第21話 世界樹のダンジョンを攻略しましょう(中編)
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(投稿時間1時40分過ぎ)
世界樹のダンジョンの壁は蔦のようなもので覆われていてまるでジャングルの中の遺跡のような雰囲気になっていた。
「ちょっと不気味だな…。まぁ襲ってくる奴が居ないからいいんだが。」
蔦の所々に光る花が咲いているが、それでも薄暗い。もし待ち伏せとかされたら危険だろうな。
そんな事を考えながら通路を飛んで進んでいく。しばらく進むと大きめの部屋に出て、その先に階段があった。
「ボスは…。いないようだな。配置してないのかな?」
部屋の隅々を注意深く観察してみる。しかし何もいなかった。
「ボスはいないようだし、このまま一気に進むよ。」
皆で一気に階段を上っていった。
「ふむ…。雑魚を寄せ付けないとは思った以上に力がある様だの…。」
世界樹のダンジョンマスターは楽しげに笑う。
「余り強力なボスを配置してここまで来れないのもつまらんな。10階ごとに配置してみるかの。」
そういいながら、ダンジョンマスターは手をかざして魔力を解き放つ。
「ふふ…。簡単に全滅しないでおくれよ。」
2階、3階、4階とダンジョンを上っていてもボスはいなかった。本当に配置していないようだ。
「ねぇ。ここまで何もいないと逆に不気味なんだけど…。」
「ああ…。確かにここまでボスがいないのは何か考えがあるのか…。それとも何も考えてないのか…。」
何も考えてないって事はないのだろうが、やっぱ気になるな。
「でも今は進むしかないな。一応気をつけてね。」
皆に注意するように声を掛ける。しかし5階にもボスはいなかった。
「そういえばこの世界樹のダンジョンは何階まであるのですか?」
レーヌが隣で飛びながら聞いてくる。そういえば何階まであるんだろうな…。
(世界樹の幹の高さは2kmで、1階につき10m前後ですので大体200階ですね。)
ケイが世界樹の高さから何階あるかを予想してくれたが…。そんなにあるのか…。
「大体200階くらいらしいわよ?」
「ちょっと!そんなにあるの!?」
シュリが驚いて声を荒げるが、俺も驚いたぞ。
「私も驚いたけど…。途中でどこか近道見つけないと時間がかかりすぎるわね…。」
いっそ飛べないかな…?でも皆が付いて来れないからなぁ・・・。
10階に辿り着くとそこは迷路ではなく、大きな1つの部屋になっていた。
「このパターンは…。ボスかっ!皆下がれっ!」
俺は叫ぶと同時に障壁を張る。その直後、障壁に高温の炎が襲い掛かる。
「っ…!何なのよあれはっ!?」
炎が途切れ、俺たちの視線の先には炎を纏った大きな蜥蜴が口を開けて威嚇していた。
「サラマンダー!?なんでこんな所に!?」
シュリが驚愕の表情を浮かべながら叫ぶ。シュリたちは炎には強くないし、世界樹の中なので逃げ場もなければ世界樹の壁自体が燃えかねない。それに破棄による威圧が利いていないらしい。
「くっ…。アンチファイア!」
俺は咄嗟に炎耐性を上げる魔法を皆に掛ける。これで即死する事はないはずだ。
「紫電一閃!」
俺はインベントリから紫電を取り出し、そのまま切りかかる。
するとサラマンダーはその体を炎に変え、斬撃をやり過ごす。
「ゴアアァァァァァッ!」
反撃とばかりにサラマンダーが爪で引き裂こうと腕を振るう。
「はぁぁっ!」
サラマンダーの爪をかわし、懐に入った俺は拳でサラマンダーの腹を殴りつける。
しかし殴った抵抗はなく、腕の周りに炎がまとわり付いているだけであった。
「やはり物理は効かないか。ならばっ!」
俺は炎に包まれた腕をさらに突き出し、魔力を拳に集める。
「これならどうだっ!フロストバーン!」
フロストバーンは氷と炎の融合魔法で、巨大な氷塊を爆発させ、氷の飛礫と爆風でダメージを与える範囲魔法である。
それをサラマンダーの体内で発動させた。
爆音が轟き、俺とサラマンダーは水蒸気に包まれて見えなくなった。
「っ…!」
あの人が私達に魔法をかけると、すぐさまサラマンダーに挑みかかった。
私も加勢したかったが…。種族がら力は弱く、しかも王女で先頭の経験は皆無で体は動いてくれなかった。
サラマンダーに切りかかるが、サラマンダーは意に介さず爪を振るう。あの人の命を奪うために。
「危ないっ!」
聞こえるはずはないのだが、私は思わず叫んでしまった。
すると彼女はサラマンダーの爪をかわし、懐にもぐりこんだ。
「そんな…。だめっ!」
サラマンダーは言わば炎の固まりだ。そんな存在に近づけば誰だって無事ではすまない。
そう思った直後、サラマンダーが大爆発を起こし、辺りが煙に包まれて見えなくなった。
「そんな…。いやあぁぁぁぁぁ!?」
世界樹のダンジョンの中に私の悲鳴が響いた。
「ふむ…。まさかこれで終わりかの…?」
頬に手を当て、ダンジョンマスターはつまらなそうに呟く。
「もっと骨のある奴かと思ったのだがの。でもこれで生きておれば…かなり楽しめそうだの。」
ここ数百年。戦闘で自分を追い詰めた奴はいない。いや魔王と呼ばれる者はそれなりに楽しめたか。
「魔王とは決着が付かなかったからの。奴ほどの力を望むのは少々厳しすぎたかの?」
その問いに答えるものは誰もいない。
「まぁ…。これで終わらないでおくれよ小娘…。」
そう言い残し、ダンジョンマスターは再び影に潜った。
まぁここで終わる主人公じゃないのですが、シュリがよく叫ぶ子ですね。
表情豊かでいい事です。




