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3/5分の投稿となります。

二話投稿予定、こちらは一話目です。

 そして会談当日。



「さて、セリン家に行くぞ。

 この面倒な話にさっさとケリをつけたい」


「ええ、早く終わらせてのんびりしたいですよ」



「ニフェール兄さん、無茶はしないでくださいね」


「大丈夫だよ、無茶なんてしないさ。

 いつも通りにするだけだよ」



(そう、人の形を留めない位に殴るだけだよ。

 やらかすのならな)

 


 アムルには言えない部分は心の中にしまい込み、戦場(セリン家)に向かう。




 戦場(セリン家)で双方顔合わせというところで、僕の方に異変が起きた。

 擬音で説明すると、こんな感じだろうか?




 ズ ッ キ ュ ー ン ! !




 グリース嬢……の隣に座られた女性。

 二十歳くらいの……胸に大きなお持ちものが鎮座しておられる。


 お恥ずかしながら、うちの家族の男どもは皆似たような性癖を持っている。

 直截的な発言は避けるが……。

 大きな包容力(比喩表現)のある御姿をされた女性に釣られている。


 包容力(比喩表現)の範囲は個々で微妙に好みは違うが。



 僕にもその血は流れていたようで既に心を奪われていた。

 だが、それと同時に自分のものにはならないことも分からされていた。


 席の並びが当主・当事者である娘・心奪われた女性の順で並んでいる。


 となると、この女性は当主の奥様である可能性がとても高い。

 ただ、当人の年齢と娘の年齢から察するに後妻って奴だろう。


(伯爵ともなれば若い嫁さんゲットできるんですねぇ、ケッ!)


 と心で思ってしまった。

 なお、僕にとっては初恋だった。


 声を発する前から破れてしまったよ。



 戦場(セリン家)で双方顔合わせという場面で、グリース嬢の罵声から始まった。

 その罵声がまともな内容だったらまだ会話になったのに。



「さて、この度は婚約破棄について――」



「そちら、ニフェール殿の不始末による婚約破棄ですわね(ペペッ)!」




「「「「「はっ?」」」」」




 なお、この場にいるのはセリン家から当主ニーロ殿。

 その奥方であるラーミル様。

 そして当事者であるグリース嬢。


 ジーピン家からは当主アダラー。

 当事者アムル。

 そしておまけで僕ニフェール。



 初手の罵声はグリース嬢。

 呆れと疑問の混じった発言は他五名。


 なぁ、セリン家はこの婚約をグリース嬢に説明してないんじゃないのか?

 流石にこの場での頓珍漢な罵声は冗談抜きに賠償金増額確定なんだが。



 それと、唾吐き出すなよ、汚いなぁ。

 確か、食堂ではそんなことしてなかったはず。


 となると、素がこっちか。



「グリース、訳の分からないことを言うのは止めなさい!

 それと唾を吐かない!」


「お義母さま、事実を言うことの何がいけないのです(ペペッ)!

 ジーピン家の過ちなのですからはっきり言うべきでしょう(ペペッ)!」



 ニーロ殿は頭を抱え、ラーミル様は説明しようとしている。

 だがグリース嬢は暴走を続けている。

 おいおい、ラーミル様以外グリース嬢を止めようとしてないし。



 うちの父上に視線を送ると右手を払うかのように動かし左手で顔を隠す。


 この馬鹿親、仕事放棄しやがった。

 母やアゼル兄やマーニ兄に後で報告しておかないと。



 双方の父親がまともに行動取る気が無いようなので、僕の方で話を進める。


 できれば暴力に訴えたい。

 今までの面倒を暴力で返したい。


 だが、とりあえず事実を説明し自分がやらかしたことを理解させよう。

 そして、心をへし折ってから身体を砕こう。



「あ~、グリース嬢。

 あなたの言い分は僕、ニフェールの行動に問題がある。

 だから僕との婚約を破棄するということでよろしいですか?」



 僕の質問に唾を飛ばしまくりつつグリース嬢は答える。



「そうですわ(ペペッ)!

 あなたが婚約者としてまともな行動をしないから(ペペペッ)!!

 こちらも婚約破棄と言い出すしかなかったのですわ(ペペペペッ)!!!」



 すっごいな。

 ここまで唾飛ばしまくって、余程唾液が溜まっているのだろうか?


 と言うか、セリン家で唾飛ばしまくって喋るのって恥ずべき事と教えないのか?

 ラーミル様の反応を見る限りちゃんと礼儀作法を教えているようなんだが。

 当人の理解度の問題?



「まず婚約者を勘違いされているようですね。

 あなたの婚約者は僕ではなく弟のアムルです」




「……え?」




 僕の説明が聞こえたようで、唾を飛ばしまくるのは終わりを告げた。

 ただ「何言ってるの、こいつ?」という反応を見せているが。



「僕の発言を信じられないようですね。

 なら、あなたのご両親にお聞きになればよろしいのでは?」



 と言うかさぁ。



「学園の食堂で婚約破棄ぶちまけられた時も僕ではないと申し上げましたよね?

 ご両親に確認されなかったのでしょうか?」



 暗に「事実確認怠ったのか?」と問う。

 そうするとグリース嬢は慌ててニーロ殿に問いかける。



「え、あ、お父様、嘘ですよね(ペペッ)!

 このような場でそんな噓をついてもすぐにばれるのですよ(ペペッ)!

 恥ずかしいと思わないのですか(ぺペペッ)!!」


 

 最初はニーロ殿に聞いているようだが……。


 首を横に振り「嘘ではない」と行動で示そうとしていたのを見もしない。

 そしてそのまま僕に叱責(のつもりの恥さらし)をしてきた。


 大変だねぇニーロ殿。



「いい加減になさい、グリース!

 そちらのニフェール殿の言う通り、あなたの婚約者はそちらのアムル殿ですよ!

 なぜそんなに意固地になって事実に目を背けようとするのですか!」



 おぅ、ラーミル様ブチ切れましたね。

 僕はあなたがセリン家の良心と認識しました。


 双方男親がほんと~に役に立たない!

 なので、どうかあなたのお力でそこの暴走娘を正論で叩きのめしてください!



「だって、ジーピン家の末っ子を婚約者にって言ったのよ(ペペッ)!

 なぜ、アムルって子が出てくるのよ(ペペッ)!

 婚約を申し出たときの末っ子よ?

 その後にできた子ではないのよ(ペペッ)!」



 ……は?

 何言ってんだこの人。



「え~っと、婚約を申し込まれた時点でのジーピン家の末っ子はアムルですよ?

 そうでなければ、おかしいでしょうに。

 もしかして、今のアムルが五歳未満に見えますか?」


「そうですよ、申し込んだ時点で五歳と聞いてますから、今は十歳ですわね。

 流石に婚約成立させる時点で旦那様と先妻ベラ様で確認していると聞いてます。

 一度ジーピン領に伺ってね?

 お二人が確認したのは信じられないと?」



 僕に追加する形でラーミル様もアムルが婚約者であると説明をする。

 グリース嬢は「信じられない!」という反応をみせる。



「え~っと、いくつか確認です。

『ジーピン家の末っ子を婚約者に』とおっしゃられましたが……。

 婚約時点で名前を知らなかったってことですか?

 知らないのなら、どうしてアムルと婚約したいとおっしゃられたのですか?

 グリース嬢、お答えください」



 名指しで問うと「こいつ何言ってんだ?」という困惑。

 そして「こいつ覚えてねぇな?」という怒りを足したような表情を浮かべた。

 で、また唾を撒き散らかす。

 やめろよ、汚えなぁ……。



「あ(ペッ)・な(ペッ)・た(ペッ)・と(ペッ)!

 五年前チアゼム家のパーティで(ペペッ)!

 お会いしたのが(ペペッ)!

 きっかけですわ(ペペペッ)!」




 ……はぁ?



 

「そこで(ペペッ)!――」


「――あ、ちょっとお待ちを。

 まず、五年前に僕はチアゼム家のパーティって行ったこと無いですよ?

 誰かと間違ってませんか?」



「……え?」



 怒りの表情が消え、困惑の表情だけが残ったグリース嬢は固まってしまった。

 とりあえず、追い打ち掛けておくか。



「僕は、王都に来たのは学園に入るときが初めてです。

 なので、五年前には王都にいたことはございません。

 父上、補足説明願います」



 僕が振ると父上は慌てて説明を始める。

 ……ちゃんと話を聞いてろよ。



「あ、あぁ、五年前の時点でニフェール、アムルとも王都に行ったことは無い。

 その後学園に入り今に至るが、特にチアゼム家と我が家には接点は無い。

 故にパーティに呼ばれるなどと言うことはありえないな」



「うそっ……うそよ(ペペッ)!

 だって、チアゼム家で私が迷ってた時に声かけてくれたじゃない(ペペッ)!

 その時、ジーピン家の末っ子と名乗ったじゃない(ペペッ)!

 あれは嘘だったの(ペペッ)?!」



「嘘も何も、その頃王都に行ったことが無いので声かけるなんて不可能ですよ」



 こちらの説明が納得できないのか、まだやいのやいの言ってくる。

 ラーミル様が叱責するが全く止まる可能性がない。


 本当にこれでどうしろというんだ?

 会話が成立しない。



 父親共は「大変ですなぁ」「いや本当に申し訳ない」とか話している。

 だが、今その会話意味あるのか?

 大事なのはグリース嬢の暴走を止めることだろうに。



「グリース嬢。

 あなたが記憶しているチアゼム家のパーティで会われた方の特徴は?」



 こちらからの質問に思い出そうとするかのように目を閉じ黙る。


 やっと静かになったなぁ。

 ここに来て初めてじゃないか?


 ラーミル様が僕を見て丁寧に頭を下げてくる。

 いや、そんな頭下げないでください。

 それと、胸元が見えるからもう少し頭を上げて……って声に出せないけど。



「同年位の男の子で……」



 ほうほう。



「身長は私よりも高くて……」



 ふむふむ。



「目が二つあって鼻が一つあって……」



「ちょっと待て!」



 流石にこんな戯言が出てきたら止めるでしょ!

 ラーミル様も呆れている。


 父親sはノータッチ。


 アムルはどうしたらいいのか困り続けている。

 ごめんなぁ、急いで終わらせるからな。



「目が二つとか鼻が一つとか言わなくてはいけない程の特徴じゃないでしょう?

 そういうのより、例えば目の色とか、髪の色とか?

 もしくはその子の持っていた物で特徴的な物とかありませんでしたか?」


「目は……薄い青系、髪は……くすんだ金髪、特徴的な物は……あ!」


「どうされました?」


「パーティで道に迷って偶然助けて頂いてハンカチを頂きましたわ(ペペッ)!

 ちょっと待ってください(ペペッ)!

 取ってきますわ(ペペッ)!」



 そう言うと「ドッゴ~ン!」と部屋の扉を開け、そのまま自室に向かったようだ。

 扉を閉めもせずに。




「本当に申し訳ございません!」



 ラーミル様が全力で、先ほどよりも深く頭を下げてくる。



「お気持ちは分かりますし謝罪も受け入れますが……その……」



「?」



 こちらが言いづらそうな雰囲気を察して頂いたようだ。

 だが、その理由が分かっていない。



「谷間を隠してください!」なんて直接言うのも不味いので、指で自分の胸を指す。



 ラーミル様はきょとんとしてご自分の胸を見、一気に顔を赤くする。

 慌てて騒がれる前にこちらから声を掛ける。



「すいません、ちょっと刺激的だったもので……」


「い、いえ、その、粗末なものをお見せして……」



 いえ、最高のお持ち物でした!

 できればずっと見ていたかったです!!


 ちなみに、一般的に巨乳と呼ばれるサイズのはずだ!!!

 目測だけど!


【セリン家:国王派文官貴族:伯爵家】

 ・ラーミル・セリン:現伯爵夫人、後妻

  → ベラパミル(抗不整脈薬)から

    ちなみに、ヒロインです。

 ・ベラ・セリン:前伯爵夫人、先妻(死亡)

  → ベラパミル(抗不整脈薬)から


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