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まおー様は自重してっ!!  作者: 聖 龍也
第一章(異世界にきちゃいました。ダンジョンを開発しましょう。)
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第5話 ダンジョンに戻れ…ません

更新遅れて申し訳ありません。時間がもっと欲しい…orz

 とにかく、俺のプライバシーの権利は確保されそうなので安心した。

そう言えば個別通話って声に出さなくてもできるんじゃね…?

「っ…。」

おいこら…。お前今明らかに動揺しただろ…?

「気のせいです。勘ぐり過ぎですよ。」

視覚、聴覚と同じように思考も共有されているようだな。

俺がわかりやすいんじゃなくて、思考を見てやがったな…。

「ちっ…。」

そこで舌打ちするのもどうかと思うぞ?

「私の楽しみが一つ潰されてしまいましたのでつい…。」

ケイがなんだか悔しそうにしてるな。まぁ個別通話は声に出さなくても言いということと、思考もその気になれば切断可能と言うことがわかっただけでもいいか。

「いえ、私の楽しみが一つ無くなることはとても重大なことですよ!?」

知るかそんなもん…。




 とりあえずエドガー一家を連れてダンジョンの攻略、住居へ招くことをケイに伝える。

「そのドワーフ一家を引き連れてとなると、50階に到達するのには丸一日かかりそうですね。」

俺とエドガーだけならいいが、奥さんと子供2人が歩く速度に合わせるとなるとどうしても時間がかかるから仕方がないか。

「ダンジョンのマップデータは今から送るので道順は問題ないですし、覇気を使えばダンジョンの各階のボス以外は無視できますので使うのがよろしいかと。ボスに関しても魔王様から見れば赤子同然なので心配はありませんね。」

そういうとケイからメールが送られ、ダンジョンのミニマップが視界の隅に表示できるようになった。拡大縮小が思うだけでできるから楽だなこれは。

「嬢ちゃんどうした?」

おっと。ケイとの会話に夢中になっていたな。傍から見れば呆けている様に見えてしまうか。

「いえ、拠点の仲間に連絡をしていましたので。エドガーたちを受け入れるのに問題はないようだ。」

「そうか、助かる。ここから遠いのか?」

「ここから大体1日くらいかな。そんなに危険はなさそうなので心配は要らないよ。」

「嬢ちゃんが危険っていうものがそうそうあるようには思えんがな…。」

まぁ俺より危険なものはまずないだろうな…。



 「では行きますか。ついてきてね。」

エドガーたちを先導し、世界樹のあるほうに歩き始める。

「嬢ちゃんはとんでもなく強いんだな。もしかしてAランクの冒険者か?」

「冒険者?それってなんです?」

ラノベでは異世界にはほぼ必ず冒険者とか、冒険者ギルドって言うのが出てくるが、ここにもあるのかな?

「普通子供でも知っているはずなんだが…。嬢ちゃん今まで何処に住んでいたんだ?」

「森の奥に住んでいて世間には疎いものなんで…。」

住処であるダンジョンは森の中にあるし、いきなりこの世界に飛ばされてこちらの世間なんて知らないし嘘は言ってないだろう。

「そうか。冒険者って言うのは冒険者ギルドに所属している奴の総称でな。」

歩きながらエドガーは色々説明してくれた。要約するとこんな感じかな。


・冒険者ギルドに登録すると冒険者を名乗れる。

・冒険者ギルドに依頼されたクエストを冒険者が受けることができ、クリアすると報酬がもらえる。

・受けれるクエストはその冒険者のランクによって異なる。

・冒険者はGからSまでのランクがある。

・規定の実力を備え、一定数のクエストや、規定のクエストをクリアするとランクを上げることができる。

・ランクが上がるとさまざまな恩恵を受ける事ができる。


 重要なのはこのくらいか。大体想像してたのと同じだな。

「冒険者に対して思う所がなければとりあえず所属しておいたほうがいいぞ。ギルドカードは身分証明書になるしな。」

冒険者ギルドは国を跨いだ組織になるようで、ギルドが発行するカードは身分証明書になるくらい信頼の高いものらしい。

冒険者ギルドの他にも商業ギルドや傭兵ギルドなどあるようだが、こちらは国毎だったり街毎で組織されているようで規模としては大きくないようだ。

「それならそのうち街で所属だけするのも手かな。」

「それがいいぞ。俺でも持っているからな。」

そう言うとエドガーがギルドカードを見せてくれた。青い半透明のクレジットカードみたいだな。

ただタブレットのように画面を切り替えることができるようでかなり便利そうだ。

「ちなみにキャッシュカードとしても使えるから悪用したら指名手配されるぞ。」

クレジットカードみたいと思っていたらキャッシュカードらしい。ハイテクだな・・・。

「それだとギルドカードを盗まれると大変じゃない?」

「ギルドカードは本人の魔力じゃないと機能しないからな。盗んだ所で使い道はないが、再発行するのに手間はかかるな。」

どうやら個々の魔力を識別できるようだ。ゲームの時よりも相当魔法技術は進んでいるのかな。

「凄い技術だねぇ。考えた人相当の天才じゃない?」

「いや、今は失われた技術で作られているらしくてな。作るというよりも模写しているそうだぞ。」

コピペかい…。これは実際街に行って今の技術とか見たほうがよさそうだ。





 いつか街に遊びに…、もとい調査に行こうと考えていると金属がぶつかる音が盛りに響いた。

「なんだ…?盗賊か?」

まだ生き残りがいたのか、それとも他の盗賊団か判らないが用心したほうがよさそうだ。

いや、探知使えばいいんじゃね…?

探知を発動されると、ここからそう離れていない場所に5つの反応があり、うち3つが赤いマーカーで、残り2つが黄色いマーカーになっていた。

ゲームだと赤は敵対勢力で・・・黄色が中立だったはずだが、先ほどの盗賊達は赤いマーカーで示されていたので盗賊が3人いると考えたほうがいいだろう。

「音の発生源に恐らく盗賊と思われる人物が3人と、身元不明の2人がいるみたいかな。」

「嬢ちゃん離れていても相手を特定できるのか…。凄いな…。」

エドガーが呆れた表情で話しかけてきたが、これどうしようかな。

「まあそういうスキル持っていますので。身元不明の2人はドワーフではないようですがどうします?」

エドガーの奥さんと子供を見ながら問いかける。助けに行くこともできるがその分こちらに危険に陥る可能性も否めない。

「嬢ちゃんは助けたいんだろ?ならわし達を気にすることなく助けるほうがいい。」

エドガーは腕を曲げて力瘤を作って見せたが、あんた少し前に死にかけたんだからな…?

「わかった。でも無理はするなよ?」

「おぅ!」

それじゃ行くか。ブーストを発動し、音の発生源へ森の中を駆け抜けていく。そう離れていないし今回は目印なくても大丈夫だな。




「見えたっ!」

盗賊らしき3人の男が視界に入り、刀を鞘から引き抜こうとしたんだが…。身元不明の1人と1匹をを見て思わず俺は固まってしまった。

2人かと思っていたんだが、まさか大蟻系の魔物と蟻人族の少女だったとはな…。想定外だよ。

「これは…。どっちに加勢するべきかな…?」

小首をかしげながら呟く。盗賊に加勢するのもあれだし…。蟻達に加勢するのもどうなんだこれ…?

そう思って盗賊達と蟻達を見ていると、大蟻は脚が何本か欠けていて動けないらしく、蟻人の少女は大蟻を守っているようだ。

その蟻人の少女も盗賊の攻撃をかばったのか傷だらけで痛々しい姿をしていた。

 うん、ここはやっぱ女の子は大事にしないといけないよな。蟻達に攻撃されたら・・・その時にまた考えよう。

「とりあえず盗賊さんはご退場願いますね。」

そう言い放ち、瞬時に盗賊達に接近して首を切り落とした。

「っ…!?」

蟻人の少女が槍を握ったまま驚きの表情で固まっている。まぁいきなり目の前で戦っていた相手が瞬殺されたら誰だって驚くわな。

刀を鞘に納め、無造作に少女に近づく。

「怪我をしているようだけど大丈夫?」

「くっ・・・くるなっ!?」

少女は槍を突き出して威嚇する。まぁ警戒するのは当たり前なんだろうが…、膝が笑ってるぞ…?

「無理しないほうがいいわよ。貴方も後ろの子も酷い怪我のようだし…。」

本来なら話しながら警戒を解くほうがいいのだが、少女の怪我よりも後ろの大蟻の怪我が酷そうだ。ちょっと時間かけている場合じゃないな。

「ちょっとごめんなさいね。」

そう言い、一気に少女に接近する。

「ひいっ!?」

小さな悲鳴を上げ、槍で突いてきた。殺気はないし思わず手を出してしまったみたいだな。

暴れられそうだし一度拘束するか。そう決めて槍の穂先を掴んで握り、あえて自らの防御力を下げて槍の先を手の肉に食い込ませ、血を流す。

「あっ…。あっ…。」

「ほら・・・。もう誰も貴方を傷つけることはしないわよ。後の子を守っていたのよね。よく頑張ったね…。」

空いている腕で少女を抱きしめ、優しく声をかける。

「うっ…。うっ…。うわあぁぁぁぁん!」

落ち着かせようと思ったのに泣いちゃったよ。

「泣かない泣かない…。いい子いいこ…。」

手から槍を引き抜き、抱き寄せて背中を撫でる。ついでに回復も今しちゃうか。

「エクスヒール」

通常よりも多めに魔力を込めると、俺と少女と大蟻の傷が回復した。大蟻の欠損した脚も元に戻っているようだ。

欠損したらもしかしたら戻らないかもと思ったが、魔力を込めると威力が上がったり、範囲が広がることからゲームよりも使い勝手よくなってるな。

「ひっく…。ひっく…うえぇぇんっ…。」

怪我は治したからいいが、この子泣き止まないしどうしよう…?

誤字脱字の指摘、質問や感想お待ちしております。

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