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【連載版】狂犬の……  作者: いずみあおば
10:東奔西走
388/414

67

「俺たちはどうすればいい?」



 おや、ストマからの質問?

 まぁ、のんびりしてろとは言い難いしなぁ。



「ディーマス家の者達をちゃんと抑えておいてくれ。

 当主の弟、侍従侍女、確か姉もいたんだよな?

 そういった人物に邪魔されると当日中に終えられない。

 その面々を暴走させないで。

 あ、これはルドルフの家の時も同じだよ?」


「……分かった。

 姉上は……部屋に閉じ込めておくか。

 叔父は外に出しとけば適当に遊んでくるだろ」


「不倫相手か? まぁ、構わんよ」



 ……あれ? 何でそんなに驚いているの?



「誰から聞いた?」


「誰からかは言えない。

 けど、当主の弟夫妻は特に子供残すこと考えてなさそうとか?

 両方とも愛人囲ってる可能性があるとか?

 なんでお互いの存在を気にせずやりたい放題かもしれないって噂聞いたけど?

 あ、ベッドの上でもヤリたい放題なのかは聞いてない」


「そこは俺も知らん(赤ッ)!

 ……ニフェール、初めてお前が恐ろしいと思ったよ。

 どこまで情報仕入れているのやら」


「偶然情報が入っただけだからねぇ。

 僕の努力の結果とかじゃないからあまり自慢できない」



 チアゼム侯爵と少し話した際に話題になった程度だから事実かどうか知らない。

 でも、あの反応なら大当たりっぽいな。

 侯爵、そのニヤつき顔止めな?

 

 ちなみに当人は情報ばらしたの気づいてないようだけど。



「まぁそこらは置いておいて、僕らがやることは王宮側が付いている。

 なので、親族が何も知らずに邪魔なんてしたらかなり不味い。

 これは分かるよね?」


「あぁ、俺たちは分かる。

 だが叔父や姉が理解できるかと言われると……」



 そこで目を逸らさないでほしかったな……。

 キッチリ理解させてほしいのに。



「……ラーミルさん、マリーナさんだっけ?

 あの人、まともに人の話聞きそう?」


「無理ですね。

 単語は理解できる、言いたいことも何となく理解できるはずです。

 でも、そこから自分に都合のいいように捻じ曲げようとするので……」


「あ、やっぱり。

 プロブに騙されたと知った後に即刻コナかけて来たからなぁ」



 ……あれ?

 皆さんなぜ驚くの?


 なぜか代表としてストマが質問してきた。



「ニフェール、うちの姉から何言われた?」


「暴動の少し前に自分と婚約しないかと言われ婚約者いるとお断りしました。

 確かあの時扇子一本へし折ってたはず」



 中々の握力だったと記憶しております。



「……うちの愚姉がすまん」


「お前が悪いわけじゃ無いし、気にしないでいい。

 代わりと言ってはなんだがちゃんとコントロールしておいてくれ。

 今回のメンバーは各科の首席経験者だらけだ。

 僕にしたのと同じようにコナかけかねない。

 全員婚約者いるのに手を出してくるってどれだけサカってんのって感じだし?」


「分かった、そこはディーマス家の者として必ず止めてみせる!」



 今までで一番真面目な表情で返答を貰った気がする。



 その後も一通り流れを説明して話し合い終了。

 ……レルカとクレイが大人しかったな。

 もっと邪魔……色々質問責めするかと思ってたんだが。



「ニフェール、これで終わりだな?」


「あ、あぁ。

 一応言っておくが、これから皆さん仕事に戻られるから付きまとうのは無しな?

 王宮には打ち合わせのために来たんであって邪魔しに来たわけじゃないだろ?」



 ギクッといった感じの反応を見せる二人。

 フェーリオとジル嬢も呆れの視線を送っている。

 そりゃそうだよなぁ。



「レルカ、クレイ、理解した?

 お前らの欲望の為に集まったわけじゃないんだ。

 皆さん仕事中だけど大事な話だから集まってくださったんだ。

 そこを間違えるなよ?」


「「はい……」」



 本気で反省してね?



「では今週末はディーマス家。

 朝食後全員王宮で合流した上で向かいます」


「一応確認なんだけど、今回の調査だけで全ての犯罪が見つかると思うかい?」



 ベル兄様、ありえないでしょ?



「絶対無理ですね。

 僕の知る最高のメンバーをかき集めても無理だと思います」



 一応言っとくけど、ベル兄様もその一員だからね?



「なので、ざっと見ただけで処刑されそうな罪が見つかれば良し。

 残りはゆっくり王宮で調べればよろしい。

 この件で大事なのはディーマス・ルキミア両家で貴族派の問題が見つかること。

 それを双方の家の次期当主が積極的に王宮側に協力したこと。

 これにより家を取り潰すことを防ぐ」


「成程……なら残りの書類は誰が対応するの?」


「一応僕といつもの面々が……と言いたいところですが無理かな。

 そこまで暇じゃないので。

 現当主の処刑、そして本来奪爵しなくていけないレベルの事態が起こった。

 それを証明できれば十分かと。

 第一、例えば先々代当主の犯罪を誰が裁くの?

 加害者・被害者の親族とも生きてるか分からないのに」


「まぁ、そうだね。

 ロクでもない一族という印象を強化するだけか」


「うん、何でそこには時間を掛けない方向で。

 量刑的に処刑確定したならばそれ以上調べても時間が足りないし」



 僕だってそこまで暇じゃないしね。



「まぁ、今後の為に調査すると言うのなら調べさせてもいいんじゃないかな?

 ほら、以前スホルムに一緒に行った下位級の人たちの勉強に使えない?

 経験積ませるにはちょうどいいと思うな」


「……チアゼム侯爵、ここ数年の新人で見どころある者たち集められません?

 彼らを集めて調べさせてみては?

 これ以上ない位に経験積めると思いますけど」



 おっ、ベル兄様そうきましたか。



「……多分上司から『こいつら放すの嫌だ、返せ!』とか言われるんだろうなぁ」



 特に当人自身が使えない人の場合は仕事止まるから絶対嫌がるでしょうね。



「とは言え、これ以上ない経験を積めるのも事実。

 儂から命じてみよう」


「ありがとうございます」



 とりあえずこれにて終わりかな。



 その後、解散し各自家に帰るなり寮に帰るなりする。

 まぁ、ラシー嬢とニミー嬢がぐずったがそれは予想の範囲内。

 ラーミルさんが優しい声で「また、会いましょうね」と言ったらあっさり従う。



 個人的には「ラーミルさんは僕の!」と言ってしまいそうだが我慢。

 あの二人がいなくなった後、ラーミルさんが抱きしめてくれたので我慢!


 そこ、ルーシー!

 チョロいとか言わないで!!

 自分でも分かってるから!!!




 そうして日は流れ週末。

 朝食後、王宮に集合。

 皆でぞろぞろとディーマス家へ。



 ストマからの命令が行き渡っているのかあっさり屋敷に入ることができた。

 まぁ、侍従侍女の視線がかなり冷たいけどね。



「おぅ、来たか。

 簡単に屋敷の配置を説明してから開始でいいか?」


「あぁ、十分だ。

 んじゃ、案内頼む」



 そう言って屋敷を一通り説明してもらう。

 まぁ、大きいとか金掛けた怪しそうな置物とかがたんまりある位。

 基本的にはチアゼム家とかジャーヴィン家と大きく変わらない。


 案内されて調査すべきはざっと四ヵ所。


 当主の部屋。

 当主の執務室。

 執事長の部屋。

 侍女長の部屋。


 この位かな。



「説明はこんな感じだが、後は任せていいんだな?」


「もう少し仕事はあるからちょっと待ってて。

 まず、割り当てです」



 皆、緊張した表情を見せているが、大したこと言う気はないんだよねぇ。



「と言っても、まずは僕たちの方で隠し扉や別室等を探します。

 僕、マーニ兄、ティッキィ、カリムが探索担当。

 後、ピンポイントでナットも手伝って」


「ピンポイントって?」


「次に説明する予定の部屋にナットを割り振る予定。

 その時だけ手伝って欲しい。

 ちなみに次は侍女長の部屋

 調査担当はラーミルさんとルーシーで調べて。

 フォローとしてはベル兄様、お願い。

 なお、護衛は二名ほど」


「あ~、女性陣の護衛としてってこと?」



 良く分かってんじゃないか、ナット。



「その通り、最初に探索したら後は護衛兼手伝いでお願い」


「は~い!」



 うん、元気良くて何より。

 まぁ、なんとなくだけどこの部屋には怪しそうなのは無い気がするし。



「なぁ、マーニ様に探らせるのはなんでだ?

 こちらの認識では最大戦力という認識だけど」



 クレイ、その認識は正しい。

 ただ、一部情報が不足しているんだよ。



「僕を無理矢理鍛えたのがマーニ兄。

 つまり、僕と同レベルのことは出来る人物です。

 特に隠し扉とかその手の探索は僕よりデキるかも……」



 皆、一斉にマーニ兄を見る。

 尊敬とかじゃない、怯えとかの視線で見ているように見える。

 マーニ兄、照れる場面じゃない!



「次、当主の部屋。

 こちらはフェーリオとジル嬢が担当。

 フォローとしてはサバラ殿、お願いします。

 護衛は同じように二名ほど」


「まぁ、どこでもいいけどさ。

 ジルはさっきの発言通りならラーミルと組ませるのかと思ってた」


「婚約者いるんだからそっちと組ませた方が良くないか?

 ……まさか自分が婚約者だってこと忘れたとか無いよな?」


「あ、あるわけないだろ!」



 ここで「それなら何で顔赤いんだ?」と聞いてやりたい。

 周りの皆の視線も「いけ! そこで聞くんだ!!」という視線が刺さる刺さる。

 でも、僕は優しいからそこまで追いつめないよ?


 ……貸し一つね。



「なら問題無いな。

 で、次は執事長の部屋。

 ここはレルカとクレイが担当。

 フォローとしてクーロ殿、お願いします。

 護衛は同じく二名」


「分かった、二人ともよろしく頼む」


「は、はひ!」


「よろしくおねぎゃ(ガリッ!)……」



 ……クレイは被害無かったがレルカ?

 舌大丈夫か?



「……やっていけるか?」


「らいりょうぶりゃ、もんらいない」



 涙目で言うなよレルカ……。



「問題しかねえじゃねえか!

 本当に浮かれないでちゃんと仕事できるんだろうな?

 お前らの行動如何で今年の文官科の評価が地の底まで堕ちるんだぞ?

 ちゃんと自覚しとけよ?!」


「だ、だいじょぶだ。

 きんちょはしてりゅがなんときゃしてみせりゅ!」



 クレイ……不安要素倍マシなんだけど?

 というか、鼻血出して無いか?



「クレイ、鼻血拭け。

 クーロ殿、一応僕たちが三十分程度で先の二つの探索終わらせます。

 その後確認しに来ますので、二人がダメそうならその時教えてください。

 配置換えも検討します」


「分かった。

 とは言え、本当に緊張ならいいんだが……」


「鼻血は緊張というより興奮の様な……」


「だよなぁ……」



 正直僕もここまでひどいとは思わなかったんだけどね。



「レルカ、クレイ。

 お前等に一言。

 いつまでサバラ殿やクーロ殿、ベル兄様を偶像として見てるんだ?

 卒業後は一緒の職場で仕事する可能性もあるってのに。

 仕事場で毎日緊張して会話に苦労するとか興奮して鼻血出すとかするの?

 ありえないでしょ?」


「……分かるんだ、言いたいことは。

 でも、夢にまでみた実力者に逢えて興奮が()めやらないんだ。

 慣れれば何とかなるとは思うんだが……。

 お前だって、有名じ……あぁ、この手の会話は無駄か。

 なぁクレイ、ニフェールにどうやって説明すればいいんだ、これ?」 


「難しい相談だね、レルカ。

 こいつが偉い人や実力者に緊張って想像つかないよ。

 なんなら陛下殴る位しそうだし」


「失礼な、陛下は殴らないよ。

 王妃様が何かやらかしそうだから言葉での応酬は想定しているけど」



 多分女装系の話でガチバトルになりそうだし。



「……やっぱこいつに俺たちの繊細な心を理解しろなんて無理だ。

 フェーリオ様、ジル様、これ対処策あります?」


「諦めるのが一番なんだが……」


「運命に身を任せるとか?」



 フェーリオ! ジル嬢! 何訳の分からないこと言ってんの!!

 カル達、何頷いてんだよ!!

 マーニ兄、笑い過ぎ!!!



「なんか寮に帰りたくなったけど、とりあえず進めます。

 最後の当主の執務室。

 こちらは僕、カル、ティッキィ、カリム。

 カルは先行して調べ始めていて欲しい。

 隠し扉などの調査が終わったら混ざるから。

 マーニ兄は探索まで付き合って。

 その後は護衛達の様子見を含めて全体を見ていて欲しい。

 書類確認までは不要だよ」


「分かった。

 ついでに各部屋の調査状況位は伝えてやろうか?」


「そりゃ助かる、お願い。

 ちなみに、僕の予想だと探索で引っかかるのは当主の執務室。

 加えて、侍女長の部屋と当主の部屋は大したもの見つからないと思ってる。

 ヤバいのは執事長の部屋と当主の執務室かな」


「だな、むしろそこ以外に見つかったら驚きだが」



 だねぇ。

 僕もそう思うよ。



 その後、騎士たちを配置し調査&探索開始。

 ちなみに女性陣のとこはメリッス殿。

 フェーリオ達はペスメー殿。

 レルカたちはビーティ殿がそれぞれ護衛担当に入った。


 さて、僕たちは順番に探索しますか。




 あっという間に侍女長の部屋は完了。

 当主の部屋は……ちゃんと片付けろよ。


 なんかベッドに置きっぱなしになってるけど……これって、アレだよな?

 男性の股間の一物を模した張型。

 微妙に変色しているみたいだし、かなり使い込まれてない?


 当主が愛人に使ったのか?

 愛人が当主に使ったのか?

 聞きたくもあり、聞きたくもなし。


 とは言えジル嬢が気にするかもしれん。

 ……フェーリオに使うとか言うなよ?



「マーニ兄……」


「分かってる。

 ペスメー、そこの奴を確保しておいてくれ。

 直接手で触る必要は無いからな?」


「止めてくれ、俺だってそんなことしたくねえよ!

 まぁ、どうにかしとく」



 ペスメー殿にお任せして探索継続。

 何も怪しい所は見つからず、次は執事長の部屋へ。



「探索に来ました~。

 どんな感じです?」


「あぁ、一応仕事始まったらまともに動き始めた様だ。

 取り合えず様子見だな」


「よかった……この状態でも暴走してたら本番で外すつもりだったんで。

 んじゃ、ちょっと探索始めますね」



 ざっくり調べてみたが特に何も見つからず。

 ん~、貴族派の首魁の家だし何かあると思ったんだがなぁ。


 まぁ、最後に期待するか。


 そうして当主の執務室へ。



「おぅ、ニフェール様。

 こんなに早く来たってことは全部外れか?」


「うん、何でここに期待してるよ」


「俺に言われてもなぁ。

 俺が建てたわけじゃあるまいし」


「いや、まぁそうなんだけどね」



 軽口を叩きつつ皆で調べていく……と?

 これ、隣の壁との間が広いねぇ。

 でも、この広さだと物置にしても小さすぎる。

 この狭さだと……階段?


 一応他も見たけど怪しいのはここだけ。

 ここから階段ってことは二階か外?


 ここの壁側には本棚や美術品など何も置いてない。

 壁自体には……紋章?

 鳥……鴉かな? 鷹や鷲とかの猛禽類っぽくは無いな。

 絵じゃなく壁にはめ込んであるっぽい。


 そんなのが一つあるだけって……これで決まりじゃね?

 こいつ弄れば何か起こりそうだよね。


 探索担当の面々と話し合うが、同じ見解に達したようだ。



「壊すか?」


「ちょっと早いかな?

 まずは探ってからにしようよ。

 それでだめなら殴ればいいと思う」



 僕もノヴェール家で三連正拳突きしてるしねぇ。

 まだ一年……どころか半年も経ってないんだよなぁ。

 別時空では一年半くらい経っているんだけど。

別時空

:以前三連正拳突きが出たのが7章11話。

 2024/8/15に投稿してます。

 これ投稿予定が2026/2/7ですので、大体一年半ですね。


 なんでまだ作品中で年明けしてないんだろ?

 この調子だと今年中に次の年にいけるかなぁ?

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― 新着の感想 ―
あれ?もしかして二フィールが卒業してムフフな体験するのって別次元で5年ぐらい先?先に魔法使いになってたりして(^^;
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