表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載版】狂犬の……  作者: いずみあおば
10:東奔西走
385/416

64

 皆でチアゼム家に戻る。



「ご苦労様でした。

 これで犯罪者ギルドの意志統一は終わりですね?」


「ええ、やっと邪魔が無くなった感じです。

 次は建国祭の際に行うディーマス家壊滅の準備。

 まぁ、僕には冬季試験も待ってますけどね」


「そちらは何とかなりそうですか?」


「まぁ、秋季試験よりかは時間に余裕があるかと」



 ニヤッと笑うとラーミルさんに恥ずかしがられてしまった。



「あの時はお世話になりました」


「いえ、こちらも楽しませていただきましたので」



 特にパフパフ。

 次回があるのなら気絶せずに楽しみたいものです。



 それから解散としたが、ルーシーだけ残ってもらった。



「……なによ」


「一つ相談がある。

 ……ディーマス家に僕たちが向かう可能性がある」



 表情が固くなったな。

 やはり受け入れがたいか?



「理由だが現在次期当主ストマが現当主であるコロクタの情報を調べている。

 その情報を侯爵方に回して処罰の為の足場を固めている。

 だが……小出しにされているらしく、建国祭に間に合うか不透明らしい」


「で、あたしたちが代わりに調べてやると?」


「ついでに修道院対応の時の様にフェーリオ達も連れて行く。

 侯爵様には既に許可を得ている。

 でだ、ルーシー、いやルシミア。

 辛いならお前を置いていく。

 来るのなら覚悟を決めた上で付いてこい。

 どうするか、お前が選べ」



 悩み始めるルーシー。

 そりゃあ縁切った実家に行くと言われて簡単に判断は出来ないだろうよ。



「一応補足だ。

 まだストマと交渉してないからやるかどうかも決定してない。

 それと、行く場合のメンバーはラーミルさんとカル達。

 フェーリオ達四名。

 そして大人からサバラ殿辺りをお願いしようと思ってる。

 まぁ、パシリ対応で第二部隊にお願いするかもしれないけどね」


「自分の兄をパシリ扱いって……」


「何を仰る?

 パシらせるとしたらビーティ殿かメリッス殿だよ。

 流石にマーニ兄をパシらせるほど肝っ玉デカくないよ」



 少し悩んだ上で、参加すると宣言した。



「当時の侍従侍女がいるとは思わないのか?

 もしくはコロクタの弟とか?」


「いるかもね。

 でも、あいつら顔なんて覚えてないわよ。

 特に死んだことになっている親戚なんて覚えていられるはずないじゃない。

 あいつらの頭の容量を超えてるわ」



 言うねぇ。

 とはいえ、それも事実かもなぁ。



「なら、普段通り指示するよ。

 カル達にバレないようにうまく演じてくれ」


「そこは大丈夫。

 仕事に集中すればいいだけだしね。

 ちなみに日付等は?」


「決まってない。

 というか、ディーマス家だけじゃなくルキミア家も調べるかもしれないから。

 そこはストマとの話し合いによるかな。

 明日にでも話してみるよ。

 一通り調べるとなると週末だろうね。

 もしかすると二回に分けるかも」


「まぁ、平日は無理ね。

 学園休んでなんて言わないでしょうし」



 あ、ラーミルさんの実家の件があったか。

 でも、そんな学園休んでまでは仕事したくないしねぇ。



 その後、解散し寮に戻る。

 明日の面倒な話し合いの為にもさっさと眠る。

 そして次の日。




「……つまり、ストマに声かけて放課後時間くれって言えばいい?」


「追加でルキミアもだね。

 後、こちらはフェーリオ、ジル嬢、レルカとクレイ、そして僕。

 まぁ、喋るメインは僕だけど。

 それと、領主科の教室一ヶ所借りといて欲しいな。」


「それは構わない。

 ストマは受け入れるか?」


「正直どっちでもいいかな。

 情報出すの遅いからさっさと出せってだけだしね。

 その結果平民になろうと斬首となろうと、それは自業自得」



 そこまで面倒見切れないよ。



「……分かった。こちらでその辺りは調整しておく。

 ちなみにラシーとニミーは?」


「今回の話し合いに参加と言うだけなら構わないよ。

 ぶっちゃけ、デートだったのに割り込んじゃったからとか言えばいい。

 でも当日参加はさせない。

 二月も同じ」


「まぁ、そうだな。

 俺たちが言うのもなんだけど早いだろう。

 ちなみに放課後どこに集合する?

 食堂でいいか?」


「うん、それでいいや。よろしくね」



 フェーリオ達と調整も終え、午後の授業……もアッと言う間に終わった。

 まぁ、試験近いし。


 そうして放課後。

 食堂に集まり、領主科教室に移動する。


 なお、参加者はラシー&ニミーを除く予定メンバー。

 流石に邪魔になると思ったのか断ってきたそうだ。

 いい判断だと思う。




「で、これは何の用だ?」



 おいおいストマ、想像もつかないのか?



「お前が報告している実家の情報、小出しにして無いか?

 情報が出てこなさすぎて侯爵方が呆れかえっているぞ?」


「……なぜお前がその件に関わる?」


「そっちの実家を潰すのがジーピン家だからだよ。

 ついでに言うと、現侯爵の首を落とすのもな。

 まぁ、侯爵方から相談を受けたのもあるけどね」



 ……あれ?

 なんで驚いてるの?



「貴様が相談を受ける?

 冗談もほどほどにしろ!」


「冗談じゃないぞ?

 お前等の実家の企みを潰したのは僕だ。

 そちらの違法薬物の件、兄の結婚式への襲撃。

 どちらも僕が見つけて、潰す策を練り、家族で叩きのめした」



 何引き攣ってんだよ?



「第一、その程度のことができずに王都の暴動を止められると思うか?

 それもスホルムでの件を終わらせてから王都で制圧なんて結構無茶だろ?

 それをできると侯爵方も理解しているから今回相談を受けたんだよ」


「……あ~、一応補足する。

 こいつが言ってることは全て事実だ。

 今もなおこの王都のクズ――君の父親と同等のロクデナシ――を消している」



 フェーリオがフォロー(?)……いや、事実を説明している。

 まぁ、受け入れ辛いことは分かるけどさぁ。



「ジャーヴィン殿、本気か?

 いくら学園内での戦闘能力が高かろうと一人の現役騎士には勝てんだろ?」


「いやルキミア殿、それは違う。

 ニフェールに勝てる騎士はただ一人、ニフェールの兄だけだ。

 それ以外は一切勝てない。

 多分、大人と赤子の争いが繰り広げられるだろう。

 そして飽きたらワインを作りだすだろうな」


「ワイン?」


「頭を砕いて作る血と脳を混ぜ合わせたワインだよ。

 既に一度やっているはずだ。

 暴動の後、まともに仕事しなかった騎士隊長や副隊長を陛下の御前で潰した。

 確か……あれ、あの名前何だったっけ?」


「作戦名か? 『葡萄踏み』だよ。

 あ、素足で踏んだわけじゃないよ?

 それと飲んではいないからね?」



 ……あれ?

 レルカとクレイもどうしたの?



「ちょっと待てっ!

 お前そんなことしたの?」


「あれ、親御さんあたりから聞いてない?

 ストマやルドルフは情報入らないかもしれないなとは思ってたけどさ」


「……それ何時頃の話だ?」


「ざっくりだけど、暴動の日から二週間くらいじゃないかな?」



 二人とも顔青ざめている。

 え、そこまでマズいこと起こったの?



「……親父顔真っ青だった日かも」


「うちの父もだ……いくら聞いても理由を言わないので家族で心配したんだが」


「……ゴメン、多分それ僕の件だと思う」



 あれ? なんで視線が刺さってくるの?



「なぁ、ニフェール?

 加減って知ってるか?」


「騎士たちを赤子をあやすかのように扱うことだろ?

 あ、学園騎士科も同じだな。

 うちの弟と訓練する時の様に扱うとなぜか皆壊れるからなぁ」


「ダメだこいつ、何とかしないと」


「何とかできるはずないだろ。

 フェーリオ様もジル様も既に諦めている御様子だし」



 レルカ、やる気は認めるが、何とかできると思うなよ?

 ジーピン家をお前如きで制御でいると思うな?


 クレイ、判断が早いな。間違ってはいないぞ?

 褒める気はないがな。



「で、話を戻すよ?

 何時まで侯爵方を待たせるつもり?

 もしかして実力的に親の情報を調べることができない?」


「……調べて送っているはずだが?」


「別件で僕の報告する情報と比べると雲泥の差らしいよ?

 加えて時間もかかり過ぎ。

 そりゃあ不信感を抱くってもんだよ」



 ムッとするストマ。

 でも、あまり怒っては無さそうだな。

 時間かかり過ぎなのは自覚しているのかもしれないな。



「……お前なら簡単という訳か?」


「簡単とは言わないけど、僕の場合は実績があるからねぇ。

 スホルム対応でノヴェール家とダイナ家の調査をしているし。

 最近も内容言えないけど調査してるよ?

 ちなみに、どれくらいの量の報告してんの?

 まさか紙一枚とかじゃないよね?」


「流石にそれは無いが……数枚程度だな」


「何日かけて数枚?」


「……大体週一だ」


「遅っ!」



 いや、そりゃ遅いわな。



「一応確認するけど、ちゃんとまとめて週一で数枚?

 それとも発覚したのを散発的に送っているだけ?」


「多分後者だな」



 は? 多分って何?



「ねぇ、もしかしてストマは調査書読んでない?」


「ざっと読んではいるぞ?

 とは言え、大したことが書かれていないのでこちらも如何ともしがたいが」



 調べる奴が雑魚すぎ?



「調べているのって誰?」


「中心人物は叔父上だな。現当主の弟だ。

 他に長くうちの侍従をしている者も手を貸している」



 あれ……確かディーマス家って下種を(たっと)ぶ家だったよな?

 ルーシーが言ってた気がする。

 それに確か当主の弟の評価も良くない、というか役立たずって聞いた気がする。

 これはチアゼム侯爵だったかな?



「ねぇ、僕の認識ではお前の叔父ってかなりの役立たずって聞いたんだけど?

 そんな奴に調べさせて何をどうするつもりなの?

 誤魔化したいとか時間稼ぎしたいとか?

 それなら家ごと消えていいと思うけど」


「ちょ、ちょっと待て!

 誰が役立たずだって?」


「いやだからお前の叔父だよ?

 確か……以前チアゼム侯爵に聞いたときに教えてもらった記憶がある」



 あ、なんか頭抱えてるし。



「他家にも知られていたのか……」


「知られてと言うか、そこまで情報流出気にしてないでしょ?

 噂では子供いないらしいけど夫婦して愛人作ってんじゃなかったっけ?

 現当主に仕事任せて楽しむことしか考えてない愚物という認識なんだけど」



「……ニフェール、知り過ぎじゃないか?」


「むしろ、そっちこそ少しは隠せよ……」



 お互い呆れあってしまった。

 いや、そっちも一切隠してないだろ?

 チアゼム侯爵から聞いただけだしなぁ。



「まぁ、お前の親族の無能っぷりは置いておく。

 でもこのままだとお前は処刑対象だぞ?

 当然ルドルフも。

 僕としては男爵として生き延びるというのを諦めたのかと思ったくらいだ。

 一応確認だが、まだ貴族として生きていたいのか?」


「当たり前だ!」


「なら動けよ……このままだと本当に死ぬぞ?

 お前の首を僕が落とすことになる。

 それでいいのか? 僕は構わないんだけど?」


「俺が構う!」



 だろうね。

 ならどうする?



「なら侯爵方からの提案、僕がお前の家を調べるのに協力しな。

 それが嫌なら今年中に死ねばいい」


「……どうにか出来るんだろうな?」


「知らないよ、お前の家にどれだけ情報あるかは知らないんだから。

 でも、お前の叔父が今までやったことは一時間程度で終わっちゃうかもよ?」


「そこまでなのか?!」


「噂通りの愚物なら十分あり得るんじゃないかな?

 僕の部下は優秀だし?」



 ジル嬢、こっそり「そりゃそうですわよね……」とか言わないの!

 フェーリオも頷かない!



「というか、侯爵様たちに交渉してくるけど一・二名借りてこようかな。

 それと荷運び要員も欲しいし」


「……借りるのと荷運び要員って誰の事だ?」



 ストマが聞いてくるが、言っても分からないだろ?



「あ……」



 フェーリオ、感づいたようだな?

 大体当たってると思うぞ?



「荷運び要員は兄に頼もうかなって。

 借りるのは誰になるかは分からないから何とも……。

 もしかすると婚約者の兄君かもしれない」


「ニフェール、お前どれだけの人を動かすつもりなんだ?」


「ここにいる面々、僕の部下と婚約者、兄、文官側から数名。

 そんなもんだよ?」



 マーニ兄が何人か人連れてくるかもしれないけどね。

 ペスメー殿たちとか?



「お前の部下の人数にもよるんだが……。

 うちで調査担当している面々より少ない気がする」


「部下五名だから全部合わせも二十名はいかないと思うけど?

 運ぶのメインの人はもう少し用意するかも……」


「確実に少ないな……その婚約者とやらは使えるのか?」


「一緒にスホルム対応した人だから大丈夫。

 僕以上に頼りになる人だよ」



 まぁ【才媛】だし。



「……分かった、うちの情報調べてくれ。

 ルドルフの所もか?」


「うん、ただどれくらいの量があるか分からないし、僕も授業がある。

 週末で対応するしかないからそこは理解してほしい。

 最初はディーマス家、その後ルキミア家かな。

 その方向で侯爵方に伝えとく。

 ちなみに、そっちでも邪魔させないように叔父やら侍従やらを抑えてよ?

 面倒事になったら力づくで潰すから」


「……冗談に聞こえんぞ?」


「そりゃ冗談なんか言ってないし」



 また引き攣ってんじゃねえよ!



「と言う訳で、フェーリオたちは今週末と来週末書類調査に付き合って。

 来年予定分の事前訓練と思ってもらえるかな?」


「……ニフェール」



 おや、レルカの様子が?

 妙に真面目な顔だけど……。



「一応言っておくけど、借りて来たいと思ってる人はあの三名(●●●●)の誰か。

 都合が分からないから確証は無いけどね」


「うっし!!」



 やっぱりそこだったか。

 クレイも大喜びだし。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
まぁそういうお年頃と言う事もあって在学生はフェーリオ達も含めみんな下半身にしか栄養は行ってないようですね。二フェールみたいに母親というストッパーが居ないから仕方ないか…… それにしても先生を含め誰一人…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ