第2話 襲来!フェレットもどき!
瞬間、何かを弾くような音、宙を舞う誰かの手。
そして、自分の右腕の途中から先がなくなっていた。
(これは、誰の手?この右腕はどうなってる?)
いきなりのことに動転して、一瞬、簡単なことも理解できなくなった。
だけど、すぐに僕は理解した、
これは自分の腕を何かに切られたことを。
そして、その切った存在に意思があるならば、
間違いなく、二撃目がすぐに来るだろうということも。
(追撃が来る、避けないと!)
目の前から、斜めの斬撃が飛んでくる。
全身の筋肉をフル稼働させ、斜め右に滑り込み避ける。
(とにかく逃げよう!)
そう思い、走り出す。
たが、後ろから風を切る音が、すぐに距離を詰めてきた。
後ろを振り返る、フェレットのような動物が宙を飛びながら追いかけてきていた。
その両腕はカマキリのように途中から鋭くなっており、両腕をまさにこちらを切り裂かんと振り上げている。
(これは、避けるのは無理そう...なら!)
足元のちょっと大きめの石をいきなり拾い上げ、後ろ投げつける。
フェレットはいきなり飛んできた石に対して、片腕を振り下ろし石を切り裂いた。
僕はすぐにUターンをした。
(できれば両腕を振り下ろしてて欲しかったけど!)
斜め振り下ろされたもう片方の腕を、右下に避け、通り抜けた。
僕は後ろを振り向いた。
そして、フェレットの変化に気づく。
(ん?あれ?)
フェレットの右腕が途中で切れて少し血が滲んでいた。
おそらく自分の鎌が左腕に当たったのだろう。
(でもあんまり出血してない、ってことはこれ自体は割とよくあることで、折れてもすぐに生えてくるのかも。)
おそらく、最初は片手のみで攻撃してきていたのも、これを避けるためたったのだろう。
まあ、とりあえず相手の手数が減ったのは良いことだ。
これなら、距離を詰められても、避ける余裕が十分にある。
その後も数回ほど距離を詰められては、避けるを繰り返す。
「はぁ... はぁ...」
だんだん息が切れてきた。
それに対して、相手はまだまだ余裕そうだ。
(だめだ、このままじゃジリ貧だ。
なにか、新しい一手が必要.....)
(.....そういえば、さっき腕を切られた時、何かを弾くような音がしたような。)
(いや、そもそも、僕はなんであの時右腕《《しか》》切られなかった?)
思い返してみると、あのときの距離感と、腕を綺麗に切り裂く鋭さを思えば、僕の胴体ごと一緒に切れていてもおかしくないように思える。
もしかして、一番最初に振り下ろされたフェレットの左腕は、僕の右腕を切り裂いた先で、何かに当たって弾かれた?
あの位置関係で軌道上にありそうなもの...
(ペンダント....?)
(十分な確証はないけど、試す価値はある...)
僕はペンダントを首元から外した。
振り返ると、フェレットがこっちを切り裂かんと迫ってきていた。
僕はその斬撃を横に避けながら、ペンダントのチェーンに引っ掛けさせる。
予想通り、フェレットはチェーンを切ることに不可解にも失敗していた。
(やった!!)
その鎌の根元を足で押さえながら、チェーンで全力で引っ張った。
(おりゃぁぁぁああああああー!)
(!!! よし、やった!折れた!!!)
両鎌を失ったフェレットは、そのまま噛みつこうとしてくる、そのアゴを片手でガッチリ掴んで口を閉じさせるた。
暴れる両の後ろ足に引っかかれながらも、そのまま何度も何度も足で蹴りつける。
(頼むから!!早く!!死んで!!)
そのうち、フェレットは動かなくなった。
「はぁ....ほんとに死ぬかと思った...」




