第一章 弐
琉偉「ガリアさん、俺その話もっと詳しく聞きたいんですが良いですか?」
琉偉はもう自分が死んでいることが分かったので吹っ切れていた。
ガリア「さんはいらねぇ、俺様の事はガリアでいい。」
気を使って敬語で話していたけどガリアはあまり敬語は好かないようだ。
ガリア「めんどくせぇーから簡単に話す、お前を別の世界に復活させて俺の力をお前に与える。」
琉偉「えっ!?」
琉偉はびっくりしてしまう。 別の世界? どういうことだ・・・? また頭を抱える話が出てきてしまった。
ガリア「まぁお前が住んでた元の世界とはかなり違うな、まずモンスターもいるし人同士で殺しあうこともある。 戦争ってやつだな。 お前の住んでた世界と違って結構物騒かもな ククク」
ガリアはこっちの反応を無視した挙句に笑いながらとんでもない話をぶっこんでくる。
ガリア「俺様はさ、お前に何不自由なく暴れまわって本来のお前の姿をさらしだしてほしいわけよ。 いままで散々味わった苦い思いやストレスをいろんなところにぶつけまわってお前自身に楽しんでほしいわけ。」
この悪魔は実は天使なんじゃないかと疑うほどいいやつだ、見た目は完全に天使とは程遠いが・・・ 琉偉はガリアに信頼の眼差しを向けながら話を聞く。
ガリア「んじゃあ早速いってみるか? ククク」
琉偉「ちょっとまってガリアさ・・・ ガリア、まだ聞きたいことあるんだけど」
さすがにいきなりすぎて琉偉は話を止める。
ガリア「なんだ? 他になんか聞きたいことあるのか?」
ガリアは話終わりたぞ?と言わんばかりのトーンでこちらを向く。 仮面をかぶってるからわからないがガリアは飽きれてそうだった。
琉偉「力をくれるっていうけど、どんな力をくれるの? 俺もともと弱いからずっといじめられてたってのもあるし自慢じゃないけど運動神経もそんなに良くないよ」
琉偉は地面を見ながら自信なさげに話す。 いじめっ子の連中から逃げることもできたかもしれないが、別に俺の運動能力は良くも悪くもなく平均だ。
ガリア「そうだな、お前のその運動神経含めて全部強化してついでに大量の魔力もサービスしてやる。」
琉偉「魔力!? じゃあ魔法もあるの?」
ガリア「ようやく頭が回転し始めたか? ククク」
ガリアはその通りと言わんばかりの回答で僕の質問に答える。
ガリア「まぁせっかく違う世界に行くわけだしここから先は俺に聞かずに自分で考えて自分で見て自分で感じたほうが楽しいと思うぞ。」
琉偉「それもそっか、、、」
知らない世界に行くんだから全部教えてもらうよりも、自分で少しずつその世界を知っていく方が確かに楽しいか。。。 と納得してしまった。
ガリア「あとなんかあるか?」
ガリアは最後だぞ?と言わんばかりの口調で聞いてくる。
琉偉「もうないかな、知らないほうが楽しいだろうしね。」
琉偉がそういうとガリアの目が赤色から青色に変わる
ガリア「じゃあ覚悟はできたってことだな? ククク」
ガリアが笑いながら聞いてくる
ガリア「ブライトネスホール!」
ガリアがそう唱えると地面に黒い穴が開いた。
ガリア「その中に入ってちょっとしたらお前の楽しい楽しい第二の人生が始まるぜ ククク」
ガリアは穴に向かって指をさして琉偉にしゃべりかけた。
琉偉「うん! ガリアさんありがとう。 思う存分楽しんでくるよ。」
琉偉はいつの間にか笑顔になっていた。 ここ最近ずっと暗い顔ばかりだったが違う世界で生きていくという目標ができたとたん琉偉の目は輝きに満ちていた。
ガリア「だから”さん”はいらねぇ」
ガリア「せっかく復活させて俺の力もやるんだから存分に楽しめよ、じゃあな ククク」
彼の笑いと共に俺は穴の開いた場所に歩いていき入ったとたん穴から黒い霧が出てきて、俺はあっという間に霧に包まれて消えていった。。。