28.王宮へ行こう。ただし、歩いてなんて行かない。
1週間に1話が限界だと分かりました。
「ク、クロ…ごめんなさい。あの、だから許してください。もうしませんごめんなさい。」
ジト目でご主人を見つめる。
ご主人とのスキンシップは嫌いじゃない。
でも、それとこれは違う。
数分前。
ご主人は感極まったのかベッドに私を引きずり込んで馬乗りになったのだ。
そう。押し倒された…アレだ床ドンonベッド的なやつ。
びっくりした。ご主人は理性無い感じの目だったし。力が強いから抜け出せないし。
しょうがないから雷魔法でスタンガンみたいにビリッとやってご主人をベッドから蹴落とした。(ビリッという効果音ですむ程度の強さだったのかは謎)
ご主人は今、床で土下座をしている状態だ。
文句を言いかけたところで玄関で呼び鈴が鳴った。
「ルーク・カーライル様。いらっしゃいますか?」
ご主人に出れば?という視線を投げかける、
「………。」
え、居留守使うの?
「ご主人、出てきて。」
「やだ。クロといる。」
子供かよ。早く行ってこい!!
着替えて玄関にご主人を引きずる。そのままドアを開けて来客を見る。
「?…どちら様?」
「はっ。私は王宮からの使いでございます。」
「わざわざありがとうございます。」
「いえ。仕事ですので。ところで、ルーク様は…」
私が私の後ろを見るとそれにつられて使いの人は視線を向けた。
襟を私に掴まれて引きずられるままにここまできたご主人。
当然、ぐちゃぐちゃに乱れている。せっかく着替えたのに。しかも、表情は不貞腐れている。
あぁ。見れたもんじゃない。
「ルーク様。お戯れの所、申し訳ございません。至急、クロセ様と王宮に来て欲しくあります。」
お戯れって…。
「ふーん。」
いや、お前だよ。
……私もか。
やだなぁ。お城、行きたくないなぁ。
「ご主人。行きたくない。」
ばぁっ!と花が咲いたような表情になった。
「そうだよな、行きたくないよな!」
バッと立ち上がりぎゅうぎゅう抱きしめてきた。
「やっぱり行く。」
「えっ。」
ご主人を抱きつかせておいたまま、使いの人を見る。
「では、一足先に行きますので。」
ぺこりとお辞儀をして、指を鳴らす。
王宮の王様と会った場所を思い出して。
もっと、鮮明に。もっと、もっと。
魔力が抜けていく感じがして少しの浮遊感の後。
「な!どこから入ってきた!!」
ざわざわと謁見の間が騒がしくなる。
瞬間移動はダメだったのかな?
「ご主人。ごめんなさい。」
「いや、それよりいつからそんなの使えるようになったんだ?」
「いつからかは分からないけど…家に帰ってきた方法がこれ。」
「なるほどな。…だそうですよ。」
中央の王座にご主人が視線を投げた。
堂々とそこに座る王様はニヤリと笑った。
とりあえず、頑張ります。




