表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

不穏

飛行機には相変わらず慣れなかった。長くボストンに留学していたから、飛行機なんて何回も乗ったけど、苦手なものは苦手だ。秋波は隣の勇二を起こさないようにそっと繋いだ手をほどきながら深いため息をついた。機内は暗く、乗客は寝静まっていて声もしない。飛行機はまだまだ着陸する気配はなかった。


それから到着したのは七時間後、ミュンヘンの空港に着いたのは夜の9時を回ったところだった。スーツケースは勇二の大きいやつ、赤のバンダナ付き、


「俺がとるから秋波は座ってて」

勇二は優しい。秋波はありがたくベンチで待たせてもらうことにした。スーツケースを早くも見つけ、レーンから引きずり出そうとするカップルとぶつかりそうになり慌てて避けつつベンチに向かう…あれ機内でみた馬鹿っぷるだ…女のけばけばしいピンクのセーターの記憶が強く、ネイビーの品のあるロングコートを羽織っていてイメージがちがかったので一瞬わからなかったのだ…が無事スーツケースを引きずり出しにっこりするのをぼんやりと眺めていた。


ので勇二が我々のスーツケースを無事引き上げる勇姿を見ることなく、スーツケース片手に近づいてくる勇二の先導で空港をあとにした。時間はもう10時をまわるところだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ