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第4話 猫耳の群生

ガラガラ.... ガラガラ....

真夜中のある館の寝室、窓の方から物音がする。


ガラガラ.... ガラガラ....


その音を聞いて目を覚ました少女が一人。


「なんの音?」


11歳のアルビノの少女は、その寝ぼけた青色の瞳をパチクリさせながらそう言った。


すると音が止む。静寂があたりを包んだ。


「?」


少女は窓に近づく。

すると突然、窓辺から数多の()()の群生が生えてきた。


「キャ!!」


それはまるでキノコのように、大小様々な猫耳が集まっていた。

それらは大量に群がって触手を形成し、首に絡まってきた。


(い、息が....)


少女の左手から幾何学的な模様とともに()()()が展開される。

刃は、曖昧でグニャグニャしたシルエットで発光している。


(こ、これで...)


少女は触手に向かって、刃を切りつける。

触手の()()が大きな音を立てて崩壊する。

その断面には霜が滲んでいた。


しかし、残念、触手は猫耳の群生体で、集合体なのだ、一部が傷ついたところで意味はない。


そして、少女は気絶した。

その後どうなったかは..... 言うまでもないだろう。



この日、少女ノア・ アーバンティアは亡くなった?


…………………………………………………………


14歳の少年 スティグマ・アーバンティアは、

雷のような騒音を聞き、目を覚ました。


(雷か....)


寝ぼけた頭でそれが雷の音だと判断し、すぐに寝そうになる。

たが、少年はすぐにそれが雷の音でなかった音ではなかったと思い直した。


(いや....もしかして今のは....ノアの光の刃の音?)


彼の妹 ノアは、光の刃と治癒の2つの固有魔法を持っている。 

光の刃は文字通り、光る刃を出して、物体に強力な一発を放てる固有魔法だ。


ただ、欠点として、一回使うだけで気絶してしまうことが挙げられる。


もちろん気絶したそばから無理やり起こせば、すぐにもう一度使わせることもできるかもしれないが、負荷を考えると、どう考えても連発は推奨できないだろう。


そして、この魔法が発動したということは、おそらく....


(ノアに何かあった?)


少年はボサボサヘアーを持ち上げて、部屋から出ようとする。

ただ、寝ぼけて思考が遅れたせいで、音が鳴ってからかれこれ8分が経ってしまっていた。


………


「ノア?」


ドアを開けて部屋から出たとき、廊下の奥に小柄な影が消えていくのが見えた。


おそらくノアであろうか?いや、そう考えると、おかしい。なぜならば、光の刃を発動したならは、必ず、気絶してるはずだ。


ならば..... 最悪の可能性も考慮せねばならないだろう。


「ノア!!どこに行く!!」


急いで追いかけた、が、見失う。

月明かりの中、少女の影を追うにはこの館は広すぎたのだ。


…………………………………………


彼は父親や召使いたちを起こして、手分けしてノアを探し始めた。

護身用に、柄に刺した自分用の剣を持ち歩く。


「ノア!!いるのか!!!」


ふと、廊下脇の第二倉庫に、目が移る。


第二倉庫には、今は亡き彼の母の、使い方もよく分からないような魔道具がたくさん積んであった。


(もしかして、倉庫の魔道具でなにかイタズラしようとしてる?)


そう、ノアはたまにイタズラをするのだ。

壁に猫のラクガキをした事もあった。 

飼っているオウムにちょっかいかけて怒らせてたり。

ドアを開けたらヘビのぬいぐるみが勢いよく顔に飛び付いてきたこともある。


あと、ドアの前になぜかキュウリを置いてあった事もあった。(どうやら本人は、なぜか彼がこのキュウリを見てびっくりすると思っていたらしい。)



そしてそのイタズラの中には、母親の作った魔道具を利用したものもいくつかあった。


だから、もしかしたらノアはいきなり夜中にいきなりイタズラをしたくなったのかもしれない………という誤った憶測。


少年は第二倉庫のドアを開け、魔道具の照明をつける。


すると、倉庫の奥の影から、赤い目をしたワンピースの少女が飛び出してきた。


「あれ、お兄ちゃん....ここで何してるの?」


「ノア! それはこっちの..... え?」


少年は、少女の姿を見て絶句する。

なぜならば、その頭には、本来なかったはずの()()が、生えていたからだ。

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