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第4話 ①[寝起きの黒猫]




 この物語はフィクションです。

 登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません、また特定の宗教や思想、学問を貶める意図はありません。

 

 また夢か。


 俺は暗闇の中、ただ浮いていた。

 こんな事態が現実にあるわけはないので実感のこもった夢だと認識した。


 そう思うようになったのは俺がこの手の展開に慣れ始めたからだろう。

 色々あった、オヤジが生き返ったことが一番驚いたけど魔法少女になったり妹が出来たり、魔術とか魔法で目の前でドンパチしたり。


 でも七緒が変わってなかったのが意外な出来事だったかな?


 魔法とかああいうのは多分俺が見てこなかっただけで多分普通にすぐ側にあったんだ、それが表面化してきただけで別に意外性もないし幼馴染の心情に比べればどうでもいい事だ。


 アイツが彼氏を見せびらかしに来た時は、まぁそりゃあ最初は「俺と結婚するんじゃなかったのかよ! 裏切り者っ!」とか思ったけど、よく考えれば俺とアイツって幼馴染ってだけで友達みたいなもんだからな、祝福すべきであって恨むべきではない。


 ああ、ちょっと違うか。


 アイツと俺はライバルなんだ。どっちが異性と付き合ってどっちが先に結婚して、どっちが先に幸せになるか。そういう間柄だった筈だ。


「和葉ちゃん」


 下の名前、高校くらいの時に七緒に矯正されて? いや違う違う、確か俺がそう言いたいって進言したんじゃなかったっけ? ふふ最高にキモイ男だな、惚れあってるとか勘違いして。


 そんなんだから大学で振られるんだ。


 嗚呼、俺ってガキなんだなぁ。今もさ。




 ◆






 西暦2500年4月3日 07:00


 ザァア、


 雨が降っている、曇り空の色に混ざって見えないくらいの小雨だ。

 寝室のベランダから雨音と冷気が侵入してきてる。


 オヤジと一緒にいる時は青空ばかりだった様な気がするからこの灰色の空はすごく陰鬱なものに感じてしまう。

 俺が覚えてないだけで自分の父親を神格化してるだけだという自覚はある、もうそろそろこの甘え癖を治さないとな。


「七時ちょうどか」


 目の前にウィンドウが現れて今の時刻と居場所を教えてくれる。


 優奈とかはナノマシンの事を虫って言ってたけど結構便利なんだよな、人類の叡智の結晶。

 病気も治すし、抗体も作ってくれたり日々の健康的な就寝も促してくれる。

 正に魔法みたいなもんだ。


「ハローワールド、なんちゃって」



「おはよう御座います!! お゛ね゛ぇ゛さ゛ま゛!!」



 ガバァ!!


「ぬが!」


 布団の中に隠れてた黒猫がいきなり俺の目の前に現れて押し倒される、14歳とかいう情緒不安定な時期だから仕方ないけど男に対する警戒心が薄すぎないか?


「にゅふふふ♡ 私の前でうっかりこんな時間まで爆睡するなんて警戒心がゼロなんですかお姉様!最高です❤︎」


 首筋に顔を近づけてきて匂いを嗅がれた。やめて臭いぞ?


「今日もいい匂いです♡ 何度もやっちまおうと思いましたがやっぱりお姉様は動いていたほうがいいです!! さぁ! 私とはぢめて出会ったあのときの様に愛を確かめ合いましょう! 脱いでくださいまし!!」


「そういう冗談は後にしなさい」


 そんな目を輝かせて媚を売らなくていいんだ、そんな事しなくたってこっちの世界に転送させた責任はちゃんと取る、流れで隷属魔術みたいな事をしちゃった事だって数日すれば解けるんだ、その期間を伸ばす様なことは……ん?


 [隷属期間が一週間に延長されました!隷属深度が深くなります]


 ナノマシンの見せるものと違うウィンドウが現れた。


「え? 優奈?」


「にゅふふふ気がつきました? 昨日貴女様の涙をハンケチで拭いた後それをジッパーなるものに保存して吸い込みましたぁ♡ これで隷属の永久機関の完成ですぅ❤︎」


 意味不明なことを言いながらガンギマリ顔を見せつけてくる、ん?

 瞳の奥にエロ漫画で見た様なハートマークが見える。何だこれ?


「そ、その瞳!」


「はぁい♡ お姉様に刻印されたんですよ? 魅了された者はこうなるんです!」


 言いながら俺の胸元のボタンを外していく。


「やめろ! 俺はそんな事望んでない! そんなことしなくたっていいんだ!」


「いいえ♡ します♡ 私がしたいんです! お姉様は私にここで今食べられるんですよ?さぁ肩の力を抜いて下さい、息を整えて♡ 大丈夫ですよ最初は私がリードしてあげます♡ 調律作業してきたのでやり方は分かります、まぁこれからするのは作業ではなく本番といったところでしょうか? デュフフフ❤︎」


 あ、これダメだ! 勘違いしすぎておかしくなってるパターンだ!


 ぼかん!!


「だーめ! め!」


「んきゅううう」


 背後からアンネの枕での攻撃、割と速い一撃だったのか優奈は頭をくるくる回して気絶した。


 今、なんか黄緑色の光が見えた様な?


「どうしたのケンちゃん? そんな可愛い顔で細目をしてもらぶりーなフェイスはイケメンにはならないわよ? お姫様?」


「なぁ、アンネお前に流れるその緑色のウネウネしたのはなんだ?」


「え? 嗚呼、隠してたのにもう見える様にまでなったのね?これは漫画風にいうとオーラってやつよ!」


「それを光線みたいに放つのか?」


 俺は某有名古典漫画の親子か◯は◯波を思い出した


「なんか失礼なイメージしてるでしょ? ええーと魔術魔法の説明はしなくてももうわかるわよね? このオーラってのは魔術の前段階、魔力を現界化した姿なの」


「あーつまり人によってそのオーラの性質が違うとかいうやつか? お前は聖女だから癒しで、優奈は魔術で電撃、俺は勇者だから斬撃! なんて感じか?」


「何という超速理解 (ケンちゃんは癒らし悪い子だけど)、正確にいうとどんなオーラでも誰でもできるのよ、ただ魔力の質によって変質できるオーラの量と質が決まってるの、戦士が癒すより私が癒したほうが費用対効果がいいとかそんなんよ」


 ?


 俺は疑問が浮かびそれをそのまま言葉にした。


「なぁそもそも魔力って何なんだ? 体力とは違うよな?」


「んー、明確にこうだ! って言う理屈じゃないのよね、どこかの世界に魔器って言う器があって個人がそれを管理してるのよ、でもそれは物質じゃないから見てわかるものじゃないの、で魔力は魔術を扱うための筋力みたいなもの。魔量というのが魔器内に溜まる体力みたいなもの」


「ん? んー?」


 的を得てる様でよく分からない説明だ。まぁなんとなく言いたいことはわかる。


「つまりこの世界にない魔力の器があってオーラってのはそこから取り出すものって事か?」


「あーうん、そんな感じ、そうそう。ケンちゃんみたいなのは理屈抜きでオーラを出してるけどね?」


 いやいや、そんなケッタイなもの出したことないわ。ふざけんな。


「オーラって便利なのよね、私だったらオーラで癒しを強化したりオーラを伸ばして物体に同じ効果を付与したりできるのよ。戦士がこれを極めると武器を魔具化したり更に極めると()()()()()()()するのよね」


 聖具化? アレ? ソレってゲームのアイテムとかじゃなかったっけ?

 誰が言ったんだっけ? えーと確か……オヤジ?


「因みに貴女の使う魔法少女のマジカルステッキも私の身体を、エフン!聖具なのよ?」


「え?」


「術式も何もかもアルバちゃん任せにするわけにはいかないから私がかなり補助して無理やり作り出したのよね! えっへん!」


 すごく誇らしそうに胸を張る。


 ちょっとムカつく。


「そういやそのアルバっていうやつ、もしかしてあのアルバなのか? ジョージ•J•ジョンセンが作った感情制御型AIのモデルタイプ」


「感情制御? ははは、ケンちゃん言ってて矛盾があると思わない? 人間の感情は制御できないから感情なのよ? 感情が制御できるなら戦争も喧嘩も起こらない筈でしょ?」


 なんだかコイツは突然哲学的な事を言い出すな。


「わかってるよ、ジョージも感情は制御できない、できたらそれは感情じゃない。って言ってたしな」


「ケンちゃんってああいうお爺さんが好みなの?」


 俺はものを知らない美少女をみて哀れに思う。


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ざまぁ転生 〜ざまぁサレ役のイケメンに転生した作者の俺、追放されず復讐も諦めたのでヒロイン達のゆりゆり展開を物言わぬ壁になったつもりで見守りたい、のに最強ヒロイン達の勘違いが止まりません!〜

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