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『奴隷の家』
ようやく私も新しい家を貰う事が出来た。
この家の奴隷として売り飛ばされてからもう10年になる。
最近では私を信用してくれるようになり、あの邪魔だった首輪も外されるようになった。
それにしても良い家だなぁ。
入口はローマ建築風のアーチ。
内装は木をふんだんに使用した、温かみのある造りになっている。
奴隷の一人住まいなのでワンルームなのだが、私の城としてこれほどに相応しい物は無いだろう。
あぁ、ねむくなってきた。少し休むとするか……。
「ねぇお父さん。ポチはもう新しいおウチが気に入ったみたいだね」
「そうだね、しっぽを振りながら気持ちよさそうに寝ているね」