第7話 勇者オノデラの戦闘デビュー
第7話、投稿します。
――俺は、生まれ変わる
一息で距離を詰め、上段構えからの斬撃を繰り出す。
聖と相対していた豚の貌をしたモンスター……オークは、その一撃で頭から真っ二つに両断された。
現在、聖たちは目的地である『 光の神殿 』に向かう道中にて、モンスターの群れと遭遇。
そのまま交戦する流れとなっていた。
――ウケ狙いの台詞は、もう吐かない
「 おにいさんっ!? 後ろっ! 」
エノーラが上げた声を認識するより速く、聖は振り向きざまに刃を水平に滑らせ薙ぎ払う。
白刃が流線を描き通過した直後、背後に迫っていたリザードマンの首がゴロリと転がり落ちた。
「 ひゅーーっ♪ やるな、坊主! 」
感心した様子で茶々を入れてくるラッセル。
聖に加勢しようとしつつも杞憂に終わり、ラッセルはリザードマン3体を相手に交戦を再会する。
得物であるバトルアックスを、まるで身体の一部のように操り、
柄でリザードマンの鋭い爪を防いで、隙を突き刃で斬り返す。
巧みな攻防で、3対1で数の上では不利でありながら終始余裕を崩していない。
「 あたしたちも、負けてらんないねっと! 」
エノーラもオーク複数を相手に善戦している。
彼女の得物は短剣だけで、攻撃力に関しては心許無いが、
獣人特有の優れた身体能力を武器に、悉く敵の攻撃をかわし、
その動体視力を生かして、隙をついて敵の急所を狙う事に徹している。
エノーラの素早い動きに翻弄され、オークたちは次々に死体の山へと変わっていく。
「 みなさん、広域殲滅魔法を放ちます!
すぐにモンスターから離れてください! 」
そしてモニカの言葉を皮切りに、聖たち三人はそれぞれ相対していたモンスターから距離を取る。
「 愚者に神の裁きを与えたまえ、サンダーフォール! 」
モニカが杖を掲げた。
次の瞬間、雷撃が豪雨のごとく降り注ぐ。
その場の全てに無差別ではなく、ピンポイントでモンスターたちの頭上に命中していく。
その度にモンスターたちの断末魔の叫びが上がり、衝撃で土埃が舞い上がる。
広域殲滅魔法は通常より多くの魔力を必要とするため、集中のための時間が掛かる。
しかしその分だけ威力は折り紙つきと云えるのだ。
聖とラッセルとエノーラの三人が前線で時間を稼ぎ、その後モニカが魔法で一気に殲滅する。
「 ふむ、オーソドックスではあるが実に合理的な手段だ 」
「 うみぁ…… 」
少し離れた場所から戦いを観戦していたカストゥールが、感心したように一人呟く。
その横では、奈々子がまるっきり興味無さそうに欠伸している。
先ほどのスピード決着は特にこれといった特別な作戦ではないが、四人の息が揃っているからこそ可能な芸当。
個々の技能もさることながら、即席のチームとは思えない連携ぶりに、カストゥールは舌を巻いていた。
ギルド一押しの冒険者というのも納得である。
そして勇者・聖についても問題ない。
危なくなればすぐに魔法で援護できるよう待機していたが、その必要もなかった。
カストゥールが聖の戦闘を観るのは今回が初めてだが、その感想は一言で言えば "安定している" であった。
騎士団長が太鼓判を押すだけあり、その流れるような剣捌きも見事だったが、何よりも実戦慣れしているという点が大きい。
前の世界で聖がどんな生活を送っていたか気にはなるが、強い勇者は召喚した側としては大歓迎である。
聖が他のメンバーの足を引っ張るという面倒な事態も無く、幸先の良いスタートにカストゥールは胸を撫で下ろした。
「 意外と早く片が付いちまったな 」
「 そうそう、あたしたちって最強だね♪ 」
モンスターを全て討伐し終えて、口々に駄弁りながら武器を納めるラッセルとエノーラ。
今回の戦闘は新調した装備品の性能を試す意味合いもあったが、結果は想像以上のスピード決着。
強度も切れ味も問題無し、自身の手に新しい得物がしっかりと馴染んでいる事を確認し、ラッセルとエノーラは満足顔である。
これらは先日偶然出会ったシブタニという武器商人から購入した品。
相当の一級品である事は初見にて分かっていたが、驚くほどの格安さが彼らには少し不安でもあった。
しかし実際に使ってみて最初に見立てた通り一級の品である事を確認し、不安も解消されて彼らは上機嫌だった。
「 すごい……想像以上の威力強化効果です…… 」
殲滅魔法を放ったモニカも同様。
購入した魔法補助具である指輪を見つめながら、良い買い物をしたと顔を綻ばせていた。
全員が気を良くしていた。
そしてそれが油断に繋がってしまった。
先の殲滅魔法によって煙幕が視界を覆う中、全員が緊張を解いてしまった……その時だった。
「 モニカ!? 危ねぇっ!? 」
いち早く気付いたラッセルが声を上げる。
モニカの背後に映った巨大な影。
煙幕の中から現われたのは、満身創痍の巨大な鬼……トロールだった。
雷の直撃を受けながらも、辛うじて生き延びた一匹がいたのである。
「 グォオオオオオッ!!! 」
雄叫びを上げ、モニカに向かってその巨大な岩の如き拳を振り上げるトロール。
「「「 っ!!?? 」」」
予想外の出来事に硬直するラッセルとエノーラ、そして遠くから様子を見ていたカストゥール。
「 くぅっ!!?? 」
咄嗟に目を瞑り、身を縮こませるモニカ。
「 …………? 」
しかし次の衝撃は来なかった。
モニカは恐る恐る目を開けてみた。
「 大丈夫か 」
そこにはいつの間にか、モニカを庇うように聖の背中があった。
トロールの巨大な拳は、聖の片手で受け止められていた。
「 グッ!? グガゥウウウウウッ!? 」
割り込んできた邪魔者を吹き飛ばそうとトロールは呻きながら拳に全体重を掛ける。
しかし相対する聖はビクともしない。
そんなある意味シュールな光景に圧倒されつつ、モニカは何とか礼の言葉を捻り出そうとする。
「 サ、サトシさん、ありがとうござ…… 」
「 礼はあとだ、まずはコイツを片付ける。
……ここから離れるんだ 」
聖の言葉を受け、モニカは礼を中断して一先ずその場から離れる。
それを見届け、聖はトロールの丸太の様な腕を両手で掴む。
そして
「 でぁっ!! 」
気合いとともにトロールの腕を引き寄せ、身体の向きを反転させて一本背負い。
「 グゥッオオオオッ!!?? 」
トロールは豪快に背中から地面に叩きつけられる。
そして聖は尚もその手を放さない。
――昨日までの俺は死んだ、そして
トロールの腕を引っ張り、自身を軸に振り回し始める。
周回ごとに速度を増し、円を描くように地面に引きずられていたトロールの巨体が、徐々に徐々に浮き上がっていく。
――今日から俺は真の勇者になる
充分に勢いを蓄え、聖は手を放す。
トロールの巨体がロケットのように撃ち出され、鈍い音を立て岩に激突。
それ以降、トロールが起き上がることは無かった。
「 ……おにいさん。
見掛けによらず豪快っていうか……パワフルなんだね…… 」
呆気に取られた表情で、エノールが呟く。
「 ああ……それに心なしか雰囲気が変わった気が……
坊主、何かあったのか? 」
戸惑いつつもラッセルが訊ねてくるのは、
聖の妙に気合いの入ったジャイアントスイングから何かを感じたからであろう。
「 いや、別に何でも…… 」
いつもの仏頂面で、聖は素っ気なく答えた。
しかしそれは嘘であった。
――俺は、生まれ変わる
――ウケ狙いの台詞は、もう吐かない
――昨日までの俺は死んだ、そして
――今日から俺は真の勇者になる
聖が戦闘中に想っていた事。
それは聖が今までの自分を捨て、真人間に生まれ変わるという意思が芽生えた事に他ならない。
そんな聖の突然の心変わり。
それは昨晩に泊まった宿にて、聖の携帯端末に届いたとあるメールが原因だった。
そのメールの内容は以下の通り
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お疲れ様です、小野寺君。営業の渋谷です。
先ほどはどうも。
事前連絡も無しに突然の来訪、驚かせてしまってすみません。
ちょっとしたサプライズのつもりでした。これからは控えます。
以前から取り決めていた手筈通り、無事に協会指定備品の受け渡しは完了しましたが、
もし支給した武器防具に不備があれば、至急連絡ください。
さて、ここからは個人的な内容になります。
先ほどの備品受け渡しの際、小野寺君の言動に少し思うところがあったので進言を。
不良を叩きのめしたところまでは良かったのですが、
その後の説教は正直蛇足だと思いました。
あの台詞で小野寺君が言いたかった事は理解できますが、
初対面の不良相手に、あんな長々しい説教をする必要はないと思います。
普段は無口で無愛想な青年だけど、本当は相手がチンピラでも見下さずに真剣に向き合う人間だとアピールして、
そのギャップを魅力として推し出そうとしているのだと察しますが、それにしても言動が過剰な気がします。
完璧な人間を演じようとするあまり、傍から見ると無理矢理格好付けている感が否めません。
仲間の冒険者の方たちも、展開についていけてない様子でした。
恐らく上記のような違和感を覚えたのだと思います。
小野寺君なりに思うところがあるのでしょうが、もう少し言動を控えてみてはどうでしょうか。
それでも客観的に見て、格好良いと思われる勇者になりたいならば、
"演じる"のではなく"為りきる"というスタンスに切り替えるといいでしょう。
これだけで言動の不自然さは多少なりとも払拭できるかと思います。
少しばかり辛口になってしまったかも知れませんが、小野寺君の言動そのものを咎めるつもりはありません。
元勇者としての老婆心から来るお節介です。心の隅にでも止めておくぐらいで結構です。
P.S.
週報の提出、忘れないようお願いします。
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それを読んだ後、宿部屋で聖は一人悶絶した。
多少の自覚こそあったが、こうしてハッキリと他人から指摘されて、
聖は如何に自分が恥ずかしい事をやってきたのか、ようやく思い知るに至った。
羞恥のあまり着替えの途中であった聖は、替えのパンツを頭に被って床を転げ回ったくらいである。
――いや、そっちの方が恥ずかしいから……そんなツッコミを入れる人間が居なかったのは、不幸中の幸いであろう。
( ニャンコ師匠の言う事は嘘っぱちだ。それに乗っかった俺もとんだ大馬鹿野郎だ!
そして渋谷さん…… )
そして辛口とは言いながらも、渋谷営業がさほど強く言っている様子はない。
メールに書かれた通り、先輩としての老婆心が窺える。
聖を信用し、あくまで個人として尊重してくれての事だろう。
これでいて渋谷営業、ファンタジー側に対しては悪魔のように容赦が無いのだから、
ファンタジーに対して抱く恨みは計り知れない。
( ……俺もいい加減に真面目にならないとな )
渋谷営業の気遣いを無碍にする度胸、流石の聖にも無い。
生まれ変わるは言い過ぎにしても、心を入れ替えようと反省するに至ったわけである。
( 待ってろ、魔王。
新生・小野寺聖がすぐに殴り込みに行ってやる )
聖は空を仰ぎ、睨みつけた。
――その視線の先、この戦いを観ていた者たちに向かって
「 ……強い。
これが今度の勇者か 」
遠見の鏡を通し、戦いの始終を観ていた玉座の男が呟く。
「 はい、魔王陛下。
現在、神速のセロスが腕試しと言って向かいましたが……
正直早まったやも知れませぬ。
今度の異界の勇者は、得体が知れなさ過ぎます 」
玉座の脇に控えた人物……魔族四天王の一人『 知謀のラグラッド 』が答える。
魔王と呼ばれたその男は、鏡に映し出された青年をまじまじと興味深そうに見つめる。
この鏡の中の青年が、これまでの異界の勇者と勝手が違うという事は、先の戦いで一目瞭然だった。
"異界の勇者は、召喚された時点ではまだ未熟であり、魔王はおろか四天王の敵にも為りえない"
これは歴代の異界の勇者たちの共通事項。
どんな勇者も召喚される以前は、争いとは無縁の場所で暮らしていたせいで、
剣はおろか当初は棒きれすらマトモに振れない者がほとんどである。
しかし召喚された勇者は、またも共通事項として優れた才覚を持ち合わせいる。
何度も戦いを繰り返し、いくつもの試練を乗り越えていく事で成長していくのだ。
そしてやがては四天王すら倒し、魔王と対峙するに至るほど強くなるのである。
これまで幾人もの勇者を迎え撃ってきた魔王、そしてその最古参の配下であるラグラッドは、その事をよく知っていた。
しかしこの鏡の中の青年はこれまでの勇者と違い、初めから強い。
それも多少、剣術の心得があるという次元ではなく、その動きは魔王の眼から見てもまさに熟練の戦士のそれである。
そして鬼神のごとく剣を振るう姿からは、素人特有の戦いに対する躊躇も一切見受けられない。
――まるで最初から勇者として完成しているかのような……
先ほどの戦いぶりから、魔王は青年に対しそんな感想を抱いていた。
「 ……む? 」
突然、青年が顔を上げこちらを見た。
以前のようなお茶らけた態度は微塵も感じられない、射殺さんばかりの鋭い敵意の籠った視線。
「 っ!? あ、あの勇者また…… 」
四天王の一人にして、紅一点である『 幻夢のリュシン 』が困惑のあまり声を漏らす。
遠見の魔術で青年の様子を鏡に映し出していた彼女だが、それを見破られたのはこれで二度目である。
どういった理屈かは分からない。
しかし青年は遠く離れた場所にいるリュシンの魔術行使を感知している……それだけは間違いなかった。
同じく四天王であるラグラッドとゴルドバスも、困惑の表情で息を呑んでいる。
「 ………… 」
魔王だけが戸惑いを見せず、青年の視線を真っ向から受け止める。
場の空気が固まる。
その中で青年の視線と魔王の視線が、鏡面越しに交差し続ける。
しばらくすると青年は顔を叛けて、歩き去っていく。
魔王の視線に臆したという様子ではなく、
まるで興味が無いといわんばかりに素っ気ない態度だ。
やがて青年の姿が鏡の視界から完全に外れるのを見届け、ようやく固まっていた場の空気が融ける。
一息ついて、ラグラッドはすぐさま魔王に提言した。
「 魔王陛下。
この勇者……やはり油断なりませぬ。
今すぐ神速のセロスを呼び戻して…… 」
「 面白い……! 」
しかし魔王の一言でそれは遮られた。
「 セロスの事はよい。
彼奴とて勇猛なる我が四天王の一人、そうそう負けはせぬ。
それにいざという時の覚悟は……彼奴にも出来ておろう…… 」
――勇者の実力を計るために、セロスを事実上の捨て駒に使う。
ラグラッドは魔王の言葉から、そんな冷酷な意図を読み取った。
「 そ、それはしかし……
…………………………
…………………………
いえ、魔王陛下の御心のままに…… 」
言い掛けていた言葉を呑み込み、ラグラッドは困惑しながらも恭順の意を示す。
――魔王とはこういうもの。
強敵を求めるのは強者としての性。
それが魔族の王ともなれば尚更であり、魔王が強敵を求めるのは当然の事。
この世に魔王に対抗出来る者はいない。
ゆえに魔王は欲しているのだ……その絶対的な力を存分にぶつけられる相手を。
そして異界の勇者こそ、その打って付けの相手であり、
それが歴代最強かも知れない勇者ならば尚更、魔王の闘争心に火がつかない筈がない。
( 魔王陛下にも困ったもんじゃ。
何百年何千年生きても若いまま。
強者との戦いが全てにおいて優先なのじゃからのう )
ラグラッドは深々と溜息をついた。
そして玉座を離れて広間の奥へと消えていく魔王の後ろ姿を、ゴルドバスとリュシンと共に見送り続けた。
「 今度の勇者は得体が知れぬ……イレギュラーか……
ふっふっふ……実に面白い 」
闇の中、一人佇む魔王の顔に笑みが浮かぶ。
魔王である自分に対し、真っ向から視線をぶつけてきた青年。
首を洗って待っていろと言わんばかりの、敵意を籠った視線。
――過去の勇者の中にかつてこんなヤツは居ただろうか?
そんなかつてない強敵の予感に心躍らせる魔王は、まさに大胆不敵。
( しかしどうにも解せぬ。
今回に限って起きたこのイレギュラー……
まさかあの事が関係しているのか……? )
魔王の浮かべていた笑みが消える。
大胆不敵である筈の魔王が抱く、唯一の懸念。
それは意外にも勇者の事ではなかった。
( 勇者召喚の以前……ふた月ほど前から感じていた奇妙な違和感…… )
今よりふた月前、それは人間側が異界より勇者を召喚するために忙しく動いていた時期。
その頃から魔王が感じ始めた違和感……否、それは違和感などという生易しいモノではなかった。
( 微かだが、確かに感じ取れるドス黒い闇の気配。
我にも分からぬ……一体この世に何が入り込んだのか……? )
不気味な気配を放つ、勇者とは異なる別のナニカ。
勇者のような強敵の可能性もある。
しかし勇者に感じたような心が躍るものは、魔王は感じていなかった。
どちらかと言えば、悪しき予感……そんな言いようのない胸騒ぎを魔王は感じていた。
そんな中で今回の勇者が今までと違うという点……魔王にはこれが単なる偶然とは思えなかった。
「 我の知らぬ所で動く何か……
勇者召喚の混乱に乗じ、異界より何かよからぬモノが、この世界に紛れ込んだか……? 」
「 あ、あの……サトシさん…… 」
モンスターの群れを一掃し、聖たちが再び『 光の神殿 』へと歩を進める途中でのこと。
最後尾を歩く聖に、モニカが遠慮がちに声を掛けてきた。
「 先ほどは助けていただいて、ありがとうございます。
そ、それで……そのぉ…… 」
顔を真っ赤にしながら、モジモジしているモニカ。
何かを言いたそうに顔を上げては、恥ずかしいのかまた俯き、それを繰り返している。
( こ、これは……まさか……フラグが立ったのか……? )
切っ掛けとして考えられるのは、先ほどトロールの一撃から身を呈してモニカを守った事。
小説だったらヒロインが主人公に惚れるイベントである。
( おおおっ!? つ、ついに……
いや、待て俺……ついさっき生まれ変わるって決心したばかりじゃないか。
こんな事くらいで動揺してどうする!?
俺は勇者だ。
どんなに好意を向けられても、ドシッと構えて貫禄を崩すわけにはいかない! )
分かってはいながらも、モテフラグの予感に湧き上がるテンションを抑えられない聖。
そしてモニカの内心はというと
( どうしよう……やっぱり教えてあげた方がいいのかな…… )
モニカはチラリと聖を……その下半身に視線を向ける。
( ズボンのチャックが開いてますって……
や、やっぱり無理!? 恥ずかし過ぎて言えないようぅ~~! )
現在の聖はなんと、社会の窓は全開であり、
その事に気付いていなかった。
( っていうか何で、皆は教えてあげないんですか~~!? )
モニカは涙目の視線で他の三名へと訴える。
それぞれの表情が、こう答えていた。
( だって、オモシレぇし! )
( ここで教えるなんて、勿体ないじゃん♪ )
( そんな残酷な事を教えるなんて、私には出来ない…… )
答えが残酷だった。
次回、そろそろ四天王との戦いに入りたいかな~~?と……