1/1
月の満ち欠け
月が満ち満ちていく。
気力が湧き上がる。
私のターンであるから。
夜の月に吠える。
それは喜びの歌。
世界よ!聞こえているか、私は生きているのだよ!
これは生命の謳歌の歌である。
私は、月狼族の娘である。
ヒューマンが決めた区分で言えば、亜人、サブ・ヒューマンのククリに入るとか。
便利だから、交流用、説明用に人族の言葉は習得している。
私は、御歳15才成人になったのだ。…むふー!
つまり旅立ちのときである。
父母、まだ小さい弟妹と別れるのは寂しいけど…これは一族の習い、我々が月狼族として確立してから、約4万年の間、繰り返して来た成人の習いであるからしてな。
わおーーーん!
旅立ちの時、ワクワクするではないか?
そうであろう。
ああ、いずくんぞ、何が我を待つのか…?
楽しみではないか?