第11話 娼館での朝と初クエスト受注
何とか投稿できました…。
「ふあぁぁっ…。」
窓の隙間から朝日が差し込み俺は目覚めた。
そういえば昨日は娼館で寝たんだっけな…。客は取ってないぞ?
寝巻きから冒険者の格好に着替えて俺は厨房へと向かった。
「あ…。おはようございます!昨日はありがとうございました!」
厨房に入るとミーシャが既に朝食の準備を終えていた。
「おはよう、体の調子はどう?」
「全然問題ないです。本当にありがとうございました!」
ミーシャは深々と頭を下げて俺に礼をする。
昨夜はよく見てなかったが、この子人族ではないようだ。頭に猫耳、お尻に尻尾がついているしな。
「気にしなくても大丈夫よ。レオナさんはまだ寝ているのかしら?」
「レオナ姉さんはここには住んでいなくて、近くのアパートに住んでいますよ。」
どうやらレオナはここには住んでいないようだ。何か事情があるのだろうが気にする事ではないか。
「あの…!昨日のお礼に朝ごはん作りましたのでどうぞ!」
ミーシャは緊張しながら自分で作ったであろうサンドウィッチを俺に差し出してきた。
「ありがとう。じゃあ一緒に食べましょう。」
「はいっ!」
こうして俺はミーシャと共に少し早い朝食を一緒にとった。
「ではレオナさんによろしくね。」
「はい。また来てくださいねー!」
ミーシャに挨拶をすると俺は宿を出てメインストリートの方向へ歩き出した。
そういやアニマ商会で宿を用意していると言われていたのに別の所で泊まっちゃったな。まずは商会のほうに顔を出すか。
メインストリートに出る前の裏道に入り、俺はアニマ商会本館の裏へ転移をした。
「おはようございます。クルムはいますか?」
アニマ商会本館の中に入り、受付の女性に声を掛ける。
「えっと…。」
「レイ様!?昨日ご連絡がつかないので心配しておりましたよ!」
受付の女性の言葉を遮るようにクルムが駆け寄ってきた。
「ちょっと昨日は色々ありましたのでね。」
「なんでもグリード団に目を付けられたとか…。本当にご無事でよかった…。」
クルムは安堵してため息をつく。っていうか冒険者ギルドでの件知っていたのか。
「我々は商人ですからね。情報に関しては鋭いですよ。」
なるほど…。なら領主の件も一応聞いておいたほうがよさそうだな。
「ちょっと伺いたい事があるのですが、セバスさんは今いらっしゃいますか?」
「セバス様ですか。この時間ならまだ執務室にいらっしゃるかと思いますのでお時間あるかどうか聞いてきます。」
「その必要はないぞ。クルムもレイ殿も私の部屋へ来なさい。」
いつの間にか背後にセバスが立っていた。
「ではお言葉に甘えて…。いきましょうか。」
セバスの後に続いて俺とクルムは執務室へと向かった。
「ふむ…。確かにそういった噂はあるが…、証拠がないというよりも調べようがないというのが現状だな。」
セバスの部屋に着き、ソファーに座ると俺はフォレスタ領主とその息子であるランスロットの噂について問いただした。
「まぁ調べようと思っても相手は領主様一族ですし調べる事は難しいというのもありますね。」
クルムがセバスの言葉を補足するように言ってくる。
「ただ先日の一件で目をつけられた可能性はある。十分気をつけたほうがいいな。」
セバスもグリード団とのいざこざについて知っていたらしく、俺のことを心配するように忠告してくる。
「ええ、お気遣いありがとうございます。」
領主とランスロットの噂については恐らく黒だろう。今の所カンだけどな。
「レイ様。今日のご予定は?できれば連絡のつくようにしていただけるとありがたいのですが…。」
そういや昨日は無断で別の宿に泊まったんだったな。今日はクルムたちに世話になったほうがいいだろう。
「今日は昨日お世話になった方へのお礼と、冒険者ギルドにクエストを見に行くくらいですかね。今日はちゃんとこちらの
宿に戻りますよ。」
「判りました。御用がある際はこちらに足を運んでいただくか宿に言伝を残してください。私達も用がある際は宿に向かいますので。」
「判りました。」
ダンジョンの面々と同じように通信できれば楽なのだが…。あ…。そう言えばあいつ等に連絡するって言ったけど一度もしてないな…。
「それとレイ殿。商人ギルド証ができたから渡すぞ。」
「ありがとうございます。」
ダンジョンの面々への連絡は後でいいかと思いながらギルド証を受け取り、俺はアニマ商会本部を後にした。
「あっ!レイさんおはようございます!」
冒険者ギルドの建物に入りクエスト掲示板を見ていると後ろから声を掛けられた。
誰かと思ったら受付嬢のアニーだな。
「おはようございます。今日は登録受付係りではないのです?」
「ええ。今日はクエスト受付係りですよ。」
どうやら受付は日替わりで行っているようだな。
「それよりもレイさん聞きましたよ!いきなりDランクですって!」
ここの個人情報はかなり緩いようだ…。そんな簡単に人のランクの話が出回るものなのか…。
「レイさんは特別ですよ。っていうかあれだけ暴れておいて話に上がらないほうが不自然です!」
どうやら昨日の一件は悪い意味で人目を引いたようだな。まぁ不可抗力だな。うん。
「まぁあれは私だけのせいじゃないですから。それよりもこの【薬草採取】のクエスト受けてもよろしいですか?」
クエスト掲示板の隅に常時受付中と書いてあった薬草採取のクエストを指差してアニーに尋ねる。
「ええ。薬草は随時募集していますので向こうにある納品所に薬草10本納めていただければクエスト達成ですよ。もちろん10本以上納品していただいても構いませんが納品は10本単位でしか受け付けていないですね。」
つまりクエストを受けなくても薬草を持っていけばクエスト達成になるそうだ。
「でもレイさんはDランクですしもっといいクエストありますよ?これなんかどうです?」
そういうとアニーはクエスト掲示板に張ってある一枚の紙を剥がして俺に差し出してきた。
「どれどれ…。フォレスタウルフの討伐ですか…。」
「ええ。レイさんの腕なら問題なくかれると思いますし、Dランクの依頼の中では報酬もいいほうですよ。」
そういやクルムを助けた時に狼いたっけな。あの位なら楽に狩れるが…。
「報酬はいいですけど、まだ昨日冒険者になったばかりですしまずは薬草採取でクエストの流れを体験してからこちらは受けますよ。」
そういうと俺はフォレスタウルフのクエストの紙をアニーに返却した。
「普通の冒険者なら喜んで受け取りそうですけど…。レイさんは慎重なんですね。いい冒険者になりますよ!」
アニーが言うにはランクが上がると調子に乗って無茶をする冒険者は少なくないそうだ。
だから俺を試すためにフォレスタウルフの討伐を持ちかけたらしい。
「まぁゆっくりとやっていきますよ。それではまた後ほど…。」
「はい。お気をつけていってらっしゃい!」
アニーに見送られ、俺は冒険者ギルドを後にした。
「おはようございますレオナさん。」
娼館に足を運ぶと、娼館の前の通りをレオナが箒で掃除をしていた。
「おはよう。昨日はよく眠れたかい?」
「ええ。おかげさまで。」
「今日は変なのにつけられていないようだね。だからといって無茶はするんじゃないよ?」
「はは…。まぁ善処はしますよ。それとこれ昨日のお礼です。」
俺はレオナにナイフを1本手渡した。先日露店で買った5本のうちの1本だ。
「ん…?普通の鋼鉄製のナイフではない…?」
レオナはナイフをじっくり見ているがただのナイフではないことに気づいたようだ。
「先ほどナイフに魔術を付加しましたので。切れ味と耐久性をあげてあるので使い勝手はいいですよ。」
「へぇ。ありがたいけど本当にいいのかい?昨日の治癒魔法の事といい夜食の事といい世話になりっぱなしなんだけど。」
まぁ付加魔術は試しにやってみたってもんだし、ナイフも今の所使う予定はないし知り合いに使ってもらったほうがいいだろう。
「ええ。折角お友達になりましたのでそのお礼ですよ。」
こっちのほうが本音だったりするんだけどね。
「じゃあありがたく貰っておくよ。」
レオナは礼を言うと腰のベルトにナイフの鞘を掛けた。
「では私はクエストを消化しに行きますのでこれで…。」
「ああ。気をつけていっておいで。無茶はするんじゃないよ!」
レオナの激励を背に受け、俺は森へ向かうために街の入り口へと向かった。
初クエストはやっぱり薬草採取ですよね?
え?ゴブリン討伐だって?




