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まおー様は自重してっ!!  作者: 聖 龍也
第一章(異世界にきちゃいました。ダンジョンを開発しましょう。)
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第15話 ダンジョンマスターのお仕事

 「んんっ…。」

体を包む柔らかい感触で二度寝の誘惑に駆られるが、誘惑を振り切って上半身を起こし背伸びをする。

蟻人族の巣で1晩泊まった時もベッドだったが、やはり自分のうちのベッドが一番よく眠れるらしい。

といっても、この世界に来てから初めてこのベッドで寝たんだがな…。

「アリスは…。流石に今日は普通に眠っているか。…。」

昨晩の宴会でアリスが酔い潰れてしまった為に客間のベッドに寝かせようとお姫様抱っこで運んだのだが、アリスは寝ながら俺の腕を掴み放してくれなかった。

仕方がないのでそのまま俺の寝室のベッドで寝かせて隣に寝たのだが、昨日のように俺に抱きついてはなく、布団の中で体を抱いて丸くなって寝ていた。

柔らかそうなほっぺ指でつついていみる。

「んにゅっ…。」

アリスは身を丸めてもぞもぞするだけで起きなかった。可愛いな…♪

「いつもこうなら微笑ましいだけでいいのだけどな…。」

毎晩抱きしめられているとそのうち事案発生しそうで危険だな。



 「さて…。朝食にサンドウィッチでも作りますか。」

アリスを部屋に残し、厨房で軽くサンドウィッチを作りコーヒーを入れてお盆に載せる。

途中で宴会場を見に行ったのだが…。皆はまだ寝ているな。昨夜はベッドの数足りないし宴会場に布団を敷きそこで寝てもらうように手配した。

そしてアリスを抱いて部屋に戻ったのだが…。どうやら俺が部屋を出た後も飲んだり食べたりしていたそうだ。

「おはようございます、お嬢様。」

部屋に戻る途中、ケイが姿を現して挨拶をしてくる。人魂で急に出てくるから慣れていなかったらびっくりするぞ…。

「おはよう、ケイ。私には別にいいけど、人魂で急に現れるのは他の人には心臓に悪いよ。」

「私は人魂なのでそれは仕方がないかと。それよりも今後の方針についてご相談したほうがよろしいかと思い参上いたしました。」

今後の方針と言うよりも、蟻人族の皆の配置とか、住処の相談はしないといけないよな。この屋敷に住まわせるには部屋が足りないしね。

「ん~…。その話は部屋に戻って朝ごはん食べながらかなぁ。決めなきゃいけない事が多そうだよね。」

「ええ、特に住む場所については新しく作るほうが早そうですのですしね。」

いっその事1階丸まる住居区間にするのもありか。後で相談してみるか。



 「うぅ~…。」

サンドウィッチとコーヒーを手に部屋に戻ると、アリスがこちらを見て何やら唸っていた。どうしたん…?

「アリスおはよう。どうかしたの…?」

「うぅ…。ぷぃっ。」

アリスは頬を膨らませてそっぽを向く。どうやら一人部屋に残された事が気に障ったようだ。ほんと甘えん坊さんだなぁ。

「ほら…。可愛い顔が台無しよ?朝ごはん用意してるからこっちいらっしゃい。」

丸いテーブルにサンドウィッチとコーヒーを乗せ、椅子に腰掛けてアリスを招く。

「ぷぅ…。」

アリスは頬を膨らませながら隣の椅子に腰掛ける。顔を逸らしているくせにちらちらとこちらの様子を伺って可愛らしい。

「一人にして悪かったから…。ね?」

「はぅ…。えへへ…♪」

アリスの頭に手を載せ、軽く撫でてありすをあやす。ほんとこの子は撫でられるの好きだな。

「それじゃ頂きましょうか。いただきます。」

「いただきますっ!」

アリスも俺のまねをして手を合わせて言う。微笑ましいなぁ。

そう思いながらコーヒーカップを持ち、コーヒーを啜る。

アリスも同じようにコーヒーを飲むが、何も入れてないからブラックコーヒーだぞ…。

案の定顔をしかめていた。

「うぅ…。苦い…。」

「アリスはブラックコーヒーはまだ早いかな…。お砂糖とミルクを入れると飲みやすいよ。」

そういってアリスの前に砂糖とミルクを差し出すと、砂糖とミルクを結構な量入れていた。

もうカフェオレかコーヒー風味の牛乳だな…。



「ごうちそうさまでした。」

「美味しかった…♪ごちそうさまでしたっ!」

サンドウィッチを食べ終わり、コーヒーをおかわりしてくつろぐ。

アリスは美味しそうにサンドウィッチを食べていた。やっぱり他の人に美味しいといってもらえるのは嬉しいな。

「お嬢様。先ほどの話の続きよろしいでしょうか?」

朝食中、ずっと傍に控えていたケイが声を掛ける。

「うん、アリスも聞いていてもらえるかな?色々意見が欲しいしね。」

「うん、わかった!」

蟻人族の住処で、細かな所は後でクイーンに話すればいいし、大まかな所はアリスと話して決めちゃえばいいか。

「蟻人族の皆のすむところだけど、このお屋敷だと部屋が少ないから新しく作ろうと考えてるの。」

「アリスご主人様と一緒にいたい…。」

アリスは泣きそうな表情で目に涙を浮かべて懇願してくる。まぁこうなるだろうとは思っていたよ。

「ええ、だから一緒にいられるように皆さんの住処とこのお屋敷を楽に行き来できるように繋げる予定よ。」

アリスを住まわせてもいいが、皆と会わなくなるのもまずいしな。皆の住処とこの屋敷を転移門で繋げれば大丈夫か。

 56階に住居炉作れば大丈夫かと言ったら、ケイに猛反対された。

「ダンジョンでは地下深くになるほど格が高いものです。ですのでお嬢様よりも従者の住処が下になることは許しません。」

言っている事は理解できるのだが…。俺のダンジョンなんだがな…。

「そうなると…。51階から55階それぞれを一段ずつ下げて、新しく作ったフロアを51階にして蟻人族の街にするってことはできるかしら?」

ゲームだとダンジョンを製作する際、間に新しく作ったフロアを差し込む事が出来たのだがこっちではどうだろう?

駄目もとで言ってみたのだが、できるらしい。

「ならそういう方向で住居を作るとして…。いっそのこと蟻人族の里と限定にせずに地下ダンジョン街として作ったほうが面白いかしら。」

ゆくゆくは色々な人が訪れるかもしれないだろうし、街があったほうがいいだろう。

「ではその方針で新しいフロアの製造にかかります。転移門は念のためセキュリティーをかけておいたほうがよいでしょう。」

誰かに無断に使われると危険だしな。鍵みたいなものでも作るか?

「それなら転移門を発動させる鍵として魔法陣を書き込んだ腕輪を皆につけてもらえばいいかな。」

腕輪を装備した状態で転移門の上に乗らないと転移しない仕組みにすれば当面は大丈夫だろう。

アリスに確認を取ると、腕輪をする事は問題ないらしい。むしろ俺からプレゼントがもらえる事に喜んでいた。

「後はエドガー一家ですが、51階に住んでもらうのが一番いいと思いますが…。」

「うん?何か問題あるのかな?」

エドガー一家は昨夜の宴会でも蟻人族の皆と打ち解けていた。

エドガーは飲み比べしてたし、奥さんは従者の皆と料理についての話をしていたし、息子2人も蟻人族の兵隊さんに遊んでもらっていた。

だから特に問題ないと思うんだが何かあるのだろうか。

「いえ、エドガーは鍛冶師ですので。鉱山に住みたいと言いかねないのではないでしょうか…?」

そういやそうだった…。53階、1フロア移動するから54階の鉱山マップは鍛冶師にとっては夢の住処だろう。

でもあそこに住まわれると危ないのはもちろん…。採掘の邪魔だな。

「あそこに住むのは危ないから諦めてもらうように話をつけるよ。だから51階にエドガー一家の家を作る方針で頼む。」

「判りました、ではそのように手配します。」





 「後は蟻人族の皆の配置か…。エドガーは家の隣にでも鍛冶場を作れば問題ないよな。」

「配置に関しては案がありますが、エドガーに関してはそれでいいでしょう。強いて言えば鍛冶場に資材搬入用の転移門を設置したほうがよろしいかと。」

いちいち運ぶのは大変だろうしな。とりあえず転移門の設置は許可した。

「蟻人族の配置ですが、従者は屋敷と街の整備、それに農場や牧場で働いてもらうのがよさそうですね。」

屋敷と街の整備いうか、この場合は掃除だな。農場で働いてもらうにはいいが、牧場は危なくないか…?

「牧場で働く際は兵隊と大蟻の護衛をつける事で解決できるかと、兵隊は他にもダンジョン内の見回りをしてもらうのがいいと思います。」

命がけの見回りになりそうだが大丈夫かな…?

「ご心配なく、お嬢様が一度クリアされたので、このダンジョンから生まれる魔物に関してはお嬢様とその仲間を襲うことはありませんし、見回りに大蟻を同行させれば安全性が増します。」

なるほど、それなら見回りも出来るし安全にレベルアップが期待できるか…?

「クイーンには蟻人族全体の統括を、そして従者数名にその補佐を任せれば問題ないと思われます。」

結局ケイの案で蟻人族のみなの配置は決定した。ってか俺許可しただけで何もしてないな…。

「ケイ~。アリスは~?」

そういや配置の話でアリスの名前が出てこなかったな。どうしよう?

「アリスはお嬢様のお世話係ということでよろしいかと。」

おぃこら。お前突然何を言う…?

「ご主人様のお世話頑張るっ!」

アリスは両手を握り締めてやる気満々だし、今更後に引けないぞ…。

「ケイ…。あなた狙ったね…?」

「さて、何の事でしょうか…?」

やはりこいつ侮れないわ…。

ダンジョンツクール系のゲームだと仲間の配置って重要ですよね。

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