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ゲームと彼女

北上さん・・・




あんまチェックして無いので誤字やらなんやらが多いと思います。

そこはド〜ンマイッてことでよろしくです

 昨日と同じような光景が広がっている。

 目を覚ますと、エプロン姿で料理をしている皐月。食欲をそそる香り。この光景に夢だと思ったが、現実のようだ。なぜなら、千秋の夢はいつも同じ記憶の夢だからだ。

 立ち上がると、皐月に掛けておいた膝掛けがパサリと落ちた。

「あっ、起きてたの?もう少しでできるからテーブルで待ってね。」

 膝掛けを畳みソファに置く。

「今日も作ってくれたのか。すまないな。」

「作るの楽しいから大丈夫だよ。それにご飯は誰かと食べた方が美味しいし。」

 テレビでは番組が切り変わり、速報のニュースが始まった。


『本日の午後四時頃、ハワイ基地から東京湾へ航行中だった日本国第六輸送船団とその護衛艦隊が日本近海でドゥームによる襲撃を受け、多目的大型輸送艦全十一隻中三隻、護衛艦全八隻中五隻の計八隻が沈没。逃げのびた船にも多大な被害があり、例に無いほどの大損害とのことです。現在死者行方不明者は・・・』


 最近こういうニュース多いな。

「最近多いね〜。輸送船が沈んじゃったからまた物の値段が上がるのかな〜。」

 皐月がお茶碗にご飯をよそいながら憂鬱そうに言う。

「いや、第六は軍事系の物資の輸送が任務だ。だから、直接の影響はないぞ。」

「そうなの?詳しいんだね。」

「え?あ、ああ。少しな。それにしても、酷い被害だな。八隻も沈んだのか。」

 テレビでは黒い煙を吐きながら、なんとか航行している傾いた輸送船が映し出されている。艦首にはミカンのようなマークが入れていた。

「ん?この船って。」

「知ってるの?」

「いや、・・・それより、それ、焦げてないか?」

 千秋はコンロを指を指した。

「え、ああ!忘れてた〜。」

 皐月が慌てて火を消し中から魚を救出した。しかし、時すでに遅く、所々黒くなってしまっている。

「う、うん、セーフだね〜。」

 皿に乗せられたそれはテーブルに並べられた。

「まあこれくらいならいけるな。」

 もしもう少し遅くなっていたらあの船みたいになるところだったな。

「失敗しちゃった〜。千秋ちゃんごめんね。」

 手を合わせながら上目遣いで見つめてくる。まるで、捨てられてしまった子犬が見つめてくるような視線だ。

「謝るようなことじゃないだろ。むしろ、食べるだけの俺が謝りたいくらいだ。」






「食器くらいは俺が洗うよ。」

 食後、皿を下げようとした皐月を止める。

「大丈夫だよ〜。」

「さっきも言ったけど、流石に食べるだけってのは悪い。俺にやらせてくれ。」

「そう?じゃあ、任せるね。私はその間にお風呂に入ってくる〜。」

 皐月はタンスから自分のパジャマを取り出し、それを片手に部屋の風呂へ向かう。千秋は食器を流しに運び、水を流し始めた。

 皐月が脱衣所に入ったと同時に、ポケットの中のスマホが震えた。

 水を止め、スマホを取り出してみると、表示には『ひいらぎ夏巳なつみ』と出ていた。嫌な予感がする。

 ため息を尽きながら電話に出た。

「ハロハロ!?ナッツミさんだよー!」

「要件はなんですか。」

「もぉ〜、相変わらず冷たいなっ。」

「すみません。で、要件は。」

「あーあ、分かりましたよー。ちーちゃんはナツミさんと話すより要件だけが聞きたいんだね。」

「いえ。別にそういう訳では。」

「ナツミさんの事は嫌いなんだねー。」

 スピーカーからわざとらしくすすり泣く音がする。

 この会話何処かで聞いたような。

「き、ら、い、な、ん、だ、ね?」

 思い出した。昨日の朝、真加奈と茜さんとの会話だ。

「嫌いじゃありませんよ。」

「じゃあ、ちーちゃんはナツミさんの事は好きなのかな?」

 これ言わなきゃいけないのか。言わないと話が進まないし、しょうがないか。

「好きですよ。」

「ちーちゃんかわい〜!!ナツミさん嬉しくなったからもう要件話しちゃうね。」

 初めからそれを聞いていたんだが。

「実はね、明日の事なんだけど、」

 やっと本題に入ったけど、やばい。嫌な予感しかしない。

「朝六時にちーちゃんの所に迎えの車行かせるね。朝ごはんはこのナツミさんが準備するから。」

「六時ですか。なぜそんな早くに。」

「ちょっとねー。じゃナツミさんはやることあるから切るねー。」

 ・・・切られた。

 結局何があるのか聞けなかったな。掛け直しても面倒な事になるだろうし、諦めるか。

 千秋は食器を洗い始めた。テレビではまたさっきのニュースがやっている。





 皐月が風呂から出てくる頃には食器は洗い終えていた。

「千秋ちゃん、お風呂空いたよ〜。」

 ピンク色のパジャマ姿の皐月が鼻歌を歌いながら出てきた。頭にはタオルが巻かれている。

「じゃあ、入らせてもらうよ。それと、服のボタン一個づつずれてるぞ。」

「ほんとだ。」

 ボタンを正す皐月を横目に見ながら風呂へ向かった。今回は着替えをしっかり持って。

 風呂の中はいい匂いが充満していた。

 バスチェアーに座り、頭をシャワーの水で濡らす。

(上から洗うのが俺流だ。って、あれ?)

 シャンプーのボトルを押した。


 出ない。


 まさか無くなったのか。いや、そんなはずはない。この部屋に入った時点では新品だったから、まだまだあるはずだ。

 なんでなくなったのかは今はいいとしても、どうしたものか。確か、シャンプーの予備は脱衣所の戸棚にあるな。

 千秋は立ち上がりドアに手を掛けた。

 この扉開けるだけだし、平気だろ。皐月はテレビでも見てると思うし。



 ガラッ


 力を入れてないのに扉が開く。バリアフリーかな?最近のはすごいね。まだ触れただけなのに。

 しかし、そんな訳は無かった。


「シャンプーの中身こぼしちゃったの忘れてた〜。はい、これ替えね。」


 手にはシャンプーの詰め替えを持った皐月が扉を開けたのだ。

 全裸で皐月の正面に立っているこの光景は、まるで、皐月を待ち構えていたみたいだ。

 こういうシーンは男がやる役じゃないだろ。誰得だよ。

 千秋が固まり変な汗を流す。脳内ではどうやったらこの場を切り抜けられるかを必死に模索している。


 案一

 この距離なら騒がれる前に口を封じ、固め技を決め首を折る。

 死体は水底へでも沈めれば、・・・落ち着け。廊下に防犯カメラがあるから犯人俺で確定する。いや、この学校ごと水底へ、って違う。もっと一般的な方法は。まあこの状況が一般的ではないんだけど。


 案二

 このまま襲い、気を失わせ布団へ運ぶ。目を覚ました頃には全て夢だったと思わせれば。いや、確実性が無い。やはり、気絶させたら自殺に見せかけ、この世から消・・・なんでそんな答えに辿たどり着く。相手は皐月だぞ。殺すのはダメだ。


 案三

 首をる。俺が。

 警察に捕まって、このまま生き恥晒さらすなら死んだほうがいい。って、違う!切り抜けられる方法だろ。死んだら終わりだよ。


 案四

 全裸でハイキングin樹海。

 待て待て待て。せめて服は来て行こうよ。




 千秋の考えがめちゃくちゃになった所に皐月は顔色一つ変えずに首をかしげる。

「これ、シャンプーだけど、どうしたの?」

(ああ、皐月は平気なんだったけ。)

 それはそれで問題だが、今は助かった。とりあえず殺すか死ぬかの二択の案は回避できたみたいだ。

「ありがと」と言いながらシャンプーを受け取り扉を閉めた。

 千秋は何も無かったように汗を洗い流し風呂を後にした。





 半袖のTシャツと長ジャージのズボン姿になった千秋はリビングへ続く扉の前に居た。

 なぜ中に入らないかと言うと、さっきから人の叫び声がするからだ。

 明らかに人のものじゃない声もするし。

 入るべきなのか。入らないべきなのか。でも、ここ入らないと寝室まで行けないしな。

 意を決して扉を引く。

「あっ、千秋ちゃん。早かったね。」

 皐月はソファに座っていた。

 こちらを少しも見ないまま、テレビの画面に集中している。

 画面では皐月の操るキャラクターが燃え盛る街で正確にゾンビの頭を撃ち抜いている。

 最近のゲームってすごいんだな。すげーリアルだし、血とかバシャバシャ出るんだな。

 なんだか皐月の顔がキラキラ輝いてる気がする。

 千秋もソファに座り画面を見る。

 素早く動き回る敵にも正確に射撃していく。

 突然出てきた敵に驚くことも無く倒していく。

 すごい反応力と判断力だな。

「ふぅ〜、終わった〜。」

 リザルト画面は全てSSSと言う文字が輝いている。

「すごいな。」

「これくらい朝飯前だよ〜。夜飯後だけど。」

 皐月はセーブすると画面を切り替え、戦場から普通のテレビに戻した。

「そういえば、さっき皆で集合時間とか決めたんだ。十二時に校門の前だよ。」

「十二時か。午前中用事が入ったから、少し遅れるかもしれないんだ。」

「じゃあ、後から合流する感じだね。」

「えっ、まあそうなるのか。」

 今の流れで「俺はいいから二人で行ってこいよ。」とか言って行かなくて済むのだと思っていたんだけどな。

「後、明日は朝から居ないから。」

「朝ご飯はどうする?」

「俺を呼んだ人が準備してくれているみたいだから平気だ、と思いたい。」

 明日は朝早くから出るためもう寝る準備をする。

 千秋が布団を敷いているのを見た皐月は駄々をこねるように敷いて布団の上で転がる。そこ今しわ直したところなんだけどな。

「千秋ちゃんもう寝ちゃうの〜?まだ九時だよ。」

「明日早いからな。」

「え〜。」

「皐月も明日出かけるんだし、早く寝るだろ。」

「えっと、そうなんだけどさ。」

 皐月が乗ったままの布団をバサッと広げ直す。皐月は「キャン」と女の子らしい声を出しながら転がり落ちた。

「ね〜、少しだけゲームやらない?」

「話聞いてたか?」

「でも〜、二人プレイじゃないと行けないところが〜。」

「なら、真加奈とか茜さんとか美咲とか誘えばいいだろ。」

「真加奈はゲーム下手だし、アカネェ〜はなぜかやってくれないし、ミサキチはビビリだし。」

「それは残念だったな。じゃあ、おやすみ。」

「あ〜ん、待ってよ。少しでいいから〜。」

 再び布団に飛び乗られた。今直したところなのに。

「頼むから寝かせてくれよ。もしかしたら、明日面倒なことになるかもしれないんだから。」

「そんなこと言って〜、もしかしてさっきのゲーム怖いんじゃないの〜?」

「たかがゲームごときにそんなわけないだろ。」

 もう一度落とそうと布団の端をつかむ。

「あんなのに怖がるなんて、女の子らしいところもあるんだね。」

「女の子、らしい?」

 千秋の動きが止まった。

「よし、いいだろう。やろう。男らしいとこ見せてやるよ。」

 千秋は女と言われるとムキになる。そこを皐月は無意識に上手く使い乗せたのだった。






「なるほど。操作方法は大体分かった。」

 テレビの前のソファに二人並んでゲームのリモコンを持っている。

「一回だけだからな。これ終わったら俺は寝るぞ。」

「うん!」

 セーブデータを選んでコンティニューを押す。

 場面は夜の森の中だ。風で動きやら揺れる月明かりがリアルだ。

 傷ついた男女が走っている。

「なあ、これどういう話なんだ?」

「えとね、主人公とヒロインが街に溢れかえるゾンビと戦いながらゾンビの親玉を倒す話、だよ。」

「じゃあなんで森にいるんだ?」

「街のゾンビはあらかた倒したんだけど、ヒロインのお父さんが二人の関係を引き裂こうとして、ゾンビを使って追いかけてるところだからだよ。」

「お父さん何者だよ。」

 ムービーが終わり、ゲームが始まった。

 操るキャラを走らせつつ、敵を撃つ。これが以外と難しい。

 皐月のキャラは隣で無双している。

 千秋のキャラの前にもゾンビが出てきた。

 まずは威嚇だ。武器はハンドガンを選び頭に照準を合わせる。敵はそのまま近寄ってくる。

 次は威嚇射撃だ。足下に一発。それでも止まらないで近づいてきた。

 それなら、急所以外のところに一発だな。右足の太ももに一発。しかし、少しよろけるだけで止まらない。なんだ、こいつ。化け物か。

「千秋ちゃん。敵の頭を撃つと一撃で倒せるよ。あと、ハンドガンよりもアサルトライフルとかの方が強い。」

「あっ、そうだったな。つい、いつもの癖で。」

「癖?」

「いや、なんでもない。どこに行けばいいんだ?」

 さっきのゾンビの頭を無慈悲に撃ち抜き、キャラを移動させる。

「私についてきて〜。」

 皐月の後を追う。

 森を抜け川に出たところで突然ムービーになり、デカイゾンビが後ろから現れた。全長十メートルくらいはあるな。

「これがラスボスか?」

「小ボスだよ〜。」

「これが!?」

「うん。」

「ラスボス臭が半端ないんだけど。」

「弱いから大丈夫だよ〜。」

 画面の中の二人は巨人に銃を構えた。






「何が弱いから大丈夫だよ。」

 画面には血で書いたような字で「Game Over」と出ている。

「そっか〜。二人プレイだと強さ二倍になるの忘れてた。でも、千秋ちゃん意外と早く死んじゃってたね。」

「初心者にいきなりボス戦やらせるのが悪いだろ。それにあのデカイ奴が意味深な言葉言うから気になって。」

「あの巨人は初めの方に出てきたあるキャラなんだけど、初めからやんないと分かんないよね。」

「すげー気になるんだけど。その初めの方って長いのか?」

「簡単だし、短いよ。やる?」

「少しだけやろうかな。少しだぞ。」

「よーし。じゃあ新しいデータでやろー。」

 メインメニューに戻って新しいデータを作る。

 皐月のゲームが出来るのが嬉しいのか足をパタパタと降っている。顔も明るい笑顔が輝いている。

 考えてみるとこういうゲームは女子がやるイメージないな。一緒に出来る人も居なかったんだろうな。だからこんなに楽しそうなんだろうな。

(まあ、俺もやるからには楽しむか。)

 千秋も気合を入れ、リモコンを握るのであった。


申し訳ありません

この作品はこれで終わらせていただきます。

さまざまなところでミスがあり、このまま続けるより新しく始めた方がいいと思いました。

中途半端なところでやめてしまい本当にすみません

次作は速さより質で行きます


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