表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

いちご狩り

作者: あめ

はじめまして。

小説という小説ではないような気もしますが、気にせず閲覧いただけると幸いです。

私はいちごが大好き。

私は小さい頃からいちご狩りをよくしていたの。

なぜって?

それはね、私が小さい頃にパパから教えてもらったの。それからいちご狩りが好きになったの。

真っ赤ないちごってとても綺麗なの。

とっても…とっても綺麗な色をしていたの。


最初はあまり好きじゃなかったの。

だって、私からもいちごが出るんだもの。

最初はびっくりしちゃったもん。

どうしていちごが出てくるのかって。

でも、ママに聞いたら、それはおめでたいことなのよって教えてくれたの。

お母さんからもいちごは出るし、あなた自身もいちごなのよってね。

そんなママはね、いちご狩りに行ったあと、帰って来なかったの。

私は泣いちゃったけど、パパが慰めてくれた。

その後、パパはいちご狩りを私に教えてくれた。

私は最初分からなかった。

いちご狩りは楽しいのかって。

でも、そうしないと生きられないこともあるんだよ、って教えられたの。

だから私はたくさんのいちごを狩ったの。

いつの間にか、私自身もいちごで染まった気がしたわ。

その内、いちご狩りは私にとって、最高の楽しみになったの。

パパもいちご狩りをしていたけど、私より多くいちごを狩ることはなかったみたい。


少し大きくなってから、私はパパに、ママはどうしてるのかなって聞いたの。

パパは大きなため息をついて、こう言ったの。

ママもいちごになってるんじゃないかなって。

私は少し驚いちゃった。

でも、私はそれが自然だって思ってたから、あまり悲しくはならなかったわ。


ある日、パパは突然いなくなった。

必死に探したけど、家にもいなかったし、近くでも見なかった。

でも、私はママと同じなのかなって思ったの。

それからは私はいちご狩りを一人でやり続けたの。

そしたら、あなた達が急に家に来るんだもん。

私びっくりしちゃった。


─お前は自覚がないのか?


ん?

何がおかしいの?


─お前は本気で"いちご"を狩ってる気でいるのか?


おかしいの?

あなた達だっていちごを狩ってるじゃない!


─どういうことだ?


あなた達も生きるためにいちごを狩ってるじゃない!

私は何もおかしくないわよ。


─なぜそう言いきれる!お前がやっていることは何一つ正しくはない!


─まあそう怒るな、我々とは思考回路が違うんだよ、いくら言ったところで変わらんさ。


─し、しかし…


ねぇねぇ。


─…なんだ。


あなた達のいちご狩りって楽しい?


─え?


私にはあなた達の基準がわからないわ。

どうして私と同じいちごを狩ってるのに、私は悪い人なの?

でもあなた達はいちごを狩ってるのにいい人って言われてる。

もしかすると、私のいちご狩りは楽しくないのかもしれないのかな…。


─君の目線で言うなら…そうだな…決して我々は楽しむためにいちごを狩ってる訳じゃないんだよ。生きるために、我々はいちご狩りをしている。


結局同じじゃない!何が違うの!?


─おい、そろそろまずいぞ、尋問するだけ無駄だ。


─そうだな、いくら手足を縛っているとはいえ、何をしだすか分からんからな。


何?

あなた達がいちご狩りが怖いの?


─なぜ君は怖くないんだ?


うーん…

そんなの分かんないよ…


─もういい。檻に連れていけ。


もう終わり?

やったー!


─待て待て、何も解放するとは言ってないぞ。


えー…いちご狩りに行きたいのにー。


─くっ…こいつ、死刑判決でも下るんじゃないか?


─おいおい、あまり大きな声でそんなことを言うな…!


─あ、あぁ…すまない…。


あ!

いい事思いついた!


─な、なんだ…?


いちご狩りに行けないなら、ここでいちご狩りをすればいいんだ!


─なにを…そんなことできるはずが…!?


─待て!!どうして手の縄が…!!


えへへー…パパに教えてもらったんだ!


─まずい!!早く彼女を捕らえろ!!


─逃がすな!危険なら威嚇用の銃を使っても構わん!


─し、しかし、それは…


─ぐだぐだしてる場合か!相手は話の通じない殺人鬼だぞ!!


久しぶりのいちご狩りだー!!!!!


─ぐわぁッ!!


─お、おい、大丈夫かッ!?


─首をあっさりと…凶器を持ってるのか!?


─ま、まさか…そんなことはないはずだ!


─だ、だとすれば…手刀…なのか…!?


─嘘をつくな!さすがにそんな力はないだろ!?


─話してる場合か!!!来るぞ!!!!


あはははははは!!!!

楽しいなあ!!!!!


─ぐわぁっ!!


─うごぉッ!!!


─チッ…どうする…?


考える暇なんてあるの?

久しぶりのいちご狩りだから腕が鳴るなぁ…!!


─上官に回せ!!No.92483が暴走した!!!急げ!!!


─回線繋げ!繋げ!奴に殺られる前に!!せめて!!


─うわああああああああ!!!


─もう来たのか!?


─扉を…!扉を閉めろ…




はー…もういちご狩り終わっちゃったー。

でも久しぶりだったから楽しかったなぁ…

たくさんのいちごが見れて良かったー!


─…ら…こちら…


あれ?

まだいちごが残ってたんだ?


─…!?


これでここら辺のいちごは最後かな?


─待て…待ってくれ!


うん?


─君はNo.92483だな!??


まあ、なんかそう言われてるみたいね。

何か言いたい事があるの?


─あ、あぁ…君の両親の話だ…


パパと…ママの?


─そうだ、君が両親の復讐で動いてるのは分かってる、だから…!!


どうして?


─ど、どうしてって…君は気にならないのか!?



─どうなんだ?


…どうして?


─え?


パパとママなんて関係ないよ?


─い、いやそうかもしれないが…


ふくしゅくとか、私よくわからないから!!


─え!?い、いやだとしても君には伝えるべきことがあるんだ!


ふーん…?


─君の両親はまだ生きている…そして君に更正して欲しいと願っt…


ねぇねぇ、あなたはどれだけいちごを狩ってきたの?


─え?


今さっきの人達に聞こうと思ってて忘れてたから、せっかくなら聞こうと思って!


─あ、え、いや、私は…


そうやってみんな否定する…

なんで!?

あなた達もいちごを狩ってるはずだよ!?


─待て、私には話が理解出来ない!いちご!?なぜいちごなんだ!?


なんでって…

知らない。


─え?


さっきからおじさんずっとえ?って言ってる…

あははは…!

おじさんは狩りがいがありそうだね!


─待ってくれ!まだ私は─




楽しかった…!

また狩れる日が来ると思うと楽しみだなー!




彼女はいちごを纏った。

わずか一瞬の出来事であった。


彼女をいちごまみれにした我々もまたいちご狩りのメンバーなのだ。

我々はいつになればいちごを狩らずにすむのか。


無理な話だ。

我々はそうしないと生きられないのだ。



西暦▒▒▒▒▒年 6月 19日


担当 対社会不適合者治安維持部 人事担当 ▒▒▒▒▒



ところどころ血で見えにくいところがある。

私がまともにいちごを口に入れられる日は少し遠そうだ。

内容はわかりやすくはしているつもりですが、わからなければ想像におまかせということで…

いちご大好きな方、本当に申し訳ありませんでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ