表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/19

冒険者と初報酬

300年後の町か。 

 なんか、仲間も出来たし、ちょっと楽しみだ。

 

翌朝、町に向かって出発した。

 向かうはミルガルド王国、ダルーシ。

 何度か魔物に遭遇した。強い魔物もいたが、難なく倒した。

 魔物にもランク付いている。倒した魔物はDとCランク。Bランクもいたな。

 Cランクの冒険者とは、中々強いらしい。俺はほぼ何もしていない。

 ほとんどの魔物は、素材や食料として買い取って貰えるとか。

ただ、魔物を運ぶ収納アイテムが高額らしい。

 なので、魔物の一部を切り取りギルドに提出する。そして見合った報酬を貰う。

 俺が空間収納魔法を使えると聞いて、皆大喜びだった。

 転移する前に収納した物は、全て無くなっていたが。

 夕暮れになり、ようやく町に到着した。

 町へ入る検閲も、ベイル達が身元保証人になってくれたので問題なく入る事が出来た。

 町を守る衛兵が俺の髪を見ていた。

 今でも黒髪は珍しいのか。

「先ずはギルドに報告に行こう」

「ベイル、ここはミルガルド王国の町なのか」

「ああ、ダルーシの町だ。歓迎するぜ、アリスト」

 ここは帝国領内だな。

 あの荒れ果てた土地が、こんな活気のある町に。良い町なのだな。

 建物も以前よりも造りが頑丈そうだ。服装も見慣れない物だ。時代は進んでいるのだな。

 300年か・・・

 中央通りを進むと左右に色々なお店がある。武具や食事処、生活雑貨、服装品、娼館通りなど、多くの店がある。露店では野菜や、小道具、装飾品、焼き串などいろいろだ。

 すごいな、300年前の町とは大違いだ。

 んっ、奴隷商もあるのか。

しばらくすると広場があり、噴水の中心に銅像が立っている。

「なあ、あの銅像アリストに似ているよな」

 ベイルに言われ銅像を注視する。

「誰の銅像だ」

 レイラが笑って答える。

「きまっているでしょう。英雄アリストよ」

 俺の銅像かよ。驚いた。

「まぁ、名前が同じだから似ている気がするだけさ。ははは・・・」

「そうだよな。気のせいか」

 ベイルは笑った。

 銅像とか恥ずかしすぎるだろ。

しばらくすると大きな建物が見えて来た。

「あれが、冒険者ギルドだよ」

「へー、立派な建物だな」

 扉を開け、中に入る。

 広いフロアにテーブルとイスが備えてあり、何人もの冒険者がいた。

 酒や軽い食事をする者、数人で会議をする者、様々だ。

「活気があるな」

「おう、ここのギルドは活気があるんだ。アリスト、こっちだ」

 ベイルに促され、カウンターに向かう。

 受付カウンターには制服を着た綺麗な女性達が数人働いている。

「あーベイルさん。お帰りになられたのですね。ご無事で何よりです」

「おう、ただいま。ルーシー。早速だがギルドマスターに依頼の報告をしたいのだが」

「はい。ギルドマスターは書斎にいらっしゃいます。所で、そちらのイケメンさんは」

「ああ、彼の冒険者登録をお願いしたい」

「まあ、新人さんですか」

「アリストです。よろしく」

 ルーシーはマジマジとアリストを見た。

 この辺りでは珍しい綺麗な黒髪と黒い瞳。高身長で色白のイケメンなんて、早い者勝ちじゃない。

「おい、ルーシー」

「あ、はい」

「ボーとして、どうした。顔も赤いし」

「すみません。一番有名な英雄と同じ名前だったもので」

「実力も英雄並みだぞ。俺達はアリストに助けて貰ったからな」

「凄いですね、Cランク冒険者を助けるなんて」

「ハハハハッ、だろ」

 ベイルは大笑いした。ルーシーも微笑む。

「では、ギルドマスターのお部屋にご案内します」

 レイラが耳打ちして来た。

「あれは,アリストに見とれていたな。あんた魅力的だからね、惚れたか」

「レイラ、冗談だろ」

「あの子は人気あるからね。野郎共に睨まれるよ」

 ハッハッハッハーと豪快に笑うレイラ。

 魔族との戦い、人族滅亡の危機。そんな状況の中、物心ついた頃から修練と戦いばかりだった。魔物に魔族、最後は魔王だ。

 過酷な戦いの中では生き残る事が全てだった。

確かにルーシーは可愛い。白い肌に大きい栗色の瞳。長い栗色の髪も似合っている。

あどけない笑顔がさらに可愛さを増しているとは思うが・・・

 不意にルーシーの声が聞こえた。

「ギルドマスター。ラタールの翼の方々をお連れしました」

 着いたのか。

「おう。入れ」

部屋の中から威厳のある声が聞こえた。

「ベイル。俺も良いのか」

「当たり前だ。アリストはもう仲間だからな」

「では、遠慮なく」

 部屋に入ると屈強な男が待っていた。

 おー、見るからに強そうだ。引退した冒険者か。歴戦の戦士という風貌だ。

「無事帰ったか。まぁ座れ」

 全員がソファーに腰かけた。

 座り心地が良いソファーだな。高価な代物だろう。

「まずは、依頼の報酬だ」

「ありがたく受け取るぜ」

 テーブルに置かれた報酬を受け取るベイル。

「して、こちらの彼は」

「今回の件で助けて貰った新しい仲間だよ」

 ベイルに言われ、俺を見る。

「ほう、黒髪か珍しいな」

 そんなに黒髪が珍しいのか。

「アリスト・イザナキと申します」

「ギルドマスターのグライム・シャルディーニだ」

 グライムはベイルに顔を向けた。

「で、どうだったのだ。報告を聞こう」

「今回はアリストのおかげで無事生還できた」

「するとお前達にも手に負えない魔物が出たと言う事か」

「ああ、ゴブリンの大群とゴブリンジェネラルだ」

「ゴブリンジェネレルだと。すると大きな巣が出来ていると言う事か」

 ギルドマスターは考え込んだ。

「早急に対策を打たなければ。それで、ジェネラルをアリスト君が倒したと」

「ああ。それもジェネラルとゴブリン100匹程を魔法1つで全て倒したんだ。驚いたってものじゃなかったぞ」

「本当の話か。信じられん」

 ギルドマスターが俺をジロジロ見ている。

 う~ん。居心地が悪い。

「だが、礼は伝えよう。ありがとう、アリスト君」

「いえ、たまたま居合わせただけですので」

「たまたまね」

 怪しんでいる。

ギルドマスター、アリストは冒険者登録をしていないんだ」

「ほう。君ほど強いのであれば、身を立てる事も容易であろう。これまで何をしていたのだ」

「実は、最近の事を思い出せないのです」

「アリストは帝都廃墟で倒れていて、記憶が途切れているらしいんだ」

 ベイル、ナイスだ。

「倒れていた?記憶喪失というやつか」

「はい、記憶が途切れていまして」

 鋭い視線が痛い。

「うむ。悪意がある様には見えないな。ベイル達が信頼しているのであれば、信じる事にしよう」

「出来れば俺達と同じCランクで登録出来ないか」

 ベイルが深々と頭を下げ願い出た。

「では明日、緊急クエストの依頼をギルドから出す。内容はゴブリンおよび巣の殲滅だ。参加資格はCランク以上。勿論お前達も参加してもらうぞ」

「ああ、それは良いが」

「アリストも参加してもらう。私も同行し、実力をこの目で確認する。勿論報酬も出す。どうだ」

「もちろんオーケーだ。な、アリスト」

 ベイル、勝手に。

 だが、あの廃墟には、ジェネラルより大物が居るのは確実だ。

 仕方がない。いざとなったら俺が仕留めるか。

「はい。宜しくお願いします」

「では、登録は明日以降にしよう。明日に備え今日はゆっくり休んでくれ」

「了解した。ギルドマスターこの後狩った魔物を換金しに行くんだが、来るかい。アリストは空間収納を使えるんだぜ」

「ベイル。空間収納を使える者は極少数なのだぞ」

「だよな。俺も初めてみたよ」

「多いのか」

「驚くぜ」

「では裏の倉庫に直接行こう」

 隣接の倉庫に着くと体格の良い40才くらいの男が作業をしていた。

「ラゼット」

 ラゼットと呼ばれた男は振り向いた。

「お、マスター。ここに来るのは珍しいな。ん、ベイル達も一緒か」

「ラゼットさん、お久しぶりです」

 ベイル達は一礼した。

「解体を頼む」

「解体ね。で、魔物は」

「今、出しますね」

 空間収納から魔物を取り出す。

 山の様に積まれた魔物をみて、ギルドマスターもラゼットも目が点だ。

「おいおい、空間収納も驚いたが、この魔物の数は・・・」

 ベイルはニヤニヤしている。

「これは、Bランクのブラッド・スネークじゃないか」

 更に驚くラゼットとグライム。

「アリストが倒したのさ」

 何故か自慢げなベイル。

「兄ちゃん凄いな」

「ああ、コイツは凄いんだ」

 ベイル、嬉しそうだな。悪い気分ではないけどな。

「全部買取りで良いのかい」

「ブラッド・スネークの鱗を鎧一つ分だけのこして、残りは全部買取りでお願いします」

 ベイルが鱗を指して答えた。

「お、鱗があるのか。かなり希少だな」

 蛇系の魔物に鱗なんてあったかな。

「ラゼットさん。鱗はそんなに希少なんですか」

 不思議に思い、訪ねてみた。

「兄ちゃん。ブラット・スネークは50年以上生きるとな、稀に頭の後ろに鱗が数枚出来る事があるんだ。これがドラゴンの鱗と同等の価値がある」

「そうなのですか。運が良かったですね」

「ああ、幸運だぞ。よし、この量は少し時間がかかる。2日は見てくれ」

「宜しくお願いします。ラゼットさん」

 ベイルは頭を下げると、皆はニコニコ顔で冒険者ギルドを後にした。

 宿に戻る前に、大衆食堂で食事をする事にした。

「いやー、アリストのおかげで良い依頼になった。無事生還に乾杯」

 ベイルの掛け声で祝杯を上げた。

「ここは美味いって評判の店なのよ。ジャンジャン頼んで」

 レイラは、上機嫌だな。もう酔っているのか。

 ベイルが報酬を取り出し、5つに分けた。

「一つはパーティーの資金だ。残りはアリストも含め山分けだ」

「俺も貰って良いのか」

「当たり前だ。もう仲間だからな。買取り分も山分けだ」

 レイラもクルーシも強く頷いている。

「そうか、ありがとう」

「それじゃ、新しい仲間に乾杯よー」

 クルーシは立ち上がりジョッキを掲げた。

 全員がそれに続く。

「カンパーイ」

 大切な者を、失う日々だった。両親や戦友達。

 こういう感じ・・・良い物だな。


俺の銅像が在るとは。なかなかの出来だった。

 しかし、300年経つと、色々変わっているのだな。


次はみんなで魔物を狩りに行くぞー。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ