第19話 蜂人族一行ご案内~
今日中にもう1話は書きたい!でも時間が…orz
「それで…。貴女は何者ですか…?私達に害意を与えるものではなさそうですが…。」
蜂人族の女王が俺に問いかける。まぁいきなり村の窮地に現れて盗賊を皆殺しにし、瀕死の者の怪我を治す奴なんて怪しい事この上ないよな。
「私はこの森に住んでいる者で…。それで…。」
軽く自己紹介と、自分の住処の近くにこの村の女性が怪我をして倒れており、助けを求められたので願いを受けてここにやってきたと伝えた。
「この方が言ってる事は本当です。酷い怪我を負ってしまって…。もう助からないとばかり思っていましたから…。」
ダンジョン付近で助けた女性が女王に歩み寄り、女王に報告する。
「そうですか…。私はてっきり女神様が光臨なされたのかと…。」
おぃおぃ…。女神ってそりゃないだろう…。
それはないって言うと思いっきり食いつかれた。
「村の窮地に颯爽と現れて私達を救ってくださったんですもの!それにその美しいお姿!救世主か女神様と言われても私達は疑いませんよ!」
女王は俺の手を撮り握ってそう熱弁する。背後の村人達も頷いてるし、一部じゃ手を組んで拝んでいるよ…。
俺魔王なのにな…。
「それで…。今後はどうなさるおつもりですか…?村を再建するにしてもこの有様じゃ…。」
村は焼き払われ、無事な家屋は一つとしてない。食料なども俺が盗賊を狩っている時に炎が燃え移り灰になってしまったようだ。
「村を再建する事は難しいでしょう…。今回の騒動でこの場所が知られてしまったのでいつ襲われるか判りませんし…。」
煙が高く立ち上って遠くからでも見えたからな。あれでは他の盗賊たちからも見えてもおかしくはない。
これは蟻人族と同じように保護するか…?彼女達なら世界樹のダンジョンに丁度いいし…。
「これはあくまでも提案ですが、貴女達の全てを私に差し出すなら私は貴女達を守りますよ。」
蟻人族の皆と差をつける訳にはいかないからな。ただもうちょっとマシな言い方あればいいんだが…。
「私達はもうこの身以外何も残っておりませんが…。私達は貴女様に全てを捧げます。」
そう宣言すると女王を含め全ての者が俺に平伏した。
(って訳でケイ、少し人が増えるぞ。)
勝手に連れて帰ると怒られそうな気がしたのでケイに連絡を入れる。
(またですか…。私は構いませんが後でクイーンやアリスへのフォローはご自身でなさってくださいね?)
ケイは呆れた様子で返事してきた。アリス達に小言言われるのかな…。俺一応主人なんだが…。
(まぁそこはなんとかするよ。とりあえず蜂人族の皆は世界樹のダンジョンの頂上付近に村を作って住んで貰うよ。)
世界樹のダンジョンの頂上付近は確か巨大な洞があったはずなので、そこに村を作ればいいだろう。
「私の住処へ案内しますけど、準備はどのくらいかかりそうです?」
「荷物は殆ど焼けてしまったので、すぐにでも出発は可能です。」
女王は従者らしき人から報告を受け、俺に答える。
「それじゃ、いきましょうか。そういや貴女達って飛べますか?」
「ええ、全員飛べますよ。」
そう言うと女王は背中の羽をパタパタ羽ばたかせた。
蜂人族の背中には透明な翅が生えており、皆飛べるようだ。
ダンジョン付近で助けたときには翅は付いてなかったが、襲撃された時に取れてしまったのだろう。
まぁ今は付いていたので治癒魔法で再生したのだろうが…。気づかなかったな…。
「では空から行きましょうか。
そう言うと俺はインベントリから杖を取り出し、杖に跨って空へと飛び上がった。
「不思議なものを持っているのですね…。初めて見ましたよ。」
女王は俺の杖を見ながら興味津々に話し掛けてくる。
この杖は移動専用のもので、空を飛ぶって言ったらやっぱり魔女の杖だよね。ってことで作った。
「こういうのがあると便利だと思って作ったんだけど、それより…。」
女王よりも気になる事があった。女王は俺の右側で飛んでいるのだが、左側にはなぜか王女が飛んでいた。
「えっと…。何か…?」
そう王女に話しかけるのだが、顔を背けてしまう。なんか耳まで赤くなってるし…。
「あらあら…。素直にならないとだめよ?」
女王がからかうように言葉をかける。この女王はクイーンと違った意味で同種の匂いがするな…。
「なっ…!違うもん!物語の王子様みたいに助けてもらって好きになっちゃったとかじゃないもん!」
なんか盛大に誤爆している気がするし…しかもツンデレかよ!
とっさに出た自分の言葉を理解したのか、王女は顔を真っ赤にして頭から湯気を出していた。
「うぅ…。」
しまいには両手で顔を覆って恥ずかしがってるし…。まぁ可愛いから許す。
「まぁ娘さんを弄るのはそのくらいで…。私の棲家に付くまで多少時間かかりますので、その間に貴女達の事教えてくれます?」
話題は変えてあげたほうがいいだろう。そう思って女王に蜂人族についての話を伺う。
「ええ。私達は…。」
女王が言うには蜂人族というのはこういうことだそうだ。
・蟻人族と同じようにフェロモンにより個人の識別をしているため、名前を持たない。また女性しかいない。
・蜂人族の中にも幾つか種類があり、彼女達はその中でも弱いミツバチ型の蜂人である。
・たまに訪れる商人との交易があったため、人族と敵対する事は少ない。
大まかにはこんな感じだそうだ。人を襲わないって言うのには安心したな。
「商人と交易してたのですか。主にどんなものを売り買いしていたのですか?」
「私達が作った蜂蜜と森で取れる果物などを森で取れない食料とか生活雑貨と交換していましたよ。」
どうやら物々交換をしていたらしい。社交性は高そうだが、商売の駆け引きは苦手そうだな。
内容を聞くと商人ぼろ儲けじゃないか?とも思ったが本人達が納得しているならいいか。
「そうですか、私の住処でも蜂蜜を作ってもらうつもりでしたので丁度いいかな…?」
「はい、期待していてくださいね?」
確か世界樹の花からも蜜が取れたはずだからな。おいしそうだ…。じゅるっ…。
「そうだ。名前がないと呼びづらいのでとりあえず女王と王女には名前つけさせてもらってもいいかな?」
「いいですよ。よかったわね♪」
「っ!勝手にすればいいわ!」
女王は了承し、王女に話しかける。王女はまたそっぽを向いているが、頭の触角がぴこぴこ揺れているぞ?
でも名前か…。クイーンは使ってるからなぁ…。
「女王の名前はレーヌ。王女の名前はシュリでどうかしら…?」
あんまりいい考えが出なかったので思いつきで言ってみた。
「レーヌですか。いい名前ですね♪これからよろしくお願いします。」
「ふんっ。」
レーヌは気に入ったようで微笑み、シュリはまた顔を背けてしまったが小声で何度も名前を呼んでいた。嬉しいみたいだな。
「よろしくお願いするね。2人とも美人さんだから慕ってもらえて嬉しいよ。」
2人に限らず蜂人族の皆は美人揃いであった。蟻人族も働く女性って感じの美人が多いが、ここの蜂人族はどちらかと言うと可愛らしいのが多いな。
レーヌも体付きはふっくらしていて目も大きく丸くて子供を生んだようには見えない。胸も結構ある…。
シュリもレーヌに似ていて幼い印象を持ちながらも可愛らしい顔立ちで体付きはスリムだ。胸は…。今後に期待かな?
「っ!?何処見てるのよ!?」
シュリは俺の視線に気づいたのか両手で胸を隠すような仕草をする。こういうのには敏感だな…。
「あらあら…。ご主人様がよろしければ私が…♪」
そう言いながらレーヌが近寄ってくる。明らかにこれは…。
「なっ!?お母さんだめっ!」
シュリは叫びながら俺に抱きついてくる。ってか飛んでるんだから危ないぞ?
「あらあらあら♪」
やはりレーヌはからかっているだけみたいだ。ゆるふわな雰囲気がするのにクイーンと同種だな…。
「はぁ…。ほどほどにね?」
「ふふ♪でも御主人様がよければ本当に構いませんよ…?」
「もぉ!おかあさんったら!」
ため息をつくとレーヌは誘惑してくるし、シュリはより強く抱きついてくる。今後大変そうだな…。
「じゃれるのはそのくらいで、見えてきたよ。」
飛び立ったときには小さかった世界樹が既に目の前に迫っていた。
ツンデレ蜂人少女登場です。
からかい過ぎると物理的な意味で刺されます。蜂だけに…orz




