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 私は少し大きくなりました。

 人間は、ある日甘くて白い何かを持ってきました。

 私は十六になったようです。十六年という月日を私はここで過ごしました。

 私は向かいに住む魔法使いと多くの言葉を交わすようになっていました。長く伸びた髪を彼は「素敵だ」と言ってくれました。その日は多くの「桃色」の魔法を生み出せました。

 

 は私よりも二つ年上だと言っていました。私より多くのことを知っているので、私はもっと彼と年が離れていると思っていました。しかし、いつしか私も多くの物事を本や魔法使い、人間から学んでいたのです。

 三度目の食事が終わり、そろそろ寝ようかと硬く摘めたい床に横になった頃、いつものように人間がやってきました。

 ここの所毎日ここに来るのです。彼らは酒臭い息を吐き、私ではなく正面に住む魔法使いのところへやってきます。

 このところ魔法使いは元気がありませんでした彼の食事は一日に三回から二回、一回へと減らされていました。寝る間も惜しみ、魔法を生み出すよう命令され、私が起きると彼は一睡もしないで魔法を生み出していることがよくありました。

「おはよう」

 起きた私に彼は毎日声をかけます。ここではわかりづらいかもしれないけど、外の世界には「朝」「昼」「夜」という時間帯があり、寝て起きた朝は「おはよう」と言うのだと知りました。


 私はその日も、人間の罵声や、暴力の音、彼の苦しむ声を聴きたくなかったものですから、耳を塞いで格子を背にして丸くなって眠りにつきました。

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