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プロローグ


 


 ?「おい琉偉! 金持ってきたか?」

 


 一人の少年が校舎の裏で三人に囲まれている。 彼の名前は金澤かなさわ 琉偉るい 美桜高校に通う一年生だ。

 


 琉偉「お金はもうたくさん渡しただろ! それにこれで最後だってこの間言ってたじゃないか!!」

 


 琉偉は恐怖にかられながらも勇気を振り絞って大きな声を出す。



 ?「こんなに美味しい思いできるのに最後なわけねーだろばーか。 金がねーなら仕方ねーな、ちょっとサンドバッグになってもらって本当に金がねーか調べさせてもらうか。 最近ストレスやばくてさー ぎゃははは」 



 そう笑いながら、彼等はクラッキングしながら少しづつ琉偉に近づいていく。 



 琉偉「やめろ、来るな」



 それでも彼らはニヤニヤしながら近づいてくる。 

 

 あぁーまただ、また俺はこいつらに暴力を振るわれ絶望を味わうんだ。 もうこんな思いしたくない。。。 目を閉じてそんなことを思っていると腹部と足に強烈な痛みが襲い掛かり俺は倒れた。


 

 ?「チッ、こいつ本当に少ししか金もってねーじゃねぇか。 本当にしょうもねぇやつだな」

 


 琉偉の財布からお金を取ると彼等は楽しそうに雑談しながらどこかに歩いて行った。


 

 琉偉「あーあ、なんで俺って毎回こんなツイてねぇんだろうな」



 一人その場に残され、お腹の痛みに耐えながらそうつぶやく琉偉。 



 琉偉「マジで痛ぇ。。。」



 学校でも特に目立たず誰からもあまり相手にされない俺はあいつらみたいな頭がハッピーな連中には格好の獲物であり標的だろう。 そして入学からまだ3カ月しかたってないというのにこの状況はどう考えても最悪以外の言葉が見つからない。



 琉偉「何とか家まで帰るか。。しかしあいつら本当に容赦ねぇな」



 土がついた制服を手で払いながら涙目で痛みをこらえながら立ち上がる。 毎回やられているとはいえ全然慣れないし痛いものは痛いのだ。



 琉偉「もう死のうかな」



 家まであと少しというところでぽつりと口から出た言葉。 学校では友達もできず彼女もできずおまけに不良というか陽キャの連中に毎日いじめられ、先生達は見て見ぬふり。 誰も頼れないしむしろここまで耐えてきた自分を褒めたい位だ。



 琉偉「ただいま」



 誰もいないアパートはただただ寂しい。 高校デビューとともに家を追い出され遠い土地に来てからというものまともに誰かと話した記憶がない。



 琉偉「はぁ、、、これからもずっとこうやって毎日痛い思いして疲れて帰ってくるのはもううんざりだ」



 涙を流しながらそうつぶやくとベッドの後ろにあるクローゼットからロープを取り出した。 このロープは一カ月前に買っていて、学校から帰宅するたびにロープの事が頭に浮かんでいた。 毎日毎日いじめられ彼の神経はもう擦り切れていた。 あいつらに復讐してから死んでやろうといつもいつも考えていたがそんなこともできないくらいに余裕はなくなっていた。


 そばにある机の下にロープを張りゆっくりと首にかける。



 琉偉「もし次生まれ変われるならあんな奴らをぶっ殺せる力を持って生まれますように。。。」



 悲しくも僕の高校生活はここで終わってしまった。

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