表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/12

第7話 それから

『それで、これからどうする?…人里でも探す?』


「人里を探すって……さっき魔女は本来人類の敵みたいな話ししてたけど、この姿で人前に出ていいの?」


魔女になった人間には、生前にはなかった猫耳が生えるらしい、つまりは普通に退治されそうとしか思えないのだ。


『生まれつき猫耳が生えてる人間ってのも、たまにはいるから、一応町には入れるよ。たぶん…』


今、たぶんって言った?なんか普通に不安……


「でも、話によればノアの母親って少し有名らしいじゃん? じゃあ、ノアのこと、知ってる人は知ってるんじゃないの?」


確かノアの母は、死後自室や物置から見つかった多くの魔道具には、原理や使い方が未だ不明なものも多く、魔術界の要人たちからも割と注目されていた、とか言っていたか。


『さあ? でもこのまま野垂れ死ぬよりは希望があるんじゃない?』


確かに、このまま森の中にいてもいつか力尽きるだけかもしれない。

それもそうだと思い、僕たちは人里を探そうと歩き始めた。


………………………………………………


4時間が経過


「全然人の気配が見つからない………」


『しかたないよ、まだ数時間も経ってないし。』


「僕たちここで野垂れ死ぬのかな?」


『流石に気が早いって。』


よくよく考えたら、人里をそう簡単に見つけられたら、遭難死なんて起こらないだろう。

普通に数日かかるのは覚悟しておいた方がいいのかもしれない。


「まあでも、こんだけ経ってもまだお腹が空いてないのは、魔女の身体様々だね。」


『いや、それは元からの体質だよ。でもちゃんと飲み食食いしないと普通に倒れるからね……』


魔女とか関係なく、元からなのか……


「"普通に倒れる"って、一度倒れたことあるの?」


『うん、あのときはみんなにすごい心配かけたなぁ…』


ノアは遠い目をして呟く。


そういえば倒れるといえば、この世界の医術はどのくらい発達してるのだろうか?

大昔の医療とか聞くとビビるくらい意味不明な医療法とかあったりして、異世界の医術とか言われてもあんまり信用できないのだが。 


「この世界の医師って手術前にちゃんと手洗うのかな……?」


『え? 普通に洗うと思うけど…』


よかった、そこは普通にちゃんとしてた。


……………………………………………


『………………ねぇ、そういえば、レイちゃんは猫耳を増やすあの技って、今も使える?』


これは話に出てきた、猫耳の群生を触手のように使う技のことであろう。


「うーん、使えるとしてもどうやったらできるのかな?」


とりあえず、たくさんの猫耳の山が生えるのをイメージしてみる。


「な、なんかはえろ〜!」


………足元にキノコみたいな手のひらサイズの猫耳が3本生えた。


「……できたけど、しょぼいね……」


『……なんかもっと、ドババーって出せないの?』


今度はもっともっと強くイメージしてみる。


………今回はちゃんと足元にたくさんの猫耳が生えてきた。


「おー」


そして、その猫耳キノコはそのまま柱のように群をなして成長し、そのまま猫耳を見下ろしてた僕の頭に勢いよくクリティカルヒットした。


「ぐゔぁ゛ぁ゛!」


『レイちゃん!!』


危ない危ない、危うく気絶するところだった。


『ちょっと! それもともと私の体なんだから、顔に消えない跡とか残さないでね!!』


そういう問題かな?


「ん?消えない跡って、治癒の魔法で消せないの?」


『治癒の魔法って言っても万能じゃないから、それくらいはたまに残るよ。』


そういうものなのか。


『他にも、病気は種類によっては普通に治らなかったり。

あと、腕が千切れるみたいに、患部がそもそも消えてるときは、数日とか経ってると治せない時もあるかな。』


「え、じゃあ心臓とか破裂してもちょっとしか経ってなかったら、治せるってこと?」


『あー、心臓が破裂しても生きてる人間がいるなら、できるかもね?』


「つまり無理ってこと?」


『………もしかしたらレイちゃんは魔女だし数秒間は生きれるかも、一旦やってみる?』


「さすがに遠慮しとく」


……………………………………


そうこう言ってるうちに、辺りの空が曇って雨が降り出してきた。


『あー、これじゃ夜になっても火が付けられないかもね。』


「火? 火なんて何に使うの?」


言った後に思ったが、夜の森とかすごい暗いだろうし、照明は普通に必要かもしれない。


『そりゃ、《《黒猫》》を追い払うのに使うんだよ。』


全く想定してなかった答えが帰ってきた。

黒猫?どういうことだろうか……


『あ! でもレイちゃんは魔女だから追い払わなくても大丈夫かな?』


………良くわからないが、おそらく話に出てきた黒猫とは、僕が知ってる黒猫の意味ではないのであろうことは推察できた。


「あーー、黒猫ってなに?」


『あ…あー、これも知らなかった? 黒猫って言うのはね……』


………話によれば、黒猫とは、夜になると現れる魔獣の一種で、固有魔法と同じく日光や火の光だとかに弱いらしい。

そして、黒猫が魔女の命令に従いながら戦いに参戦するところが目撃されてるらしい。


「でもさっきの猫耳のことを考えると、すごい不安じゃない?」


さっき僕は、猫耳の触手をあまりうまく扱えなかった。そう考えると、その魔女の特権もあまり信用はできなさそうだ。


『うー、それは確かにそうだね……』


じゃあどうしようかと、なにか考えようとしたとき、唐突に目の前が開ける。

木々を抜け、少しだけ開けた場所に出たようだ。

目の前には大きな湖が広がっている。


「水が汚い…絶対飲んじゃいけないやつじゃん……」


すると突然、大地を切り裂くが如き強い風が吹いた。


「また強風!?」 『なに!?』


雨が横に強く打ち付ける。水滴が服と肌に当たってチクチクする。


その奥には宙に浮かぶ4つの影が見えた


さっき戦ったのと同じようの両手に鎌の付いたフェレットたちであった。


『イヌカマキリ! しかも4匹も……』


こいつらそんな名前だったんだ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ