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しるし(詩集)

alto(改)

作者: さゆみ

いつも私はaltoアルトだった

sopranoソプラノじゃなかった

主旋律は歌えなかった

でもaltoが好きだった

この心もとない音を辿って歌うパート練習が好きだった

華々しいsopranoにそっと惹かれて溶けていく

そして歌はよりいっそう深みを増すから


そう 例えば人生だって

あなたはいつも引き立て役だって言うけど

ただ相槌をうつのが得意だって言うけど

それって重要じゃない? あなたがいるから彼女はいっそう輝ける

あなたがいっしょに輝きのなかに溶けているから



さあ演奏会が始まる

tenoreテノールbaritonoバリトンの大地にはsopranoとaltoの可憐な花々が咲き乱れる

ソリストは揺るぎない色の大輪の花を咲かせる

指揮者はタクトから聖水を振り撒き魂の虹が出来る

オーケストラが小鳥の囁きをもしくは怪鳥が翼を広げ叫ぶ

そして作曲家の熱情は音を楽しむすべての生命を愛せと震える

それはホールから外へ飛び出し世界へ

地球を突き抜け宇宙へ溶けていく


それは苦悩を超克した同志の達成感であり

人間の心に宿るあらゆる欲望や感情を超越した愛そして平和

主役も脇役も関係なくすべての想いが宇宙に溶けて一つになること

それは全人類に捧げる私たちの祈り(メッセージ)ではなかったのか



私はVerdiヴェルディBeethovenベートーヴェンを歌っているとき

稀にだが天から差し込む光に導かれ宇宙へいったことがある

あの一瞬 確かに私は神になれたような気がした





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― 新着の感想 ―
[良い点] さゆみ先生こんばんは。 惜しい!この詩はまるで音楽のように盛り上がっていくんですが、ホントクラシックを聴いているかのように素晴らしい高揚感を得られます。ドラッグ級ですね。そこは素晴らしいん…
[一言] なんだか、なにかを叫びたい声と泣いているのが伝わってきました。 (はずれでしたらはずれでOKです) 想いが強すぎるとそれをどこに向けて放ったらいいのかわからなくなりますよね。 素敵な詩をあ…
[一言] コミュニケーションは一つ一つが小さく大きな楽章だと思います。 人は音を奏でる。個々人に性格や特徴、話し方や性分があるように、人の奏でる音も千差万別なんだと思うのです。 それらの音は自分自…
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