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透明少女シリーズ

僕の何が悪いのですが教えてください(真剣です)

作者: reve

こんにちは、僕は赤くもない緋色です、以後お見知りおきを。



 さて、僕の彼女(?)が男子だったという件から数日、僕はめげません。



 という事で、クラスの中でも可愛いタイプに入る美杏を狙おうとしたのですが返り討ちに遭いました本当に命の危機を感じました、だってあの子普通に「だーれだ?」って目隠しをしようとしたら背負い投げするんですよ、女性というか女というか人間じゃない。


 なので大人しくて穏やかで僕を立ててくれそうな古き良き女性であろう彩さんを狙った僕の話でも聞いてみませんか?



 え?


 聞きたくない?


 むしろ僕消えろ?


 


 あはははぁ照れ屋さんめ☆



 では参ります。



 あれは昨日のことでした。


 何時ものようにクラスにつきリノリウムの床をきゅきゅきゅと滑らかに進む僕を美杏が気持ち悪そうに睨んできます。なんなんだろうかね?


 なので、気にせずに斜め前の席に座ります。


 隣は言わずとも元彼女で現友人の樹です。


 ああ、ここでお礼を。


 先日、三時間目の休み時間に「友人になったらいいよ楽しいよ」とお電話を下さった匿名希望恋愛成就を願ってますさんありがとうございました。おかげさまで樹とは良い友情関係を築けそうです。


 衆道やらホモやらゲイの道に進もうかとも思ったのですが思いとどまりました。


 クラスの女子はそのまま付き合ってしまえばいいと申しておりましたがそっちの気はないんですごめんなさい。


 さて、その友人が曰く「美杏は私のだから昨日手を出したのボコッていい?」って綺麗な笑顔で言うので爽やかに「うんやだ」って言ったら鳩尾をグーで殴られました。不条理です。



 そして続いてやって来た彩さん。


 どうしてこれまで僕は彼女の美しさ清らかさに気が付かなかったのでしょうか、彼女こそ僕に相応しい天照大神ではないですかさながら太陽、僕はうつろう月には誓いを立てないのですよロミオじゃあるまいし。


 ああ、彼は男の敵ですよすぐに恋する対象を変えるなんて同じ男として怒りを感じます。



 え?


 僕もそうだって?


 いやだなぁ~僕は不運のハムレットなんですよ。


 恋した対象が男子だったり、一本背負いしたり人間じゃないだけで恋愛はまだまだだねですよ。



 なので、彩さんに振り返り百万ドルの笑顔で挨拶をしたのですが……



 スルーされました。



 あれ?


 ここは僕の中では頬を染めて小さな麗し声で返答があるはずなのに……



 もう一度。


 「おはようございます僕の天照大神よ!」



 ざわっとクラスメイトがこちらを見ます。


 何がおかしいのですか?


 蜂でも飛んでましたか?



「今日も麗しいですね僕のクシナダ姫は……八重垣に閉じ込めてしまいたいですよ。さながら僕は素戔嗚尊ですね、貴女を八岐大蛇から守る為に出雲の国に降り立ったのですよ」



 彩さんは遠い目をして僕とは目を合わせようとはしない。



 ははーん。


 わかりました。


 僕のこの情熱的な愛情表現が恥ずかしいのですね。


 それはそうです。


 何故ならば僕は学年でも一二を争う美しい姿をしてるのですから当然のことですね。



「ああ、可愛い人。さながら僕たちはイザナミノミコトとイザナギノミコト二人で一緒に新しい命を生み出しましょう! 大丈夫です、子はかすがいといいますし僕と彩さんの子はきっと可愛いでしょう、否、可愛くないはずがありません! さあさあ僕と新しいかすがいを!」



 何故かその後美杏さんが僕を三階のクラスルームの窓から突き落とそうとしたり、女子生徒に痴漢呼ばわりされたり一躍人気者になりました。



 僕の何が悪いのですか?


 相談室常時開いております。


 聖蘭学園中等部三年一組でお待ちしております。


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