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第6話 治癒魔法

『....というわけで、わたしは死んじゃってわけ。

人生何があるかわかんないもんだね!

....レイはどう思う?』


「それは....」


『……………ごめん、こんなこと聞かれても困るよね……!』


『まあ、レイちゃんが悪い子じゃなかったら、また元の日々に戻れるかもね……なんかちょっと希望が見えてきたよ…』


「.......」


『こんな重い話しはもうやめよ!もっと別の話しよ?』


まあ、こんな暗い話をしてたところで、なにかいいことがあるわけでもあるまい、たしかになにか別の話がしたいところだ。


「......そういえば、固有魔法で治癒が使えるって言ってたよね。じゃあ、この右腕の、治したりとかできるの?」


『……………』


「ノア?」


少し不自然な沈黙が入った。


『え、あーーー できるよ?やってあげようか?』


今の間はなんだろうか?


「うん、お願い。」


『じゃあ、この幽霊の状態じゃ多分できないから、一旦、憑依 してみるね。』


ノアが近づいてきて、僕の身体にめり込む。

すると、自分の口が、目線が、勝手に動き出した。

これがさっきの話にも出てきた憑依している状態というやつであろうか。


「この体が自由に動かせる感じ…わたしが死んでからたぶん半日も経ってないはずだけど、それでもなんか懐かしく感じるよ…」


そういって、ノアは辺りの空気を吸う。


「まさか死んじゃうとは、思ってなかったなあ……………」


「…………感傷に浸ってるところ悪いけど、治癒魔法は?」


「あ、忘れてた…、右腕…やらないとだね。」



ノアはそう言うと、いきなり自分が着ているワンピースを脱ごうとしだす。


「ちょ、ちょっと待って!?!?」


そう言って僕は体の主導権を奪い取りその動作を全力で拒否する。


「え…? レイちゃん? どうしたの?」


「どうしたもこうしたもないって!!なんで服を脱ごうとしてるの!?」


「何って、傷口を隠すために……。」


「傷口を隠す?…なんで?」


治癒魔法を使うこととその行為に何の関係があるのだろうか。


「あ、もしかして知らない? 固有魔法はね、日光とかが当たると働きが弱まるの。」


「 え、そうなんだ……」


なんか想像よりもだいぶ使いにくそうだな……


「……でも、服を脱ぐことになんの問題があるの??」


「いや、僕も男として、女の子の下着姿を見るのはちょっと……」


「???」


ノアが脳内にはてなマークを浮かべている。そりゃそうか。


「男?……いやどう考えても、女の子でしょ?」


「いや、今の体は女でも、心は男だから……」


「 ……??」


異世界にもLGBTへの理解を求む……


「とにかく!ダメ、絶対ダメだから!」

「とりあえず……これで何とかならない?」


そういって、僕は左腕の袖を引き千切った。


「あー もったいない!」


「いやそもそもボロボロの服だしいいじゃん。」


このワンピースはさっきの戦闘で引っかかれたせいで普通に結構ボロボロなのである。

ボロボロのワンピースにもったいないもなにもあるのだろうか?


「ま、まあ…それでも…できなくはないかな……」


そういってノアは、右腕の断面部分にさっき破った袖を被せる。


そして左の手のひらから幾何学的な魔法陣のホログラムが展開される。魔法陣には、赤、青、ピンク等のカラフルな模様が入り混じる。


「おーー、よく分からないけどなんかすごそう…」


学校だったら最低評価をつけられるような感想を口にしながら、僕はその光景に魅入っていた。


そして、右腕の感覚が戻るのを感じ……感じ………

………あれれ?一向に治る気配がない……


「……全然治ってなくない……?」


「布1枚だけだとちょっと薄すぎるからね… 治りきるまであと……たぶん3時間くらいかかるね。」


3時間? 3時間この姿勢のまんま?


「まじで?」


「うん…」


服脱ぐの拒否するの、やめといたほうが良かったかもしれない……


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