣の状態の俺を腰にかけている、どうやら昨日魔法少女の姿に聖具化?してからこの姿に戻ったらしいな。


「わかるよ? なんか重くなるんだよね? 存在感みたいなのがずっしり感じれる様になるんだ」


『へぇ』


 興味なさそうに言ってやったが実際は超嬉しい。

 死んだ親に会えただけでもラッキーなのに褒められたりすれば感情が揺さぶられるのは当たり前のことだ。


「あ! 今ちょっと照れてなかった? 『へぇ』のトーンが嬉しそうだった! ケンちゃんはわかりやすいなぁ」


『うるせぇ』


 こう言うことを平然と言う、少し気恥ずかしいというかくすぐったいことを言う。

 この感じは間違いなく俺のオヤジなんだよな。


「アレそれはそうとあの魔法少女にならないの? 結構可愛いのに」


『あ?』


 いきなりトラウマを抉ってくる、こう言う場の空気を読まないところもオヤジだ。


「男が女の子の格好するとか、あり、あり得ねーし」


「えー結構可愛いのに、匿名ネットとかでオカマなプレイするのはある意味昔からの礼儀みたいなもんだよ?」


 二度も可愛いって言うな! 間違って変身するところだった!


『そ、そんな礼儀があるか!』


「あるんだよなぁ、ネカマプレイっていう古来の遊びなんだけどね?」


『ききたくない!!』


 そういえばリアルの俺今、女装してるんだよなぁ。


 そういえば俺オヤジとアンネが似てるとか思ってたんだよなぁ。


 でもよく考えてみたらオヤジは露出狂じゃないし、母さんと離婚する中学生まで一緒にお風呂入ってたけどアレは普通の男同士の裸の付き合いみたいなもんだし。うん、大きかった。


『オヤジってさ、ところ構わず素っ裸になる趣味ってある?』


「はぁ? なんだいそれ? ただの露出狂じゃないか?」


 少し間があって冷めた感じだった、息子の俺にはわかるのだ。


『だ、だよねー』


 まぁアンネも口だけでそんなに露出狂ってわけじゃないよな? アイツもそんなに悪い子じゃない筈だ。


 女の子はみんないい子だ。


「ケンちゃんってさ、チョロい所あるよね?」


『え?』


「あーうん聞き流してくれていいんだけどね、ケンちゃんってさ、年下の女の子はみんないい子だって思ってるだろう? 奏美が正にそれでさ、結構悪い女に騙されてるんだよね? ケンちゃんって顔も性格も明らかに母さん似だからさ、そのくせ僕みたいに考えなしなところもあるから心配なんだよね」


 何が言いたいんだよ。

 いやこの上なくはっきりと言ってはいるんだけどなんか。


『なんかオヤジに煽られてるみたいだ! 昔からそういうとこあるけどさそういうの直した方がいいよ!』


「あはは、ごめんね? これは直せないや僕の魂のカタチみたいなものだからさ、言いたいことは相手を不快にさせても言い切る! ガキだの童貞くさいだの言われてもこれだけは曲げないよ僕は」


 俺が産まれてるから童貞じゃねーだろ。

 あーもう無機物の剣でなんか話してらんねー!


 ボン!!


「うお!」


「これでいいかよ」


 俺は恥を忍んで魔法少女に変身した。


「んー、全世界にパンツ丸出しで魔法少女やった僕がいうのもなんだけどさ〜」


「分かっててやったのかよ! やっぱ露出狂じゃねぇか!」


「あ! いやアレは服の構造上仕方なかったんだけど、うーん同じアバター使っててもなんていうかケンちゃんが中に入ってると思うと」


「ん?」



「すっごく可愛い」


 どくん。



 アレ?


 違うぞ?こういうのじゃない。望んでない。

 カッコいいだなんて、思ってない。

 確かにオヤジは昔イケメンだったとわかるくらいに顔が整っている、でも今の親父の顔は40代、でもカッコいい。


 じゃなくて! 俺は男だ!


 男の俺がオヤジにこんな気持ちになっちゃいけない!


 でも、


「オヤジは悪い奴だ、アンネもそう言うところがなんか似てるんだよ」


「ん?アンネってあの白髪女の事かい? うん、気分悪くするかもしれないけどさ、アレは悪い女だよ? 絶対に付き合ったりなんかしちゃダメ、ケンちゃんに相応しくない」


 でも(⚫︎)(⚫︎)(⚫︎)()()()()()()()()()オヤジに怒りが湧いてくるのはなんだ?


 これは嫉妬? 誰に対する? ダメだ頭がごちゃごちゃする。


「オヤジにアンネの何がわかるんだよ?!」


「大体わかる、アレはずるい女だよ。簡単に人を裏切る、善意で裏切る、何も反省しないで裏切る、どんなにこっちが心配に思っていてもすんなりと裏切る、裏切ることも裏切る、期待を裏切る、意味もなく裏切る、全て裏切る」



 ん?なんでそんな顔するんだよ。


()()()怖いよ……」


 怒りが込み上げてきた時に見せるオヤジの表情だ、眉間に皺が寄るが目つきは冷徹、いつものちゃらんぽらんな感じが偽物だと言うことが分かってしまう。


 俺はオヤジを怒らせたことはないがこの姿は過去に何度かみたことがある、一番記憶に残ってるのは七緒の親を叱った時だ。

 相手を不快しても言い切る、正に有言実行だった。


 でもその表情を俺に向けるのは初めてだった。


「あ、ごめんね? 今のケンちゃんの格好ってかアバターの姿があの女に似てたから」


 一瞬で表情がほぐれていくが俺の脳内に残るあの顔は消せない。

 オヤジは怒ると怖い、オカンよりは怖くないかもだけど滅多に怒らないから印象に残ってしまう。


「あの女って、さっきもだけどさやっぱアンネと何か関係があるんじゃないの?」


「んー? それよりもさぁ?」


 ふぁさ


「え? ええ?!」


 クールビューティーと言われた俺の魔法少女の体をオヤジは軽々と持ち上げた。いわゆるお姫様抱っこだ。


「実際のケンちゃんより身長高いよね? ふふ、でもクールな顔つきの魔法少女だったのにケンちゃんが中にいるとそんな顔になっちゃうんだね?」


「な! な! 何をしとるんですかバツイチ!!」


「酷いこと言わないでよ? いいじゃん、ここには奏美もいないんだ、いるのはロボットみたいな村人だけ、ここはひとつ古の遊び“ネカマプレイ”に勤しんでみるってのはどうだい?」


 頬が熱くなる、多分紅潮してる! こんなの絶対アバターの体のせいだ! 俺の感情じゃない、俺は、男?


「本気で言ってる?」


「僕はいつでも本気だよ? もしかして(⚫︎)(⚫︎)(⚫︎)の事を語ってて嫉妬しちゃった?」


 やっばい、やばい、でもオヤジ素でイケメンなんだよ。年取っても、いや年取って逆にカッコいいんだ。


 こんなのずるい、男の俺だってこんなの、だからその、今だけ


「じゃあ、その、今だけおん……」



「待ってぇええええええええ!!!!!!」


 !?!?!?!!!!


 どこぉおおおおおおおおおんんんっ!!!!!! どんどんどんどん!!


 やけに無駄な爆発、ただ俺たちの場の空気をぶっ壊したいがために破壊の限りを尽くしたかのような爆発の連続だ。




 ゲームスキル


 アイテム「ボムの木の実」


 ・最大所持可能数6個

 ・ゲームステータスによってその威力が変わる。




「ケ゛ン゛ち゛ゃ゛ん゛!!! その男の口車に乗っちゃダメよ!! そいつは男も女も転がす最低のクズ勇者!! こっちの世界でも人を平気で裏切るダメ人間!! そして貴女は女の子!! 私たちとゆりゆりしなきゃタ゛メ゛な゛の゛よ゛!!!」


 昭和のVHS戦争洋画で出てくる主役の様な険しい表情の金髪女のアバターを着たアンネが現れた。


「俺は男だっ!!」

イケメン過ぎるパパにイケナイ感情を向けるえっろい魔法少女。

完全に娘やんけ。

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ざまぁ転生 〜ざまぁサレ役のイケメンに転生した作者の俺、追放されず復讐も諦めたのでヒロイン達のゆりゆり展開を物言わぬ壁になったつもりで見守りたい、のに最強ヒロイン達の勘違いが止まりません!〜

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