第一章 壱
琉偉「んんッ?」
目を開けるとそこはいかにもというような地獄の風景が映っていた。 周りの木は枯れ、地面は砂、そして空は暗く曇っていてどうにも天国には見えない様子だった。
琉偉「俺ってとことんツイてないんだな」
重いからだを起こして立ち上がる。
?「よう、目覚めはどうだ? いじめられっこ」
目の前に黒い砂塵が現れ砂塵が晴れると中から黒いオーラを纏った騎士が現れた。 身長は2メートルくらいはあり、顔は不気味なマスクをつけており目の部分が赤く光っていて鎧も黒く錆びておりオーラと合わさって禍々しい雰囲気を放っている。
?「怖くて声も出ないのか?」
彼はそう言いながら俺に近づいてくる。 正直怖くて足が動かない。ただでさえどこかわからない場所で目の前にヤバイ奴がいて頭がパニックを起こしている。
琉偉「あぁーっとええーっと」
頭が整理できなくてパニックが加速する。
?「ゆっくりでいい。」
見た目は怖いのに案外良い人なのかもしれない。 俺はそう思いつつも深呼吸して気持ちを落ち着かせ、パッと頭に浮かんだことを聞いてみた。
琉偉「えぇーっとここはどこなんでしょう? そして僕は死んだはずだと思うのですが・・・? あと、あなたは一体・・・?」
?「ここはお前の思ってる通りの場所だ、この場所に名前なんかないけどな ククク」
目の前の黒い騎士は薄笑いしながら続ける
?「そしてお前は死んだ。そしてこの俺様、ガリアがお前をここに呼んでやったってわけ。 まぁお前のところで言う悪魔とか死神とかそっち系だな」
死んだんだよな・・・? 悪魔?死神? 頭の中がグルグルしてきた。
ガリア「お前自分が最後に何願ったのか覚えてるか?」
俺が最後に願ったのは俺をイジメくるような奴らをぶっ殺せる力が欲しい・・・?だった気がする
ガリア「そうだ、力が欲しいとお前は願ったはずだ。 どうやらずっと前からやられっぱなしだったんだろう?お前は。 お前みたいなやつに力を持たせたらきっと毎日楽しくて楽しくて仕方ないだろう」
考えていることを読まれているようだ。そして黒い騎士は続ける。
ガリア「あれだけ我慢して報われないのはおかしいよなぁ? 毎日暴力振られてよぉ。」
それはそうだ、俺だって毎日いじめられたくて学校に行くわけでもないしむしろこんなにつらいのなら学校だって行きたくなかった。 なんで自分だけがこんな目に合わなきゃいけないのか、なんで周りの奴らは俺を助けてくれないのか、どうして俺だけが不幸なんだ。。。 ずっとずっと考えていたことがあった。
ガリア「せっかく生きてるんだから人生楽しまないと損だと思わないか? お前があまりにも可哀そうだから俺様がお前の人生を変えてやろうってわけ。 どうだ?良い話だろぉ? ククク」
ガリアはそう笑いながら俺に話しかけてくる。
実際俺はもう自分の人生にうんざりだし変われるなら変わりたい、ガリアの言葉に乗ってみるのも悪くないような気がする。 どうせ俺死んだしな。