第17話 武具の素材選びとアリス専用装備
今日は休日なのでもう数話投稿できるといいな…。
「う~ん…。何にしようかなぁ。」
街作りがある程度目処がついた為、俺は資材倉庫へと足を運んだ。
何故資材倉庫へ来たかというと、エドガーに作ってもらう予定である蟻人族の皆のの武具の材料を決めるためだ。蟻人族の皆は大蟻の素材でできた槍や鎧を身につけていたが、金属系のものでも大丈夫だろう。
「わぁ…♪」
ケイの他にアリスも連れてきたのだが、大量に積まれている資材に瞳を輝かせている。
「強度的にはオリハルコンやヒヒロイカネ、アダマンタイン辺りがよいのでしょうが…。」
隣に居るケイが言いよどむ。この3種は最上級に位置する金属だが、エドガーに扱いきれるのか…?
「普通に考えれば無理でしょうね。私としては玉鋼とミスリルの合金が適当だと思います。」
「その辺が適当だよなぁ。じゃあ玉鋼とミスリル鋼と、あとはあとはウーツ鋼辺りでも送るか?」
玉鋼は鉄の中で最上位の金属で、ミスリルは玉鋼よりも強度は劣るが魔力との親和性が高い。なので魔法を使うことを考えるとある程度ミスリルを混ぜたほうが使い勝手はよいだろう。
ウーツ鋼はダマスカス鋼の原料で、金属なのによくしなるという特性がある。玉鋼とミスリルの合金に混ぜて折れ難くするのもありだし、柄の部分に使えば曲がりつつも折れない通常とは異なる槍を作る事もできるだろう。
「その3種でいいかと。ただエドガーも研究したいでしょうし量は多めに送ります。」
ケイに3種の金属をエドガーの工房に送るよう指示をした。後日エドガーから嬉しい悲鳴が聞こえたが、まぁ他って置けばいいだろう。
「ご主人様ご主人様。」
アリスが俺の袖をちょんちょんっと引っ張ってくる。
「うん?どうしたのアリス?」
「アリスご主人様に武具作って欲しい…。だめ…?」
アリスは瞳を潤ませ、上目遣いでおねだりしてくる。そんな目で見つめられたら断れないぞ…。
「仕方のない子ね…。いい子にするって約束できたら作ってあげるよ。」
「うん!いい子にする!」
アリスに武具を作ってあげるというとものすごく喜んだ。
「どんな武器がいいのかな…。」そう呟きながらアリスに【鑑定】を使ってみる。
「おぃおぃマジかよ…。」
思わず素の言葉遣いになってしまった…。でも仕方がないだろう。
なぜかアリスの保有スキルに【槍術】の他に【鞭術】があったのだから…。
「アリス、貴女のスキルに【鞭術】っていうのがあるのだけど、何か覚えはない?」
「う~ん…。前に一度お母さんに仕えると色々便利って言われて練習した事あるよ。」
クイーンよ…。娘に鞭使わせてナニさせるつもりだ…?
「そ…そう…。鞭と槍が使えるのであればあれがいいかしら…?」
鞭というのは打撃武器なのだが、俺が言うあれというのは鞭の先に槍の穂先をくっ付けたものだ。
これにより打撃の他に突き刺し、切り裂く事ができる。もちろん扱いはかなり難しくなるのだが…。
とりあえず作ってみて、使うかどうかはアリスに任せる事にした。
「それじゃ作りますか。」
使う材料は穂先にアダマンタインとダマスカス鋼の合金、鞭の部分にはベヒーモスの皮とミスリル鋼、グリップにはオリハルコンとベヒーモスの皮をでいいだろう。
「まずは穂先の練成っと…。」
アダマンタインにダマガスカス鋼を混ぜ、強度を持ちながら柔軟性に富んだ刃を作る。アダマンタインは重い金属なのでこれだけでもダガーとして使えそうだ。
出来上がった穂先を手に取り、確認してみる。
「うん、ちゃんとできている様だな。」
こちらの世界で初めての練成だが問題ないようだ。
「ふぁぁ…♪」
アリスがなにやらトリップしているようだが、気にせず先に進もう。
穂先の次は鞭の部分だな。スキルでベヒーモスの皮をなめし、ひも状に裁断してミスリル鋼を糸状にしたものと一緒に編みこんでいく。
これにより柔軟性はもちろんの事魔力の親和性も高くなる。
次にグリップ部分。ここはオリハルコンを柄の基礎にし、ベヒーモスの皮を滑り止めとして巻きつける。
「部品は完成っと…。あとは結合して完成かしら。」
それぞれの部品をスキルで結合して鞭が完成した。
「さて…。どんな感じかしら…。」
出来上がった鞭を手に取り、試し切り用の案山子に向かって鞭を振るう。
ヒュンッ!スパーン!ズドン!
鞭を軽く振るい、風切り恩と共に案山子の頭が切り飛ばされ、その頭が地面に落ちる前に2撃目を放って頭を粉砕した。
「うん、切れ味も打撃力も申し分ないかな。」
穂先がある程度の重さがないと威力が出ないのだが、あとはアリス用に調整すれば問題ないだろう。
「はいアリス、試しに使ってみて?」
瞳を輝かせてこちらを見つめていたアリスに鞭を渡す。
「ご主人様からのプレゼント…。えへへ…♪」
喜んでもらえるのは嬉しいのだが、ちゃんと使おうな…?
「あそこの案山子相手に試し切りしてみててね。その間に防具も作っちゃうね。」
「うんっ!」
アリスは元気よく返事をすると案山子に向かって走り出した。転ぶなよ…?
「次は防具と…。鞭を使うなら軽装がいいかな。」
あまり重たい鎧とかにすると鞭振るえないしな。それに鎧だと可愛くないしね。
よし決めた。絹をベースにミスリル糸で防御用の魔法陣を書き込もう。
【裁縫】を発動し、紫色に染めた絹糸でマントを、無地の絹糸で上着を、黒く染めた絹糸でスカートを作った。
「後はそれぞれに魔法陣を書き込んで…。ミスリル糸と金糸で刺繍して…。」
ミスリル糸で魔法陣を書き込み、魔法人が目立たないように金糸で刺繍を施す。ついでに袖口やスカートの裾にフリルをつけた。
「これでよしっ!」
見た目も可愛いし性能も十分ある。これで大丈夫だな。
「性能は申し分ないですが、見た目は完全に魔王様の趣味ですよね。」
作り終えたとたん、後ろにいたケイが呆れたように話しかけてくる。
「いやだって可愛い子には可愛い服着せたいじゃん…?」
「…。このロリコン変態…。」
おぃ…。それ自分の主人に言う言葉じゃないぞ…。言い返せないのが悔しいが…。
スパンッ!
ケイとじゃれ合っているといい風切り音がして、音のした方に振り向くとアリスが案山子の頭を切り飛ばしていた。
「ご主人様やったよ!」
アリスが飛び上がりながらはしゃいでいる。鞭って使い方かなり難しいんだぞ…?
「鞭の使い心地はどう?調整いりそう?」
「このままで大丈夫だよ。もっと練習したい!」
どうやらアリスはこの鞭をかなり気に入ったようだ。鞭の適正が高いのかな…?
「ケイ、案山子をもっと出してあげて。アリスも練習頑張るのよ。」
「はい、判りました。」
「うんっ!」
ここはケイに任せちゃうか。
(ケイ、今のうちに世界樹のダンジョンを攻略してきちゃうから後は頼めるかしら?)
(お任せください。魔王様1人ならボスも居ないですしそう時間はかからないでしょう。)
何事もなければアリスの練習が終わるころには帰れるかな。
(まぁさっさとクリアしてくるよ。後はお願いね。)
そうケイに伝えると、俺はダンジョンの入り口へ転移した。
お読みいただきありがとうございます。
主人公(ヒロイン?)は蟻人族の皆の武具製造は控えめですが、アリスの武具製造には全く自重してません(笑)
ちなみにアリスの武具は外の世界だと伝説級と呼ばれるくらいの業物だといわれるのは後のお話…の予定。




