サウナの彼
積雪が10cm超えてはしゃいでいたせいで、更新遅れました。
いやー、うちも東京なんですけどね〜。
千秋とマジメガネはシャワールームに入った。
「男湯は右だな。」
「湯?シャワールームなのにか?」
「温泉でも付いているのかもな。」
「まさか、いくらなんでもそれは。」
千秋はいいながら中に入ると、本当に温泉のような創りになっていた。
脱衣所はロッカーがズラリと並び、タオルが備え付けられている。入浴場は膝から肩が見えなくなるように仕切られたシャワー、 大浴槽、更にサウナまで完備されている。
本当にすごいぞ。俺が住んでた以下略。
サクッと服を脱ぎ入る。マジメガネは「トイレに行ってくる」と言い、脱衣所内のトイレに入った。
千秋は一番端にあるシャワーに陣取り、備え付けのシャンプーで、頭を洗う。こういう並べられた所ってなぜか端に陣取るよな。トイレとか。なんでだろ。
シャンプーの泡を流すと同時に、隣のシャワーにマジメガネが来た。個別の仕切りは体が見えないようになっているだけだから、普通に顔は見える。
千秋がマジメガネの方を見ると、メガネを掛けていなかった。これじゃあ、ただのマジメじゃないか。
隣に陣取ったマジメは足から洗い始める。そして、こっちを見ないまま呟いた。
「でかいな。」
「なにが?」
「あれが。」
「これか?」
「それだ。」
なんでこの高校に来てから俺のカノン砲はこんなにモテているんだ。モテ期か?
千秋は体を洗い始め、マジメは体が泡だらけのまま頭を洗い始める。体の泡、落とさないんだ。
「考えてみるとちゃんと自己紹介をしていなかったな。俺は江嶋秀明だ。」
考えてみるとマジメの名前知らなかった。いや。覚えてなかった。
「そういえばそうだな。俺は一番ヶ瀬千秋。呼ぶ時は下の名人の名前で呼んでくれ。」
上の名前で呼ばれると「ばか」って所が毎回気になるから。
千秋は体の泡を洗い流しながらマジメ、本名江嶋秀明、の方を見ると、彼は泡だらけだった。彼も千秋の方に顔を向ける。
「ああ、俺も下の名前で構わない。下で呼ばれる時は、大抵、ヒデと呼ばれるからそう呼んでくれ。」
真面目に話しているようだが、そんな泡でモコモコな姿で言われてもな。マジメガネよりヒデの方が短いからこれからはそう呼ばさせてもらおう。
「千秋、貴様はサウナに入れるか?」
貴様とか普通に言ってくる人、初めて会った。
「入れるけど、なんで?」
「少し話がある。二人で。」
全身の泡を一気に流し、サウナに入って行った。
後を追い千秋もサウナに入る。
サウナの中も広かった。温度は高め。湯気のせいで視界が悪く、上の方なんて全く見えなくなっている。
「見えないな。」
ヒデ、旧マジメガネ、が呟く。メガネ無しじゃこの空間は真っ白に見えるかもな。あっても曇って見えなかっただろうけど。
階段状に座れるようになっていて、千秋とヒデはそこの一番下に座った。
座ると同時にヒデが正面を見たまま口を開く。
「初めてだ。」
え?何が?
「俺が勝負事で負けるだなんて。」
「そうなのか。」
千秋も正面を見たまま答える。しばらく沈黙が流れる。
「えーっと、だから?」
千秋が耐えきれず沈黙を破った。
「今まで俺に合わせられる奴がいなくてな。負けておいて言うのもなんだが、貴様程の実力があれば丁度いい。どうだ、俺と組まないか?」
「組まないかって何をだよ。」
「戦術的なことから私的なことをだ。」
「私的なって、・・・もしかして、友達になるって意味なのか?」
「そう捉えていい。」
「お前、不器用だな。」
「よく言われる。今まで友達という物を持ったことが無くて、よく分からないがどうなんだ。」
さらっと重たい過去を吐いたな。まあ、俺も人の事は言えないけど。
「確かにな。俺もお前もクラスから浮いているもの同士だし、面白そうだな。」
「それは、交渉成立ということか?」
「交渉?まあ、そうなるな。それに、こうも言うしな。さっきの敵は今の友ってな。」
「昨日の敵は今日の友だ。」
「細かいとこは気にするな。」
「それにその言葉は、心や人間関係がうつろいやすく、あてにならないものであることのたとえだ。」
「細かいとこは気にするな。ともかく、これからは友ってことでいいな。」
「そう堂々と言われるとむず痒く感じるものだな。」
ヒデが笑ながら言ったその時、館内放送で桂木先生の声が響いてきた。
「江嶋メガネ、あと五分以内にアリーナ監視室に来ないと、レンズ粉砕の刑に処す。」
短く的確で恐ろしい。江嶋って名字は覚えてるんだ。そういえば、皐月のこともちゃんと正しい名字で呼んでたな。三文字以内なら覚えられるのかな。
「すまない。あのメガネは下ろし立てだから、なんとしても守らなくてはならない。というわけで、先に出させてもらうぞ。」
マジメガ、じゃなかった。ヒデは大急ぎでサウナを飛びたす。
「おう。頑張れよ。」
走り出す彼の後ろ姿に手を振る。
彼はドアを壊しそうな勢いで開け、シャワーゾーンを駆け抜けた。そんなに濡れた所で走ると転ぶぞ。
ドアが閉まり見えなくなったが、ゴスッと何が倒れる音が聞こえた。
転んだな。
こうして、千秋に高校生活始めての男友だちができたのだった。
ドガアアアアアアアン!!
「はい、訓練終了。ピットに入って蒼眼直したら、帰っていいから。」
グラウンドの壁際には、ボロボロの武将が落ちている。かぶっている兜からは煙が出ている。
「ミサキチ〜、本気でやらなきゃダメだよ〜。」
女騎士が近くに降りてきた。スカート状のスラスターが周りの砂埃を巻き上げる。
「本気や!」
武将がガバッと立ち上った。
「でも、私の攻撃全部当たってたよ。」
「あれでも、避けようと頑張っとったわ。皐月はんの命中率が良すぎるんや。」
「普通に狙って撃ってただけなんだけどな〜。」
「ほんま、恐ろしい子っ。」
ピットまで戻り、先生がやっていたように機械に蒼眼を入れる。まず、美咲は銀色のリボンの付いたヘアクリップから。
「ミサキチの蒼眼はヘアクリップなんだ〜。さっきまで付けて無かったよね?なんで?」
「うちにはこんな可愛い髪留めは似合わへんし。髪束ねるのなんてゴムで十分や。」
「えー、絶対似合うのに〜。付けてみようよ。」
「いやや、うちには絶対似合わへん。」
そんなやり取りをしていると、機械の蓋が開いた。
「皐月はん、お次どうぞ。」
中からヘアクリップを取り出し、ポッケにしまってしまう。
「はいはーい。私は弾しか使ってないから早いよね。」
笑ながら腕時計を機械の中に入れる。
「う゛っ、どうせうちは攻撃当てることすらできんかったよ。」
皐月の言った通り、数十秒で蓋が開いた。
皐月は腕時計に取り出し、左腕に女の子らしく内側に時計がくるように巻く。
「皐月はん、この後どうするん?」
「私はね〜、シャワールーム行こっかな〜。少し汗かいちゃったし。」
「うちも行こかな。皐月はんの十倍くらい汗かいたし。」
「それじゃあ、一緒に行く?」
「そないさせてもらおかな。」
皐月と美咲はピットを後にした。
シャワールームの出入り口に着いた途端、中からすごい勢いで誰かが駆け出してきた。
「今出てきたの江嶋君だよね?すごい勢いで走ってたね〜。」
「放送でレンズの殺害予告されたらああもなるわな。」
二人は中へ入る。
「右が女湯だね。」
「湯?シャワールームやのに?」
「なんでだろね〜。あっ、温泉とか付いてたりして。」
「まさかー。そんなわけあらへんやろ。」
中に入ると本当に以下略。
二人は服を脱ぎロッカーに仕舞い、入浴場へ入る。
「私達一番乗りかな〜。」
「いや、端の二つのシャワー使った跡があるから、多分、二番乗りくらいや思うで。」
「本当だ。それに新しいね。まだ中に居るのかな〜。」
「見たとこ誰もおらへんし、貸し切りやな。」
使われたシャワーとは逆の端の二つを使い二人は、皐月は頭から、美咲は足から洗い始めた。
「ミサキチと二人きりだね。」
「そやな。」
「なんかドキドキするね。」
「変なこと言わんといてな。」
「いいじゃないの〜。」
「あかんよ〜。あかん、あかん。」
「そこで訛り入ると変だね。」
「これはしゃあないんや。」
皐月は頭の泡を流し、体を洗い始める。美咲は体の泡を流し、頭を洗い始める。
「それより、皐月はんはサウナ入れまっしゃろか?」
「うん、なんで?」
「一つ勝負せえへんか?」
「サウナで?」
「せや。うち、サウナめっさ長くはいれまっせ。さっきは負けてもうたが、これなら勝てるって思うんや。」
「面白そう〜。いいよ、やろやろ!」
「そな、決まりやな。早速行こか。」
美咲は頭の泡を流し、サウナへ向かう。
「待ってよ〜。」
皐月も急いで体の泡を流し、後を追った。
「どうしたの〜?誰か居た〜?」
美咲がサウナの扉を開けた瞬間、止まった。
「いや、今誰か居た気がしたんやけど。」
皐月も中を覗く。湯気が多くて中は視界が悪い。上の方なんて全く見えない。
「誰も居ないね。」
「せやな、気のせいやったんかな?」
中に入り、階段状になっている座席の一番下に二人は座った。
「せや!ただの勝ち負けじゃつまらんさかい、罰ゲームやろか。」
「いいね〜。何にする?」
「いいのあるで〜。」
美咲の口がニヤリとする。
「今日はノーパンで過ごすっちゅうやつや。」
「えー、それは流石に。」
「なんや、怖いんか?」
「いや、ミサキチが可哀想だな〜って。」
「うちが負けるの前提なんやな。今に見とれよ。うちだってやる時はやるんや。」
「間違いなく、そのやる時はいまじゃないと思うけどね。」
「何がなんでも皐月はんをノーパンにしちゃる。」
変な賭け事をしている二人の上に、彼が居た。
誰かって?
一番ヶ瀬千秋ですよ。
彼はヒデが出て行った後もぼーっとサウナに入っていたのだ。
途中で誰かがシャワーを使っていることに気づき、ドアにあるガラスから覗いてみると、女の子が二人いた。
背中しか見えなかったのが少し残念だが、今はそれどころじゃない。
脱出を試みるも、時既に遅し。
彼女達はサウナへ向かい歩いている。
やむなく、全く見えなくなっている上の方へ退避した。
そして、現在に至る。
(長くは持たないな。)
色々な意味で汗を流す千秋は脱出方法を必死に考えていた。
(そもそも、なんであの二人がここにいる。ここは男湯だろ。ああ、もう無理だ。脱出するにはあのドアしかないからすぐバレる。)
軽くパニック状態になりながら、冷静になろうとする。
(落ち着け。相手はたかが二人。素手でも制圧可能な、ってそうじゃなくて、年頃の女がこの暑さの中に長時間居るとは思えない。きっとこの後出かける話とかになってすぐ出るだろ。それまで耐えるんだ、俺!)
〜十分後〜
「なかなかやるやないか、皐月はん。」
「まだまだ、これからだよ〜。」
(こっちはお前らより前から居た上に、更に熱い所にいるんだぞ。早く出てくれ。)
〜二十分後〜
「も、もう限界やろ、無理はせんほうがええで。」
「ミサキチの方こそ〜。汗が尋常じゃ無い量だけど。」
「平気やで、うちの底力見したる。」
「ミサキチ、さっきから壁に話掛けてるよ。もう出る?」
「な!?まだや!まだまだ!」
(いや、もう限界です。勘弁してください。ノーパンでいいんで出して下さい。)
〜三十分後〜
「も、もう無理や!水ー。」
「あっ、待ってよ〜。」
(し、死ぬぅ。)
千秋は二人が出て行ったことを確認すると、床にへばりついた。
「あー、床気持ちー。」
うつ伏せで床を堪能する。後は二人がここを出て行くのを待つだけ。あれ?体がうまく動かない。意識も朦朧と。
バタン
今のって、ドアが開く音じゃ・・・。
「タオル忘れちゃ・・・た?」
「どうしたん?皐月は・・・。」
ああ、どうせ見つかるならもっと早く出てくればよかった。さあ、一思いに楽にしてくれ。
「大変、千秋ちゃんが倒れてる。運ばなきゃ。」
「えっ?せ、せやな。とりあえず、皐月はんはタオル巻かなあかん。」
「あっ、そうだね。」
あれ?助かるのか?
「それじゃあ、うちは左手持つから右手は頼んだで。」
「まかせてよ。」
おい、待て。まさかこのまま引きずるつもりじゃ。全裸うつ伏せで引きずるつもりじゃ。
「行くよ〜。」
待て待て待て待て待て待て待て待て。
「せーの!」
ぎゃーーーー!!
俺の対物ライフルがーーー!!
「皐月はん、段差やるから気をつけて。」
「うん!生きて帰ろうね。千秋ちゃん。」
いや、死ぬ。段差は、ぎゃーーーー!!
「皐月はん、今なんや引っかからんかった?」
「平気じゃないかな〜。」
返事が無い。ただの屍のようだ。
脳内生バナナ:欲しいの
生バナナ:なにが欲しいんだい?言ってごらん。
脳内生バナナ:そんなこと・・・。
生バナナ:言わないともらえないよ。
脳内生バナナ:っ、あれが欲しいの!
生バナナ:なにが、どこにだい?
脳内生バナナ:評価ポイントと感想が欲しいのぉぉ!たくさん書いてポイント入れて欲しいのぉぉぉ!
※生バナナは脇毛の濃い男です
次回、未定。3日以内には更新しますよ




