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【連載版】狂犬の……  作者: いずみあおば
7:義兄救援
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本日一回目の投稿です。

二回目は20時台を予定してます


それと、昨日一日当たりのアクセス数MAXを更新しました。

皆様のお陰です、ありがとうございます!

 カル達を連れてまずはジャーヴィン侯爵家へ。

 と言っても中に入ることはしない。


 門番たちに戻ってきたこと、侯爵が無事であること。

 そしてこの後学園様子見に行くことを伝える。


 門番の面々も暴動が起きていることを良く分かっていなかったようだ。

 火事が起こったくらいにしか認識してなかったと言ってた。


 まぁ、貴族街には暴徒は来なかったしね。



 同様にチアゼム侯爵家に向かい門番と話す。

 そうすると、ロッティ姉様が全速力で駆けつけて来た。


 ガバッと僕をハグして一言。



「ニフェールちゃん、大丈夫?!」

「大丈夫です、マーニ兄も元気に大暴れしてますよ」


「いや、それ大丈夫っていうのか?」



 カル五月蠅い!



「とりあえず今日は下手に外に出ないでください。

 冗談抜きで中央通りは血塗れになってますんで。

 まぁ、マーニ兄と僕がやったんですが」


「そんな大騒ぎなのね。

 こちらにはそこまで情報来なかったから平和だったわね」


「多分貴族街を襲わないようにしていたのでしょう。

 貴族が怪我したら国が全力で潰しに来るでしょうから」


「色々あるのね……。

 とりあえずジル様の様子見てくれることは奥様に伝えておくわ」


「お願いします」



 軽くお話してチアゼム侯爵家を後にする。



 次の目標は娼館街。

 追加で第三・第五の面倒を見ることになるんだけど……どうやろうか。



「カル、娼館ギルドとの交渉は頼む。

 欲しいのは僕たちがいない間の強盗ギルドの情報。

 ついでに詐欺師ギルドの方もあれば嬉しいかな。

 その間に僕の方で騎士たちと説得しておくから」


「分かった。

 騎士たちにはニフェールで、娼館ギルドにはニフィだな?」


「そうそう、その感じで」



 急ぎ娼館街のそばに到着すると……何じゃこりゃ?



「カル、強盗ギルドってこんなに人いたのか?」


「いや、いることはいるが……ギルド全員来ない限り無理だぞ?」



 だよねぇ。



「つまり、この群れは今回の暴動をきっかけにただで娼婦とヤろうってこと?

 欲()ならぬ欲()に負けたギルドと関係無い奴らってこと?」


「……多分な。

 正確に言うとギルドと非ギルドが混ざっていると思う。

 というか、これは俺も想像してなかったぞ?

 いくらギルドの長やってても、これは想像の範疇外だ」



 まあ、それは分かる。

 元々サカリ場だったのに……影響範囲が拡大?

 まさか娼館街の外でヤッてる人いないよね……?



「とりあえず、こいつらまとめて消してよかろう。

 ……というか、あれ、なんだ?

 矢が飛んでいる?」



 しかも、結構ちゃんと飛ばせてるぞ?

 命中率かなり高いように思う。



「おや、娼館街の方からだな。

 護衛の奴らで弓矢が得意な奴がいるんじゃね?」


「あぁ、そういうことね。

 ならカル達、弓矢に気を付けながらおっ勃たせている奴らをへし折ってやれ」



 そんな中、ナットが一言。



「……触りたくないんだけど(涙)」


「直接手で持ってへし折れとは言ってねぇ!

 そんなのカリムにしてやれよ!」


「いや、折るのは勘弁してください!!」



 なぜだろう、戦う前からグダグダになってしまった。

 カル、僕を見るな!

 グダグダになった理由は多分僕じゃない!




 妙に緩んだ空気を引き締め直し、娼館街の前にいる奴らを切り捨てる。




「待、待て!

 俺はシフィル様に踏まれに来ただけ…グアッ!」


「貴様ぁ!

 ボクのピロヘースちゃんとの逢瀬を邪魔するな……ギャッ!」


「何だ!

 アタシのトレマきゅんとの出会いを……アァッ!」




 ……なぜか知っている名が聞こえてきている。

 だが、心を凍らせてサクサクと切り捨てていく。


 詳細を知ったら戦えなくなりそうで怖い。


 今までいろんな敵と戦ったという自負はあるが、ここまでの敵は……いたな。


 うちの領地で誘拐を行おうとしたプロスの時くらいか?


 でもあれは僕とアムルが女装したというのもあるから含めていいのか?


 その後も騎士っぽいのには攻撃せずに首を落としていく。


 一通り殺しつくしたと思われたところで誰何された。

 娼館街・騎士たちの双方からって、騎士はどこにいたんだ?


 カルと目配せして、互いの担当に説明しに行く。



「武器を降ろせ、こちらの問いに答えよ!」


「その前にあなたはこの部隊の隊長さんですか?

 隊長さんならご連絡することがございます」



 キョトンとして周りを見渡すが、皆困惑しているようだ。



「あなたがこの部隊の隊長さんなのですか?

 なら、第三部隊、第五部隊のどちらでしょう?」


「い、いや、俺は隊長ではない。

 ちなみに連絡とはどなたからだ?」


「ガルブ団長とジャーヴィン侯爵様の連名ですね」




 ヒ ク ッ !




「で、どこに行けば隊長さんにお会い出来ますか?

 あ、申し遅れました。

 僕はニフェール・ジーピンと申します。

 第二部隊隊長マーニ・ジドロの弟で、今回メッセンジャーを依頼されました」




 ヒ ク ヒ ク ッ ! !




「わ、分かった、こちらに一緒に来てくれ。

 すぐそこに第五部隊隊長が居られる」


「かしこまりました。

 案内お願いします」



 そんなビビらんでいいのに。

 すぐそばに一時拠点のような場所を用意していたようだ。



「そなたがメッセンジャーだと?」


「はい、第二部隊隊長マーニ・ジドロの弟で、今回メッセンジャーを依頼されましたニフェール・ジーピンと申します」



「はっ!」



 は?

 突然鼻で嗤いだしてどうした?




「マーニ殿は只今遠征中だ。

 戻ってくるのはまだ先、そのような嘘がバレぬと思ったか!」




「今日の昼過ぎに帰ってきましたよ?

 というか僕も一緒に遠征に行きましたし……。

 王都に戻ってきたら暴動起こってるんで驚きました」



「はぁ?」



 いやいや、驚き過ぎじゃない?



「ちなみに、僕とマーニ兄が暴れたために中央通りは真っ赤になってます。

 血飛沫と言う奴ですね。

 その後王宮へ報告したらメッセンジャーの依頼をされました。

 ついでに幾つか制圧してくれと頼まれまして、ここに参りました。

 あ、ガルブ団長からこの短剣をお渡しいただきました。

『これを見せればわしの指示で動いていることを理解できるはずだ』

 そうおっしゃってましたね。

 どうぞご確認ください」



 ガルブ団長からお借りしたナイフを見せると一気に表情を変え低姿勢になった。

 ……大丈夫か、こいつ。



「そ、それで連絡とは?」

「ここは僕たちが制圧したら後片付けに数人残しておく。

 そして残りの第五は第三の手伝いに行くよう言われました」


「手伝いだな、分か――」


「――ですが、王宮で説明された事態と現実の乖離に驚いております。

 団長殿はゲリラ戦を仕掛けられているとの連絡しか来ておりません。

 その割には娼館街の前で争っている。

 ついでに騎士は制圧に動こうとしない。

 正直、ここに来て報告との齟齬に驚いております。

 これはどういうことはご説明頂きたい」



 分かるか?

 団長に報告してないんじゃないのか?

 正しく報告しないでまともなフォロー貰えると思うなよ?



「そ、その、連絡は第三に任せっぱなしでして……」

「その第三との連絡はどれだけ密にしてます?」


「そんなことどうでも――」

「――このままだと応援無きまま暴動をとめられなかったのでは?」



 追い詰めていくと、別の人物が割り込んできた。

 面倒だから殺気をピンポイントでぶつける。




「貴様、この方をどな――」




 ブ ワ ッ !


 バ タ ン !




 早っ!

 というか、第八レベルかこいつ?

 学園生並みの殺気だぞ?



「な、何を……」


「ちょっと視線を送っただけですよ?

 そんな倒れるほど僕の笑顔が眩しかったんですかねぇ」


「ふ、ふざけ――」




 ブ ワ ッ !


 バ タ ン !




 おいおい、こいつもかよ。

 どうやって隊長になったんだ、こいつ?



「おや、こちらの隊長さんもお疲れの様だ。

 さて、そこの騎士殿」


「は、はひぃ!」


「こちらの隊長さんの次に指揮を執る方はどなた?」


「こ、こちらの副隊長です!」



 こちらと指示されたのは先に倒れた愚か者。

 マジデスカ?!



「え、えっと、本当に?」



( コ ク コ ク )



「……んじゃ、この二人の次に指揮権を持つ方は?」


「今すぐ連れてきますので、少々お待ちください!!」



 言い終わると共に物凄い速さで駆けだしていった。



 ……いいのか?

 メッセンジャー放置して?



 それから数分後、結構強そうな人物がやってきた。



「アンタがメッセンジャーか?」


「ええ、今回メッセンジャーを依頼されましたニフェール・ジーピンと申します。

 第二部隊隊長マーニ・ジドロの弟です。

 こちらの隊長さんともう御一方が倒れてしまわれたので……。

 情報交換できる人物を求めましたところ、あなたが選ばれたようですね」



 チラッと倒れている二人を見て説明すると、頭抱えながら納得してくれる。



「どうせお前、軽く殺気ぶつけたとかだろ?

 こいつら弱いからすぐ倒れるんだよ。

 あんまりいじめてやるな」


「団長殿の所にここの状況報告してない時点で腹立たしいの想像つきませんかね?

 こちらは殺気ぶつける程度で済ませてやってるんですが?

 まぁ、ここでの事態は一通り団長の前でぶちまけますがね」


「……どういうことだ?」




 あれ、何も知らないの?




「説明する前に、僕たちが暴れる前の状況を説明して頂けます?」


「見た通りだろ?

 娼館街で有象無象が騒ぎ、衝突が起こっていた。

 制圧しなきゃいけないのに、グジグジしていた。

 お前らが暴れまくったらあっさり終わった。

 そん位じゃねぇの?」




 ……おい、何だそりゃ?




「ちょっと待って、制圧しなかったの?」


「お前にはしているように見えたか?」


「ここと反対側から攻撃したからそこまで分からないよ。

 この程度の制圧できないなんて無能者の集まりだとは思ってたけど」


「言うねぇ……」




 事実じゃん。

 とはいえ、このあんちゃんに罪被せるのは流石に違うよな。




「簡単に説明します。

 王宮ではこの辺りはゲリラ攻撃に苦労しているという情報しか持ってません。

 僕がここに来たのはこの辺りで騒動が起きる可能性あると判断しました。

 一応許可貰って来てます。

 正直、団長さんも僕もこんなに大きくなっているとは思ってませんでした」


「あちゃー……」




 おでこに手のひらを当てて呆れるあんちゃん。

 何となく事態が想像ついてきた。




「……もしかして、あんちゃん可哀想な立場?」


「分かるか、坊主?」


「この状態で分からないような奴がメッセンジャー頼まれないよ?

 騎士でも無いのに」


「……騎士じゃない?」


「まだ学園生だもん」


「おいおい、マジかよ」




 天を仰ぎ首を振るあんちゃん。




「坊主、これからどうすればいい?」


「部隊としてはここの死体処理する班。

 それと第三の方に行って手を貸す班で別れるべきかな。

 これ以上ここで騒ぐ奴はいないだろうし」


「まぁ、そんなところか」


「あ、一応団長さんからこんなナイフ貸してもらったんだ。

 なので、僕の言葉は団長さんの指示と思って」




 そう言ってナイフ見せると……頬がヒクついてるんですけど?




「そういう危険物は先に見せとけよ!

 従うしかねぇじゃねぇか!」


「ここの隊長さんはこれ見せても誤魔化そうとしてたけど?」


「冗談だろ?」


「全て事実だよ?」




 二人で溜息のセッションをしてしまう。

 こんなところで呼吸を合わせても仕方ないんだけどな。




「僕もここだけに付き合ってられません。

 なので、今言った行動ちゃんとやっといてくださいね。

 あ、そういえば名前聞いてないや。

 教えてもらえます?」



「あ……すまん名乗ってなかったな。

 俺はアパーム・ルーオンだ」




 アパーム……ルーオン(・・・・)




 え、まさか?




「アパームのあんちゃん、もしかして妻帯者?」

「なんだ、俺は稚児趣味は無いぞ?」




 こっちも無いよ!




「そっちじゃないし、僕もそういう趣味は無い!

 で、奥さんもしかして教師やってない?

 名前はオーミュ・ルーオン、騎士科の歴史担当!」


「……お前、オーミュの生徒か?」




 大当たりかよぉ……。

 ゴメン、オーミュ先生。

 今後もティアーニ先生とは別に巻き込むことになりそう……。




「アパームのあんちゃん、先に謝っとく、ゴメン。

 今後も苦労させると思う」


「何恐ろしいこと言ってんだお前は!」


「知りたければ第一部隊のラクナ殿に聞いてみて。

 憐れんで慰めてくれると思うから」



 涙の数だけの水割りをくれるんじゃないかな。



「待て、どれだけヤバいんだお前は!」




「触れないようにしたくても使いたくなっちゃう」




「ヤバい薬物かよ!」



 ……近いかも。

 ちなみに一番の常習者は侯爵二人なんですけどね。


【ルーオン家:王家派武官貴族:男爵家】

  アパーム・ルーオン:男爵家当主、第五部隊隊員、オーミュ・ルーオンの夫

  → 名は上腕式(血圧計の種類)から

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― 新着の感想 ―
投稿感謝です^^ オーミュ先生の旦那さん、マトモ枠ヾ(*´∀`*)ノ 胃薬常用友の会の新メンバー候補であることを本人が喜ぶか微妙ですが^^; 奥様は悦ぶかもしれませんが(;^_^A 奥様のこの悦びを…
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